『祈りの幕が下りる時』苗村誠三はなぜ消えた?浅居博美との関係と真相
※この記事には映画・原作『祈りの幕が下りる時』の重大なネタバレがあります。
『祈りの幕が下りる時』の捜査で、一時重要人物として浮かび上がるのが苗村誠三です。
苗村は浅居博美と押谷道子の中学時代の教師。
しかも後に教師を辞め、離婚し、行方が分からなくなっています。
このため、「越川睦夫の正体は苗村なのでは?」と思わせる人物でもあります。
では、苗村誠三はなぜ消えたのでしょうか。
苗村誠三は浅居博美の中学時代の教師
苗村誠三は、浅居博美が中学生だった頃の教師です。
押谷道子も同じ学校に通っていました。
映画版では及川光博さんが演じています。
博美にとっては、辛い時期に関わった重要な大人の一人です。
苗村と博美には教師と生徒以上の関係があった
原作・映画では、成長した博美と苗村の間に特別な関係があったことが明らかになります。
そのため捜査側から見れば、苗村は博美の過去をよく知る人物です。
さらに、教師を辞めた後に消息が分からなくなっていたことから、事件との関係が疑われます。
苗村は越川睦夫ではない
物語の途中では、苗村が越川睦夫の正体なのではないかという可能性も浮かびます。
しかしこれは違います。
越川睦夫の正体は、浅居博美の父・浅居忠雄です。
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では苗村はなぜ行方不明になった?
苗村が姿を消した背景にも、浅居親子の秘密が関わっています。
苗村は博美との関係を通して、彼女の父・忠雄が生きていることに近づいてしまいます。
忠雄にとって、それは非常に危険なことでした。
長年守り続けてきた父娘の秘密が外部に漏れる可能性があったからです。
苗村は浅居忠雄に殺される
最終的に明らかになるのは、苗村誠三も浅居忠雄に殺されていたという事実です。
つまり苗村が自分の意思で完全に失踪したわけではありません。
博美との関係から父娘の秘密に近づき、その結果、忠雄によって消されてしまったのです。
なぜ忠雄はそこまで秘密を守ろうとした?
忠雄は長年、別人として生きていました。
本当の身元が明らかになれば、自分の過去だけでなく、博美が父親の生存を隠していたことまで知られる可能性があります。
忠雄にとって、自分の正体を知る人物は、娘の人生を壊す危険な存在になっていました。
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苗村の死は押谷道子事件と同じ構造
苗村と押谷道子には共通点があります。
どちらも、浅居親子の秘密に近づいたことが原因で命を奪われています。
押谷道子もまた、忠雄が生きている可能性に気づいたことで殺害されます。
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忠雄は娘を守るためなら殺人も辞さなくなっていた
忠雄の行動の根底には、博美を守りたいという強い思いがあります。
しかしその思いは、次第に別の人間の命を奪うところまで進んでしまいます。
最初は娘を守るための逃亡だったはずが、秘密を守るための犯罪へ変わっていきます。
ここが『祈りの幕が下りる時』の悲劇の大きな部分です。
博美は苗村の死をどう受け止めていた?
博美にとって苗村は、自分の人生に関わった大切な人物です。
その人物まで父の秘密によって失われます。
それでも博美は父を警察に突き出しません。
幼い頃から父と2人で生きてきた関係が、それほど強かったということです。
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苗村は「真犯人候補」として観客を迷わせる存在
物語の構成上、苗村は非常に重要です。
教師を辞めている。
離婚している。
消息不明になっている。
博美との深い関係がある。
これだけの条件がそろっているため、観客は「苗村が越川なのでは?」と疑います。
しかし実際には、苗村自身も浅居親子の秘密に巻き込まれた被害者でした。
苗村の存在で忠雄の罪の重さが分かる
押谷道子殺害だけを見ると、忠雄は追い詰められて衝動的に犯行に及んだようにも見えます。
しかし苗村の件まで知ると、忠雄が長年にわたって秘密を守るために大きな罪を重ねてきたことが分かります。
「娘を守りたい」という動機があっても、殺人が正当化されるわけではありません。
本当の元凶は誰だったのか
忠雄だけをすべての元凶と考えるのも単純ではありません。
忠雄と博美が逃亡生活へ追い込まれた背景には、妻・厚子の行動があります。
誰か一人だけがすべてを生んだというより、複数の選択と罪が積み重なって悲劇が拡大していきます。
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まとめ
苗村誠三は、浅居博美の中学時代の教師で、後に博美と特別な関係を持った人物です。
教師を辞め、離婚した後に消息不明になりますが、単に自分から姿を消したわけではありません。
浅居博美の父・忠雄が生きている秘密に近づいたことで、忠雄に殺害されていました。
一時は越川睦夫の正体候補にも見えますが、実際には浅居親子の秘密に巻き込まれた被害者の一人です。
映画『祈りの幕が下りる時』ネタバレ解説|犯人・事件の真相・加賀の母・ラストまで考察
映画を観て原作も気になった方へ
映画では時間の都合で整理されている浅居親子の過去や、母・厚子の行動によって父娘の人生がどのように変わっていったのかも、原作ではより細かく描かれています。
映画を観たあとに読むと、忠雄と博美がなぜここまで強く結びつき、何十年も過去から逃れられなかったのかも、さらに深く見えてくると思います。
