『ハッピーリスト』タイトルの意味は?“やりたいことリスト”が示すものを考察
※この記事では、映画『ハッピーリスト』のタイトルについて、公式発表と外山文治監督のコメントをもとに考察しています。
映画『ハッピーリスト』というタイトル。
作中で主人公の太郎が作るのは、単なる「欲しいものリスト」ではなく、40年間社会から離れていた太郎がこれからの人生でやってみたいことを書き出したリストです。
結論からいうと、「ハッピーリスト」は人生を幸せにする正解を並べたものではなく、「これから何をしたいのか」を自分で決めて、もう一度人生を動かすための小さな希望を表したタイトルだと考えられます。
この記事でわかること
- 『ハッピーリスト』というタイトルの意味
- 作中の「やりたいことリスト」との関係
- 英題「A List for Tomorrow」の意味
- 外山文治監督がタイトルに込めた考え
- 太郎と岬の2人にとってリストが持つ意味
『ハッピーリスト』は太郎の「やりたいことリスト」から来ている
主人公の江川太郎(阿部寛)は、40年間精神科病院で社会から離れて生活していました。
59歳で社会へ戻った太郎を支援するのが、区役所福祉課の岬幸太(永瀬廉)です。
岬は都会での生活に戸惑う太郎に、「やりたいことをリストにしてみては」と提案します。
そこから太郎は、自分がやってみたいことを一つずつ書き出していきます。
この「やりたいことリスト」が、映画タイトル『ハッピーリスト』の中心にあります。
「幸せなこと一覧」という意味ではない
タイトルだけを見ると、「幸せになるためのリスト」という意味にも見えます。
しかし太郎が書く内容は、大きな成功やお金を手に入れることではありません。
公式に明らかになっているのは、働くこと、海で泳ぐこと、時代劇に出ること、母親に会うことなどです。
一つ一つは、人によっては普通のことに見えるかもしれません。
しかし40年間社会から離れていた太郎にとっては、その「普通」が人生を前へ進める大きな一歩になります。
リストの詳しい内容はこちらでも解説しています。
→ 『ハッピーリスト』太郎の「やりたいことリスト」には何が書かれている?
外山文治監督が語る「小さな希望」
外山文治監督は公式コメントで、人生をやり直すことが難しく感じられる現代だからこそ、人生の小さな希望となる「ハッピーリスト」が必要だと語っています。
このコメントを見ると、タイトルの意味はかなり明確です。
すべてを一度に変えるのではなく、「海へ行ってみたい」「働いてみたい」という小さな希望を持つこと。
そして、それを実際に一つずつ行動へ変えていくこと。
それが本作における「ハッピーリスト」なのでしょう。
英題は「A List for Tomorrow」
『ハッピーリスト』の英題は「A List for Tomorrow」です。
直訳に近い形なら、「明日のためのリスト」「これからのためのリスト」という意味になります。
日本語タイトルだけを見ると「幸せ」が強調されていますが、英題では未来へ向かうことがより明確に表されています。
太郎にとって重要なのは、失われた40年間だけを見ることではありません。
59歳になった現在から「明日、何をするか」を決めることです。
日本語タイトルと英題を合わせて見ると、作品が描こうとしている方向がより分かりやすくなります。
ハッピーリストは太郎だけのものではない?
ここからは考察です。
「やりたいことリスト」を実際に作るのは太郎ですが、『ハッピーリスト』というタイトルは太郎だけを指しているとは限りません。
岬もまた、夢も目標も持てずにいる24歳の青年として紹介されています。
40年間社会から離れていた太郎は、社会生活では「人生の新人」。
一方で、普通に社会で働いている岬も、自分が何をしたいのか分からない「人生の迷子」です。
太郎が自分のやりたいことを見つけていくことで、岬もまた自分の人生について考えるようになる可能性があります。
そう考えると、「ハッピーリスト」は太郎だけでなく、2人がそれぞれ自分の人生を動かすための象徴とも考えられます。
過去ではなく「これから」を見るタイトル
『ハッピーリスト』には、精神科病院の長期入院という重い社会的背景があります。
さらに、太郎の「空白の40年間」を調べる記者も登場します。
しかしタイトルは「空白の40年」ではありません。
あえて『ハッピーリスト』という前向きな言葉が使われています。
これは、過去に何があったのかを明らかにすることだけでなく、それでも人生はこれから続いていくという方向へ物語の重心を置いているからではないでしょうか。
太郎の40年間についてはこちらの記事で整理しています。
→ 『ハッピーリスト』空白の40年間とは?記者が追う太郎の過去を考察
まとめ
映画『ハッピーリスト』のタイトルは、太郎が作る「やりたいことリスト」に由来しています。
ただし、その意味は単なる「幸せなこと一覧」ではありません。
40年間社会から離れていた太郎が、「これから何をしたいのか」を自分で考え、小さな希望を行動へ変えていくためのリストです。
英題「A List for Tomorrow」まで含めて考えると、『ハッピーリスト』は過去を取り戻すだけではなく、明日からの人生を自分で作っていくことを表したタイトルだと考えられます。
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