『余命一年、男をかう』原作の結末は?小説ラストをネタバレ解説
※この記事には吉川トリコ『余命一年、男をかう』原作小説の結末までのネタバレがあります。
Netflix映画化された『余命一年、男をかう』には、吉川トリコによる同名小説の原作があります。
映画を見る前に、
「原作では唯は最後に死ぬの?」
「瀬名とは結婚する?」
「2人は本当に好きになる?」
と気になる方も多いでしょう。
この記事では原作小説のラストを中心に、片倉唯と瀬名吉高の結末を整理します。
結論|唯は瀬名と結婚し、最後には「生きたい」と思う
原作の結末を一言でまとめると、
死ぬことを受け入れていた唯が、瀬名との出会いによって生きたいと思うようになる物語
です。
唯は瀬名と結婚する方向へ進みます。
ただし、最初から愛し合って結婚するわけではありません。
始まりはあくまで金銭的な契約です。
唯は余命一年をむしろ受け入れていた
原作の唯は、余命一年と知らされても、典型的な余命ものの主人公のように取り乱しません。
それまで老後資金のために節約してきたため、老後そのものがなくなったことで不思議な解放感を覚えます。
死への恐怖以上に、長く生き続けるための金銭的不安から解放されたと感じるのです。
瀬名との出会いも恋愛目的ではない
瀬名はピンク髪のホスト。
病院でお金に困っているところを唯と出会います。
唯は72万円を渡しますが、これも恋愛感情からではありません。
どうせ死ぬなら、自分が貯めた金を使ってしまおうという気持ちが大きく影響しています。
瀬名は借用書を持って戻ってくる
唯は、瀬名が金を持って消えても不思議ではないと考えていました。
しかし瀬名は返済を約束する借用書を用意します。
ここで2人の関係は、単なる一度きりの出会いではなくなります。
1時間1万円、70時間の契約へ
唯は瀬名に返済を求める代わりに、彼の時間を買います。
1時間1万円で70時間。
この時間を使い、唯は今まで自分一人ではしてこなかった経験をします。
瀬名はホストという「人を楽しませる仕事」のプロでもあり、唯にとって人生の残り時間を使うための案内人になっていきます。
契約終了後に唯は自分の感情へ気づく
契約期間中は「金を払っているから一緒にいる」と考えることができます。
ところが70時間が終わり、瀬名と会わなくなると、唯は寂しさを覚えます。
ここで初めて、唯は瀬名との関係が金だけではなくなっていたことに気づき始めます。
唯が考えた次の契約は「結婚」
唯は自分の死後に残る財産について考えます。
そこで瀬名と結婚し、財産を相続させるという発想にたどり着きます。
一般的な恋愛小説なら、好きになったから結婚したいと考えるところです。
しかし唯は最後まで、感情を経済や契約の言葉に置き換えようとします。
結婚をM&Aのように考える唯
唯にとって結婚は、愛だけで成立する特別な制度ではありません。
経済的なメリットや生活の役割分担も含んだ契約の一種だと考えています。
だから「自分がお金を持ち、瀬名が必要としているなら結婚すればいい」という非常に唯らしい結論へ進みます。
瀬名はその考え方に怒る
ところが瀬名は、その提案を素直に受け入れません。
自分は金に困っている。
唯は財産を残したい。
条件だけを見れば成立する話です。
それでも瀬名は、結婚をそこまで金の問題だけで扱う唯に反発します。
この反応から、瀬名にとって唯がすでに「金をくれる人」ではなくなっていることが分かります。
唯も自分の孤独に気づく
唯は誰にも頼らない生き方を選んできました。
それは強さでもあります。
一方で、人に頼らないことと、人を必要としないことは同じではありません。
瀬名と過ごしたことで、唯は自分が長く避けてきた孤独にも向き合うことになります。
終盤で唯は感情を抑えきれなくなる
それまでの唯は、人生の問題を理屈と計算で処理してきました。
しかし終盤では、その方法だけでは抑えられない感情があふれます。
瀬名の前で弱さを見せることで、2人の関係は完全に「契約」を超えます。
瀬名も唯と人生を共にすることを選ぶ
瀬名は唯の財産だけを求めるのではありません。
唯自身の人生に関わりたいという気持ちを伝えます。
この時点で、72万円から始まった関係は完全に意味を変えています。
唯は最後に死ぬ?
原作は、唯の死そのものを描いて終了しません。
重要なのは、余命宣告を受けた直後には死を受け入れていた唯が、最後には生きたいと思うようになることです。
そのためラストの焦点は、
「唯が一年後に死んだかどうか」
よりも、
「唯が生きたいと思えるようになったこと」
にあります。
なぜこの結末が重要なのか
唯はずっと、未来の不安に備えるために現在を節約していました。
しかし余命一年になり、未来そのものがなくなります。
そこで初めて現在を楽しみ始めます。
さらに瀬名と出会ったことで、今度は未来が欲しくなる。
ここに大きな逆転があります。
未来が怖くて貯金していた人が、未来を失ったことで現在を生き、最後にはもう一度未来を欲しがる。
これが原作のラストの核です。
映画版で変更される可能性はある
Netflix映画版は吉川トリコの原作をもとにしていますが、映画の実際の結末は配信前の現時点では公開されていません。
原作の心理描写を約一本の映画へまとめるため、出来事の順番や人物関係が整理される可能性があります。
まとめ|原作ラストは「余命一年」から「これからも生きたい」への逆転
原作『余命一年、男をかう』では、唯と瀬名は結婚へ進みます。
しかし、この物語の本当の結末は「2人が結婚した」という一点ではありません。
死ぬことを受け入れていた唯が、瀬名との出会いによって生きたいと思えるようになったことです。
瀬名を金で買ったつもりだった唯は、最終的にはお金では買えない「誰かと生きる未来」を手に入れます。
だからこの物語は、余命を描いた悲しい小説というより、もう一度人生を欲しくなるまでの物語と読むことができます。
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唯と瀬名の関係がどのように「契約」から変わっていくのかは、原作では心理描写を含めて丁寧に描かれています。
