猗窩座はなぜ炭治郎を嫌っていた?「弱者が嫌い」の本当の意味を解説
※この記事には『鬼滅の刃 無限列車編』『無限城編 第一章 猗窩座再来』と猗窩座の過去についてネタバレがあります。
『無限城編 第一章 猗窩座再来』で再び対峙する、炭治郎と猗窩座。
猗窩座は強い相手を好みます。
煉獄杏寿郎や冨岡義勇の実力を認め、鬼にならないかとまで誘います。
ところが炭治郎に対しては、最初からかなり冷たい態度を取っています。
なぜ猗窩座は炭治郎を嫌っていたのでしょうか。
結論|最初は炭治郎個人が嫌いだったのではなく「弱者」だと思っていた
猗窩座は、
強者を尊敬し、弱者を徹底的に嫌う
という極端な価値観を持っています。
無限列車で最初に炭治郎を見た時、炭治郎はすでに負傷していました。
猗窩座から見れば、
煉獄との話を邪魔する程度の弱い剣士
です。
つまり当初は、炭治郎個人への強い恨みがあったわけではありません。
猗窩座は強者が好き
猗窩座は戦闘狂ですが、単に相手を殺したいだけではありません。
強い人間を高く評価します。
煉獄杏寿郎を見た時も、すぐにその実力を認めました。
そして、
鬼になれば老いず、永遠に鍛錬できる
として鬼になるよう勧誘します。
義勇の強さも認める
無限城では水柱・冨岡義勇とも戦います。
猗窩座にとって柱ほどの強者は、むしろ好ましい相手です。
強ければ敵であっても敬意を示す。
これが猗窩座です。
逆に弱者には容赦しない
猗窩座は弱い者に対して、極端なほど冷酷です。
「弱いから守ってやろう」
とは考えません。
むしろ、
弱い者が淘汰されるのは当然
という考えです。
炭治郎と猗窩座は強さの考え方が真逆
炭治郎は、強い者ほど弱い人を守るべきだと考えます。
これは煉獄杏寿郎にも通じる価値観です。
猗窩座は逆。
強者には価値がある。
弱者には価値がない。
という考え方です。
無限列車の最後で二人の因縁が決定的になる
煉獄との戦いが終わり、朝日が昇ります。
猗窩座は太陽から逃げなければなりません。
その猗窩座へ、炭治郎は刀を投げつけます。
そして逃げる猗窩座へ怒りをぶつけます。
炭治郎から見れば猗窩座は「逃げた側」
猗窩座は煉獄を倒しました。
しかし炭治郎にとって、煉獄は負けていません。
煉獄は乗客全員を守った。
逃げなかった。
最後まで戦った。
一方、猗窩座は太陽から逃げました。
これは猗窩座の価値観を真正面から否定する言葉だった
猗窩座は自分こそ強者だと思っています。
その猗窩座に、まだ弱い炭治郎が、
「逃げたのはお前だ」
と突きつけます。
猗窩座からすれば非常に腹立たしい相手です。
炭治郎は弱いのに何度も強者へ向かってくる
猗窩座の世界観では、弱者は淘汰される側です。
しかし炭治郎は違います。
弱くても立ち上がる。
強者へ挑む。
仲間を守る。
そして実際に強くなっていく。
炭治郎の存在そのものが猗窩座の価値観と矛盾する
猗窩座にとっては、
弱者は弱者のまま消えるべき
です。
しかし炭治郎は、弱者だったところから成長します。
これは猗窩座の思想そのものを否定します。
無限城では炭治郎をもう単なる弱者とは見られない
無限列車の頃と、無限城の炭治郎は別人のように強くなっています。
猗窩座もそれを感じます。
そして最終的には、炭治郎が猗窩座の「羅針」を突破する領域へ進みます。
▶ 『鬼滅の刃 無限城編』炭治郎はなぜ猗窩座の闘気を消せた?「透き通る世界」との関係を解説
猗窩座はなぜそこまで弱者を嫌うのか
ここで猗窩座の過去が重要になります。
人間時代の狛治は、父を守れませんでした。
そして恋雪と慶蔵も守れませんでした。
恋雪たちは正面から戦って殺されたわけではない
隣の道場の者は、狛治に正面から勝つことができません。
そこで井戸へ毒を入れます。
猗窩座にとって、
正々堂々戦えず卑怯な手を使う弱者
の原点がここにあります。
本当は「弱い自分」が一番許せなかった
ここからは考察です。
猗窩座が本当に憎んでいた弱者は、他人だけではなかったのだと思います。
父を救えなかった。
恋雪を守れなかった。
慶蔵を守れなかった。
自分自身を弱いと感じていた。
その自己嫌悪が、他人の弱さへの異常な嫌悪に変わったようにも見えます。
炭治郎は猗窩座が失ったものを持っている
さらに炭治郎は、弱い人を守るために強くなります。
実はそれは、狛治がかつて持っていた価値観と同じです。
父を守るため。
恋雪を守るため。
狛治も強くなろうとしていました。
だから炭治郎と猗窩座は「真逆」でありながら似ている
二人とも大切な人を守るために強くなろうとしました。
違ったのは、その後です。
炭治郎は大切な人を失っても、人を守る側に残った。
狛治は大切な人を失い、すべてを壊す側へ進んだ。
猗窩座は炭治郎を見ることで自分自身を見せられていたのかもしれない
ここからは考察です。
猗窩座が炭治郎へ強い嫌悪を示すのは、炭治郎が単に弱いからだけではないようにも見えます。
弱くても誰かのために立ち上がる炭治郎は、かつての狛治そのもの。
本人が忘れていた自分の姿を、目の前で見せられていたとも考えられます。
最後には炭治郎が猗窩座の「強さ」を超える
猗窩座は強さにすべてを捧げました。
しかし、その猗窩座の感知を炭治郎が突破します。
弱者だと見下していた相手に、頸を斬られます。
これは猗窩座の価値観そのものが崩れる瞬間でもあります。
まとめ|猗窩座が嫌ったのは炭治郎より「弱さ」だった
猗窩座は最初から炭治郎個人へ特別な恨みを持っていたわけではありません。
最初は、
弱いから嫌い。
でした。
しかし無限列車で炭治郎に「逃げた」と突きつけられ、因縁が生まれます。
さらに炭治郎は成長を続け、猗窩座が信じてきた、
弱者は淘汰される
という価値観を覆します。
そして皮肉なことに、炭治郎の、
大切な人を守るために強くなる姿
は、人間だった頃の狛治にもよく似ています。
猗窩座と炭治郎の戦いは、単なる敵同士ではなく、
「強さとは何のためにあるのか」
という二つの答えの戦いでもあったのです。
『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』をもう一度見たい方へ
無限列車編から続く炭治郎と猗窩座の因縁を意識して見ると、無限城での二人の言葉のぶつかり合いもより分かりやすくなります。
