『九条の大罪』「カンモク」とは何?完全黙秘する理由とメリットを解説
※この記事には、Netflixシリーズ『九条の大罪』の内容に触れるネタバレがあります。
『九条の大罪』を観ていると何度も登場するのが、
「カンモク」
という言葉です。
九条間人(柳楽優弥)たちが逮捕された依頼人に対して使うため、何となく「何も話すな」という意味だとは分かっても、正式には何を指すのか分かりにくいかもしれません。
Netflix公式の制作ノートでも、「カンモク」は本作を代表する刑事事件用語の一つとして取り上げられています。
この記事では、「カンモク」の意味、なぜ完全黙秘するのか、「20日でパイ」との関係、本当に黙っていれば有利になるのかを分かりやすく解説します。
「カンモク」とは完全黙秘のこと
「カンモク」は、「完黙」=完全黙秘を指します。
Netflix公式も、「カンモク」について、勾留中に「完全黙秘」をする意味だと説明しています。
つまり警察や検察の取り調べに対して、事件について供述しないということです。
黙秘することは犯罪ではない
「警察に聞かれたら全部答えなければならない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし被疑者・被告人には黙秘権があります。
自分に不利益な供述を強制されないための重要な権利です。
したがって、黙秘すること自体が新たな犯罪になるわけではありません。
なぜ九条は「完黙」を勧めるの?
取り調べで本人が話した内容は、その後の捜査や裁判に影響する可能性があります。
本人としては自分に有利な説明をしているつもりでも、発言の一部が不利に使われたり、供述の変化を追及されたりすることがあります。
九条はそのリスクを避けるため、事件によっては依頼人に完全黙秘を求めます。
これは「嘘をつけ」という意味ではありません。
余計な供述をせず、証拠によって事件を判断させるという弁護方法です。
「完黙」と「否認」は同じではない
完全黙秘と否認は少し違います。
否認は、「自分はやっていない」など、容疑そのものを否定することです。
完全黙秘は、その否定の説明すら含め、事件について供述しないことを意味します。
つまり、
否認=やっていないと話す
完黙=事件について話さない
という違いがあります。
なぜ黙っている方が有利になることがある?
犯罪を立証する責任は、基本的に捜査・訴追する側にあります。
被疑者自身が、自分を有罪にするための証拠を提供する義務があるわけではありません。
特に物的証拠が乏しく、本人の供述が事件解明の大きな鍵になるケースでは、黙秘によって捜査側が十分な証拠を集められないことがあります。
その結果、不起訴になる可能性もあります。
「完黙すれば20日でパイ」とは?
『九条の大罪』では、「完黙」とセットで出てくるのが、
「20日でパイ」
です。
起訴前の勾留は、原則10日間、さらに延長が認められると最大で追加10日間となることがあります。
その間に捜査側が起訴に必要な証拠を固められず、不起訴になれば、被疑者は釈放されます。
そのため作品では、完全黙秘を続けて20日間を乗り切り、「パイ=釈放」を狙うという考え方が登場します。
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完黙すれば本当に不起訴になる?
必ず不起訴になるわけではありません。
ここは作品を見るうえでも重要です。
本人が何も話さなくても、客観的な証拠が十分なら起訴される可能性があります。
防犯カメラ、スマートフォンの記録、DNA、目撃証言などが揃っていれば、供述がなくても事件を立証できることがあります。
刑事事件を扱う実務家への取材でも、「完黙すれば必ず20日でパイ」というものではないと説明されています。
ではなぜ弁護士は黙秘を勧めることがある?
本人が何を話すべきか判断できない状態で取り調べを受けると、不必要に不利な供述をしてしまう可能性があります。
そのため事件の内容によっては、弁護士がまず黙秘を勧め、弁護士との接見で状況を整理してから対応を考えることがあります。
『九条の大罪』では、この刑事弁護の現実的な部分がかなり強く描かれています。
九条は「真実を隠している」のか?
九条のやり方を見ていると、
「犯罪者に黙らせて真実を隠しているだけでは?」
と感じる人もいるでしょう。
しかし九条の考え方では、弁護士が依頼人に不利な証拠を自ら作る必要はありません。
依頼人にも認められている権利を最大限使い、そのうえで捜査機関が証拠によって犯罪を立証する。
それが法のルールだという立場です。
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烏丸は九条のやり方に戸惑う
烏丸真司(松村北斗)は九条法律事務所で働き始め、こうした刑事弁護の現実に直面します。
法律上認められた方法だとしても、被害者側から見れば納得しにくい。
その葛藤が、九条と烏丸の関係を描く重要な要素になっています。
九条が「制度としての法律」を重視する一方で、烏丸は「それで本当に人として正しいのか」と問い続けます。
Netflix版は用語をあえて説明しすぎない
『九条の大罪』では、「カンモク」「パイ」などの専門的な言葉が突然出てきます。
Netflix公式によると、本作ではあえてテロップによる細かい用語解説を行っていません。
日本独自の法律・刑罰について説明しすぎると、日本人にしか分からないドラマになってしまう可能性があるためです。
そこで言葉の説明より、人物の会話や間、状況そのものを見せることで世界中の視聴者が物語に入れる作りを目指したとされています。
「カンモク」が作品の世界観をリアルにしている
一般には聞き慣れない言葉を、登場人物たちは当たり前のように使います。
この描写によって、視聴者は法律事務所や留置場、接見室といった普段見ることのない世界へ入っていきます。
「カンモク」という言葉そのものが、『九条の大罪』のリアルな空気を作る重要な要素になっています。
まとめ|カンモクとは「完全黙秘」
『九条の大罪』で登場する「カンモク」は、「完黙=完全黙秘」を意味します。
被疑者が取り調べで事件について供述せず、黙秘権を使うことです。
作品では、証拠の乏しい事件で完全黙秘を続け、起訴されずに「20日でパイ=釈放」を狙う戦術が描かれています。
ただし、完全黙秘すれば必ず不起訴になるわけではありません。
それでも九条が完黙を重視するのは、依頼人に認められた権利を最大限守ろうとする彼の弁護士としての信念につながっています。
『九条の大罪』を原作漫画で読みたい方へ
「完黙」「20日でパイ」など、独特の刑事弁護の言葉や駆け引きは原作漫画でも大きな魅力です。
ドラマで分かりにくかった用語を確認しながら読むのもおすすめです。
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