『星を編む』はどんな話?『汝、星のごとく』続編のあらすじ・収録3編を解説
※この記事には、『汝、星のごとく』『星を編む』の内容に触れるネタバレがあります。
『汝、星のごとく』を読み終えて、続編『星を編む』が気になっている方も多いと思います。
ただ、タイトルだけを見ると、
「櫂と暁海のその後をそのまま描いた長編なの?」
「櫂が亡くなったあとの暁海だけの話?」
「北原先生の話も入っている?」
と内容が少し分かりにくい作品です。
結論からいうと、『星を編む』は一つの長編ではありません。
「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」
という3つの物語で構成されています。
この記事では、『星を編む』がどんな本なのか、3編は誰を描いているのか、それぞれ『汝、星のごとく』とどうつながるのかを整理します。
『星を編む』は『汝、星のごとく』の続編
『星を編む』は、凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』に続く作品です。
ただし、
「本編の直後から始まる一本の長編」
ではありません。
『汝、星のごとく』で描ききれなかった人物や時間を、3つの物語から描いています。
収録されているのは「春に翔ぶ」「星を編む」「波を渡る」の3編
収録されているのは、次の3編です。
「春に翔ぶ」
「星を編む」
「波を渡る」
それぞれ主人公や時間軸が違います。
そのため、3編を読むと、
北原先生の過去。
櫂が作家として生きた時間。
櫂を失ったあとの暁海。
がつながっていきます。
「春に翔ぶ」は北原先生の過去を描く
最初の「春に翔ぶ」で中心になるのは、北原先生です。
『汝、星のごとく』では、櫂と暁海を支える教師として登場した北原。
しかし本編では、北原自身の人生についてはそれほど多く語られていません。
「春に翔ぶ」では、そんな北原が秘めていた過去に光が当たります。
さらに、病院で北原へ話しかけてくる元教え子・菜々の問題も描かれます。
北原という人物が、なぜあのように他人の人生へ手を差し伸べるのか。
本編では見えなかった背景が分かる物語です。
「星を編む」は櫂本人ではなく編集者たちの物語
2編目の表題作「星を編む」で描かれるのは、櫂を担当した編集者たちです。
櫂は『汝、星のごとく』の中で、漫画原作者として道を切り開き、その後は作家としても作品を残していきます。
しかし、才能のある人が一人で作品を世に出しているわけではありません。
その才能を見つける人。
支える人。
原稿を待つ人。
作品として形にする人。
読者へ届ける人。
そうした編集者たちがいます。
「星を編む」は、
作家・青埜櫂を「作品として残す」側の物語
です。
なぜタイトルが「星を編む」なのか
ここからは考察です。
櫂は、強い才能を持つ人物です。
その才能は一つの「星」のようにも見えます。
しかし星は、ただそこにあるだけでは、一冊の本にはなりません。
編集者が原稿を受け取り、作家と向き合い、作品として形にする。
それは、点として存在する星を一つずつつないでいく作業にも見えます。
才能という星を、誰かが編んで作品にする。
表題作には、そんな意味も重なっているように感じられます。
「波を渡る」が本編の直接的な“その後”
3編目の「波を渡る」は、『汝、星のごとく』を読み終えた方が最も「続き」と感じやすい物語です。
中心にいるのは暁海。
櫂との物語に大きな区切りがついたあとも、暁海の人生は続きます。
『汝、星のごとく』のラストで、すべてが終わったわけではありません。
生き残った人は、その先を生きなければならない。
「波を渡る」では、
櫂を失ったあとの暁海が、これからどう生きていくのか
が描かれます。
3編はバラバラではなく「受け渡されるもの」でつながっている
主人公が違うため、一見すると3編は独立しているように見えます。
しかし、すべてを読むと共通点があります。
誰かが誰かを支える。
誰かから受け取ったものを別の誰かへ渡す。
亡くなった人が残したものを、生きている人が受け継ぐ。
この、
「人と人の間で何かが受け渡されていく」
という感覚が3編をつないでいます。
『汝、星のごとく』の櫂と暁海だけを期待すると少し違う
『星を編む』を読む前に知っておきたいのは、
全編が櫂と暁海の恋愛の続きではない
ということです。
櫂と暁海だけを中心にした物語を期待すると、最初は少し違うと感じるかもしれません。
しかし北原先生や編集者たちの視点が入ることで、逆に櫂と暁海の人生が外側から見えてきます。
「二人だけの物語」だったものが、
二人を支えた人、二人から影響を受けた人まで含めた物語
へ広がっていきます。
『星を編む』は本編を読まずに読める?
読むこと自体はできます。
ただ、基本的には『汝、星のごとく』を先に読むのがおすすめです。
北原先生が櫂と暁海にとってどんな人物なのか。
櫂がどんな人生を歩いたのか。
暁海が何を失ったのか。
これらを知らずに読むと、3編の感情的な重みがかなり変わります。
どの話が一番「続編らしい」?
『汝、星のごとく』の続きが読みたいという意味なら、
「波を渡る」
が最も直接的な続編です。
一方、
北原先生が好きなら「春に翔ぶ」。
櫂の作家としての人生が気になるなら「星を編む」。
暁海のその後が知りたいなら「波を渡る」。
と、それぞれ違う読みどころがあります。
3編を簡単に整理
春に翔ぶ
北原先生の過去と、教え子・菜々をめぐる物語。
星を編む
漫画原作者・作家となった櫂を支えた編集者たちの物語。
波を渡る
櫂との愛を経たあとも続く、暁海のその後の人生。
まとめ|『星を編む』は本編で描けなかった時間を3方向から埋める続編
『星を編む』は、『汝、星のごとく』の続編です。
ただし、一つの長い後日談ではありません。
北原先生の過去。
櫂を支えた編集者たち。
櫂を失ったあとの暁海。
この3方向から、『汝、星のごとく』で描ききれなかった時間を補っています。
本編で大きな余韻を残した櫂と暁海の物語が、周囲の人物たちまで含めてもう一度広がっていく。
それが『星を編む』です。
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『星を編む』を実際に読んでみたい方へ
この記事では3編の内容にも触れながら紹介しました。
ただ、『星を編む』の魅力は、あらすじだけでは伝わりにくい人物の感情と、誰かから誰かへ受け渡されていく言葉にあります。
『汝、星のごとく』を読んだあとに続けて読むと、櫂と暁海だけでは見えなかった物語までつながってきます。
