※この記事には『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の重大なネタバレがあります。

『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』で、炭治郎と冨岡義勇を相手に圧倒的な強さを見せた猗窩座。

ところが最後は、少し不思議な終わり方をします。

炭治郎に頸を斬られても猗窩座は死なず、むしろ頭部を再生しようとします。

それなのに最終的には、

自分から戦うのをやめ、消滅していきました。

なぜ猗窩座は、自ら死を選ぶような行動を取ったのでしょうか。

結論|猗窩座は「弱い自分」を倒し、狛治として死ぬことを選んだ

猗窩座が最後に戦うのをやめた最大の理由は、

人間だった頃の記憶を取り戻し、自分が本当に守りたかったものを思い出したから

です。

鬼として何百年も追い求めてきた「強さ」。

しかしその原点にあったのは、

父を守りたい。

恋雪を守りたい。

慶蔵との約束を守りたい。

という気持ちでした。

それをすべて失ったあと、猗窩座は理由だけを忘れ、

「強くならなければならない」

という執念だけを残して鬼になっていたのです。

炭治郎に頸を斬られても猗窩座は死ななかった

通常、鬼は日輪刀で頸を斬られると消滅します。

しかし猗窩座は違いました。

炭治郎に頸を斬られたあとも戦闘を継続。

さらに、

頸を斬られるという鬼の弱点そのものを克服しようとします。

頭部の再生まで始まり、義勇と炭治郎だけでは止めきれない状態へ進みます。

▶ 猗窩座はなぜ首を斬られても死ななかった?鬼の再生能力と限界を解説

あのまま戦えば猗窩座はさらに進化していた可能性がある

猗窩座の肉体は、まだ戦おうとしていました。

つまり、

炭治郎に頸を斬られた瞬間=猗窩座の完全な敗北

ではありません。

鬼としての肉体だけを見れば、猗窩座はなおも生き残ろうとしていました。

それでも猗窩座自身が自分を攻撃する

ところが過去の記憶が戻り始めると、猗窩座の行動が変わります。

彼は自らの肉体へ攻撃を加えます。

これは、

もう戦い続ける必要はない

という意思の表れです。

ただし、この一撃だけでも猗窩座の肉体は完全には止まりません。

鬼の肉体は、それでも再生しようとした

ここが重要です。

猗窩座自身が死のうとしても、鬼になった体は自動的に再生を続けます。

つまり、

鬼としての本能は「生きたい」。

狛治としての心は「もう終わりにしたい」。

という状態です。

最後の戦いは、炭治郎や義勇との戦いから、

猗窩座自身の内側での戦い

へ変わっています。

猗窩座が本当に嫌っていた「弱者」は自分だった

猗窩座は何度も、弱い者を嫌います。

弱者には虫唾が走る。

弱い者は淘汰される。

そんな極端な価値観を持っていました。

しかし過去を思い出したことで、その言葉の意味も変わります。

狛治は大切な人を誰一人守れなかった

人間だった頃の狛治には、病気の父がいました。

薬を買うために盗みを繰り返しましたが、父は自ら命を絶ってしまいます。

その後、慶蔵と恋雪に出会い、ようやく人生をやり直します。

恋雪との結婚も決まり、道場を継ぐ未来まで見えていました。

しかし、慶蔵と恋雪は隣の道場の者によって井戸へ毒を入れられ、命を奪われます。

強くなりたかった理由は「誰かを守るため」だった

狛治は本来、強さそのものを愛していたわけではありません。

父のため。

恋雪のため。

慶蔵から受け継ぐものを守るため。

誰かを守るために強くなろうとしていました。

しかし鬼になって目的だけを忘れた

無惨によって鬼にされたあと、人間時代の記憶は失われます。

ところが、

「強くならなければ」

という感覚だけは残りました。

だから猗窩座は何百年もの間、強さだけを追い求め続けます。

猗窩座の人生は目的と手段が逆転していた

本来は、

大切な人を守るために強くなる。

はずでした。

ところが鬼になった猗窩座は、

強くなるために人を殺す。

という存在になっています。

完全に逆です。

恋雪を思い出したことで「もう強くなる必要がない」と気づいた

猗窩座の意識の中に恋雪が現れます。

そして、狛治としての記憶が戻っていきます。

ここでようやく、

自分が何のために強くなろうとしていたのか

を思い出します。

▶ 『鬼滅の刃 無限城編』猗窩座はなぜ恋雪を思い出した?人間時代の過去と最期を解説

恋雪に謝り、猗窩座から狛治へ戻る

最後の猗窩座は、もはや上弦の参としての猗窩座ではありません。

恋雪へ、守れなかったことを謝る。

それは、

鬼・猗窩座ではなく、人間・狛治としての言葉

です。

だから再生が止まった

肉体は最後まで再生しようとしていました。

しかし狛治自身が、もう生き続けることを望まなくなります。

その結果、再生が止まり、猗窩座の体は崩れていきます。

炭治郎が倒したの?それとも自分で死んだの?

どちらか一方だけで説明するのは少し違います。

炭治郎と義勇が猗窩座を極限まで追い詰め、炭治郎が頸を斬ったことは間違いありません。

しかし、そのあと猗窩座は鬼としての弱点を克服しかけます。

最終的な消滅を決定づけたのは、

猗窩座自身が戦うことをやめ、再生する意思を捨てたこと

です。

炭治郎は猗窩座の体を倒し、恋雪は猗窩座の心を止めたとも言える

ここからは考察です。

炭治郎と義勇だけでは、進化しかけた猗窩座を完全に止められなかった可能性があります。

しかし恋雪との記憶が戻ったことで、猗窩座自身が戦いをやめました。

そう考えると、

炭治郎たちは猗窩座を追い詰め、恋雪が狛治を連れ戻した

という構図にも見えます。

なぜ猗窩座の最期は悲しいのか

猗窩座は多くの人を殺した鬼です。

煉獄杏寿郎を殺したことも消えません。

悲しい過去があるからといって罪がなくなるわけではありません。

それでも、

鬼になる前には、大切な人を守ろうとしていた青年だった

ことが最後に明かされます。

まとめ|猗窩座は「強さ」ではなく「大切な人」を思い出した

猗窩座が最後に自ら戦うのをやめた理由は、

人間だった頃の自分=狛治を取り戻したから。

です。

何百年も、

「もっと強く」

「誰よりも強く」

と戦い続けました。

しかし本当に欲しかったのは、最強の称号ではありません。

父や慶蔵や恋雪と生きる未来。

それを思い出した瞬間、強さを追い続ける意味そのものが消えました。

猗窩座が死んだというより、

猗窩座として生き続けることをやめ、最後に狛治へ戻った。

そう考えると、あの最期が理解しやすいと思います。


『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』をもう一度見たい方へ

猗窩座が頸を斬られてから、狛治として恋雪を思い出すまでの流れは、本作でも特に重要な場面です。Blu-rayで改めて見ると、戦闘中から少しずつ変化していく猗窩座の表情や演出も確認できます。