※この記事には、東野圭吾『殺人の門』原作小説の重大なネタバレがあります。

東野圭吾『殺人の門』は、主人公・田島和幸の人生を少年時代から大人になるまで追いながら、彼が倉持修への殺意を募らせていく過程を描いた長編小説です。

物語は一つの殺人事件を追う形式ではありません。

家庭の崩壊、恋愛、仕事、金銭問題など、田島の人生で起こる出来事が積み重なり、そのたびに倉持の存在が浮かび上がります。

この記事では人物考察やタイトルの意味には深入りせず、原作で何が起き、最後に田島がどうなるのかを時系列で整理します。

『殺人の門』原作の流れを先に整理

  1. 田島和幸が裕福な家庭で育つ
  2. 小学生時代に倉持修と出会う
  3. 祖母の死をきっかけに田島家が崩れていく
  4. 成長後も田島と倉持の関係が続く
  5. 恋愛や仕事でも田島が傷ついていく
  6. 田島は倉持への疑念と憎しみを強める
  7. 東西商事をめぐる問題が起こる
  8. 倉持が田島以外の人物に襲われる
  9. 田島が入院中の倉持のもとへ向かう
  10. 最後に田島が倉持の首へ手をかける

少年時代|田島和幸は裕福な家庭で育つ

主人公・田島和幸は、歯科医院を営む家庭で育ちます。

少年時代の田島は、経済的には比較的恵まれた環境にいました。

そんな田島が小学生のころに親しくなるのが倉持修です。

この出会いから、二人の長い関係が始まります。

田島と倉持が小学生時代に出会う

倉持は頭の回転が速く、人との距離を縮めるのがうまい少年です。

田島にとっては友人であり、長い人生の中で何度も関わることになる人物でもあります。

この時点では、田島が後に倉持を殺したいほど憎むことになるとは分かりません。

倉持という人物そのものについては、こちらで詳しく整理しています。

『殺人の門』倉持修は何者?田島の人生を狂わせる理由と正体を原作から解説

祖母の死をきっかけに田島家が崩れていく

田島の少年時代に大きな変化をもたらすのが、祖母の死です。

祖母の死後、田島の母親が祖母を毒殺したのではないかという噂が広がります。

この出来事を境に、田島を取り巻く家庭環境は大きく変わっていきます。

両親は離婚し、父親の生活も傾き、それまでの裕福な暮らしも失われていきます。

田島にとって少年時代は、安定していた人生が崩れ始める時期となります。

成長後も田島と倉持の関係は続く

田島と倉持の関係は、少年時代だけで終わりません。

学生時代から大人になった後まで、二人は何度も接点を持ちます。

田島が新しい生活へ進もうとすると、その人生の節目に倉持が現れます。

一度距離ができても、完全に縁が切れるわけではありません。

江尻陽子との関係でも田島は傷つく

成長した田島は、アルバイト先で江尻陽子と出会います。

田島は陽子に心を寄せますが、この出来事にも倉持が関わってきます。

陽子をめぐる出来事によって、田島の中で倉持に対する疑念はさらに強くなっていきます。

ただし、田島自身の疑いと、作中で客観的に確定している事実は分けて読む必要があります。

仕事と金銭問題でも倉持と関わる

大人になった田島は、仕事や金銭面でもさまざまな問題に直面します。

原作下巻では、倉持の紹介によって東西商事に関わることになります。

しかし田島は、そこで行われている仕事に疑問を抱くようになります。

やがて田島は東西商事を離れ、その後会社は強制捜査を受けて破産します。

倉持も姿を消し、田島はようやく関係が終わったかのように感じます。

ところが、倉持との縁はそれでも切れません。

田島の中で倉持への殺意が膨らんでいく

長い年月の中で、田島は自分の人生が壊れるたびに倉持の存在を意識するようになります。

最初は違和感だったものが、疑念へ変わり、やがて強い憎しみへ変わっていきます。

田島は何度も倉持を殺したいと考えます。

しかし考えることと実行することは別です。

田島は長い間、殺意を抱きながらも実際の殺人には踏み込みません。

終盤|倉持が別の人物に襲われる

物語終盤、倉持は田島ではない人物に襲われ、重傷を負います。

田島が自ら倉持を殺す前に、倉持は病院へ運ばれることになります。

そして田島は、入院している倉持のもとへ向かいます。

原作ラスト|田島は倉持の首に手をかける

病室で眠っている倉持を前に、田島はその首へ手をかけます。

長年にわたり倉持を憎み、「殺したい」と考えてきた田島が、ついに思うだけではなく実際の行動へ踏み出す場面です。

『殺人の門』の物語は、この最後の行動によって締めくくられます。

重要なのは、単純に「田島が復讐を果たして終わる」という爽快な結末ではないことです。

田島がそこまで追い込まれていった長い人生そのものが、このラストへつながっています。

原作は田島の人生そのものを描いた物語

『殺人の門』は、ある一件の事件だけを描く小説ではありません。

少年時代から大人になるまで、田島の人生を長く追うことで、殺意が突然生まれたものではないことが描かれます。

家庭、恋愛、仕事、金銭問題。

さまざまな出来事が積み重なった先に、病室でのラストがあります。

タイトル『殺人の門』の意味はこちら

なぜ作品名が単なる『殺人』ではなく『殺人の門』なのかについては、別記事で詳しく考察しています。

『殺人の門』タイトルの意味とは?「門」が表しているものを原作から考察

映画版についてはこちら

映画版の公開日やキャスト、ネタバレなしの基本情報はこちらで整理しています。

映画『殺人の門』はどんな話?あらすじ・公開日・原作をネタバレなしで解説

原作『殺人の門』を読みたい方へ

現在の新装版は上下巻に分かれています。

田島と倉持が出会った少年時代から最後の病室まで、二人の長い関係を順番に追うことができます。

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まとめ

東野圭吾『殺人の門』は、田島和幸の少年時代から大人になるまでを追う物語です。

小学生時代に倉持修と出会った田島は、家庭の崩壊、恋愛、仕事や金銭問題などを経験しながら、次第に倉持への疑念と憎しみを強めていきます。

終盤では倉持が別の人物に襲われて入院し、田島は病室へ向かいます。

そしてラストでは、田島が眠っている倉持の首に手をかけるところまで描かれます。

一つ一つの出来事よりも、それらが何十年も積み重なった結果として最後の行動へつながることが、『殺人の門』原作の大きな特徴です。