※この記事には映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のロッキーとの初接触以降についてネタバレがあります。

グレースとロッキーが出会った時、当然ながら言葉は通じません。

ロッキーは地球外生命体。

英語を知るはずがありません。

ところが映画が進むと、観客にはロッキーの言葉が普通に理解できるようになります。

「ロッキーはいつ英語を覚えたの?」

「実際に英語をしゃべっているの?」

と疑問に思った人もいるでしょう。

結論|ロッキーは英語を話していない。コンピューターが翻訳している

映画のロッキーは、実際には、

英語を発音しているわけではありません。

ロッキー自身は、音程や和音で構成されたエリド人の言語を使っています。

グレースがその音を解析し、

コンピューターを使った翻訳システム

を作ります。

観客が聞いている言葉は、その翻訳を分かりやすく表現したものです。

ロッキーの言葉はどんな音?

ロッキーの言語は、人間の発声とは大きく違います。

単純な「あ・い・う・え・お」のような音ではなく、

複数の音程や和音、音の組み合わせ

によって意味を作ります。

そのためグレースには、最初は音楽のように聞こえます。

なぜロッキーはそんな言語を使う?

エリド人は、人間とは違う感覚器官を持っています。

人間のように視覚を中心に世界を認識していません。

音が非常に重要な情報になります。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ロッキーはなぜ目がない?エリド人の体の仕組みを解説

最初は会話ではなく「確認」から始まる

いきなり文章を翻訳できたわけではありません。

グレースとロッキーは、

数字。

長さ。

時間。

元素。

物。

といった、互いに意味を確認しやすいものから意思疎通を始めます。

数学が最初の共通言語になる

地球とエリドでは文化が違います。

しかし物理法則は同じです。

水素の性質。

鉄の原子番号。

物体の長さ。

数。

こうしたものは文明が違っても共有できます。

「これを何と呼ぶ?」を繰り返して単語を増やす

グレースは対象物を示す。

ロッキーが音を出す。

その音を記録する。

意味と結びつける。

この作業を何度も繰り返します。

グレースはロッキーの音をコンピューターで解析

人間の耳だけでは、複雑な音程を正確に覚えるのは大変です。

そこでグレースは、ロッキーの発する音をコンピューターへ記録します。

そして、

どの音がどの意味に対応するのか

をデータ化していきます。

映画では翻訳用の人工音声を使う

映画版では、観客がロッキーとの会話を理解しやすいように、

翻訳結果を人工音声で聞かせる

という表現が使われています。

そのため途中からは、まるでロッキー自身が英語をしゃべっているように感じます。

でも実際にはロッキーはずっと音で話している

ここを勘違いしやすいところです。

ロッキーが突然英語を発音できるようになったわけではありません。

ロッキー → エリド語の音。

コンピューター → 意味を英語へ変換。

という仕組みです。

映画では原作より会話習得が早く見える

原作では、グレースとロッキーが少しずつ単語を増やしていく過程がかなり詳しく描かれています。

映画では上映時間の都合もあり、その過程が圧縮されています。

それでも最初の試行錯誤はちゃんと描かれる

身振り。

数字。

測定。

物体。

音。

二人が一つずつ共通ルールを作っていく過程があります。

ロッキー側は人間の言葉をどう理解する?

ロッキーも、グレースの言葉と意味を対応させて覚えていきます。

ただしロッキーには非常に優れた記憶能力があります。

そのため、覚えた対応関係を保持することが得意です。

二人の言語学習は一方通行ではない

グレースだけがロッキー語を研究しているわけではありません。

ロッキーもグレースの表現を理解しようとしています。

だから、

「人間が異星人へ言葉を教えた」

だけではありません。

最初は誤解も起きる

文化も単位も考え方も違うため、グレースはロッキーの意図を誤解することがあります。

しかし、その間違いも一つずつ修正します。

科学があるから会話を始められた

もし二人に共通するものが何もなければ、意思疎通は非常に難しかったはずです。

しかし、

数学と物理法則は宇宙のどこでも同じ。

これが最初の橋になります。

その後は科学以外の話までできるようになる

最初は実験に必要な言葉だけ。

しかし少しずつ、

食事。

睡眠。

家族。

文化。

冗談。

まで話せるようになります。

会話できるようになったから「研究相手」から「友達」へ変わる

言語は単なる便利な道具ではありません。

相手が何を考えているか分かる。

不安を共有する。

笑う。

心配する。

そうした交流が、二人の友情を作っていきます。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ロッキーとの友情はなぜ泣ける?2人の関係を考察

ロッキーの「質問?」が印象的な理由

ロッキーの会話には、短く独特な表現が多くあります。

映画では、その少し不思議な言葉遣いがロッキーのキャラクターにもなっています。

完全に人間と同じしゃべり方へ変えるのではなく、

異星人らしさを残したまま意思疎通できる

ように表現されています。

ラストでは翻訳機なしでも理解できるようになっている

映画の終盤では重要な変化があります。

エリドで暮らすようになったグレースは、長い時間ロッキーたちと接しています。

その結果、

ロッキーの音そのものをかなり理解できるようになります。

ラストでロッキーの声が変わる意味

映画のラストでは、観客にも人工音声ではなくロッキー本来の音が強く意識される演出があります。

それでもグレースは意味を理解しています。

つまり、

もはや翻訳機だけに頼る関係ではない。

ということです。

二人の距離が縮まったことを言語で表している

最初は一音ずつ解析していた。

最後には自然に理解する。

これは二人の関係の変化そのものです。

まとめ|ロッキーは英語を話しているのではなく、翻訳されている

ロッキーとの会話方法を整理すると、

ロッキーは音程や和音を使ったエリド語を話す。

グレースが音を記録する。

物や数字を使って意味を一つずつ確認する。

コンピューターへ単語を登録する。

映画では翻訳結果を人工音声として観客へ聞かせる。

という仕組みです。

ロッキーが突然英語を覚えたわけではありません。

そして最後にはグレース自身がロッキーの言語を理解できるほどになります。

「通じない」状態から始まった二人が、最後には翻訳機がなくても分かり合える。

言語の変化そのものが、グレースとロッキーの友情の深まりを表しているのです。


グレースとロッキーが言葉を覚える過程を原作で読みたい方へ

原作では、数字や元素を使って少しずつ共通語彙を増やしていく過程が映画より詳しく描かれています。

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