※この記事には映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のアストロファージに関する重要設定についてネタバレがあります。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』で、人類滅亡の原因となるアストロファージ。

名前だけ聞くと、

ウイルス?

宇宙細菌?

人工生命?

と分かりにくい存在です。

しかも太陽のエネルギーを吸収し、宇宙船の燃料としても使われます。

いったいどんな生命体なのでしょうか。

結論|アストロファージは恒星のエネルギーを蓄えて宇宙を移動する地球外微生物

アストロファージは、

非常に小さな地球外生命体。

です。

最大の特徴は、

恒星から膨大なエネルギーを吸収し、それを内部へ蓄えられること。

そのエネルギーを使って宇宙空間を移動します。

「アストロファージ」という名前の意味

名前は、

Astro=星。

Phage=食べるもの。

という意味から付けられています。

簡単に言えば、

「星を食べる生命体」

です。

本当に星をかじって食べるの?

そういう意味ではありません。

恒星の表面を物理的に食べる怪物ではありません。

太陽のような恒星から放出されるエネルギーを吸収します。

アストロファージはどれくらい小さい?

人間の目で一匹ずつ見るような生物ではありません。

微生物レベルの非常に小さな生命体です。

しかし大量に集まることで、恒星のエネルギー収支へ影響するほどになります。

なぜそんな小さな生物が宇宙で生きられる?

普通の地球生命なら、

真空。

放射線。

極端な温度。

に耐えられません。

アストロファージは、

宇宙空間そのものを移動できる特殊な生命体

として進化しています。

恒星の熱にも耐えられる

太陽近くの極端な環境でも活動できます。

その耐熱性も、人類の常識から外れています。

アストロファージはどうやって動く?

体内へ蓄えたエネルギーを使い、

赤外線を放出して推進力を得る

という設定です。

非常に効率の高いエネルギー変換ができます。

だから宇宙船のエンジンにも使える

人類はこの性質を逆利用します。

大量のアストロファージへエネルギーを蓄えさせ、

ヘイル・メアリー号の推進エネルギー

として利用します。

▶ ヘイル・メアリー号とはどんな宇宙船?目的・乗組員・航行方法を解説

なぜ太陽のエネルギーを奪う?

人類への攻撃ではありません。

アストロファージにとって恒星は、

エネルギー源。

です。

生きるために利用しています。

繁殖するには太陽だけでは足りない

アストロファージは恒星でエネルギーを得るだけでは増殖できません。

繁殖には、

二酸化炭素。

が必要です。

そこで金星へ向かう

太陽系で大量の二酸化炭素を持つ惑星が金星です。

アストロファージは、

太陽 → 金星 → 太陽

という移動を繰り返します。

金星をどうやって見つける?

アストロファージには地図も目もありません。

それでも金星を見つけられます。

グレースは実験から、

二酸化炭素が放つ特定の赤外線波長

へ反応していることを突き止めます。

つまり金星の「光の指紋」を追っている

二酸化炭素の特徴的な赤外線。

アストロファージはそれを手掛かりに移動します。

金星に着いたら何をする?

二酸化炭素を取り込み、

細胞分裂して増殖。

します。

そして繁殖が終わると、今度は最も明るい恒星へ向かいます。

その結果、数がどんどん増える

太陽でエネルギーを得る。

金星で増える。

また太陽へ戻る。

これを繰り返せば、アストロファージの総数は増加します。

数が増えるほど太陽から奪うエネルギーも増える

これが地球にとって最大の問題です。

一匹の影響は小さくても、

天文学的な数まで増えれば太陽全体の明るさへ影響する。

という設定です。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』太陽はなぜ暗くなった?アストロファージの正体を解説

アストロファージはウイルスなの?

違います。

ウイルスのように宿主細胞へ寄生しなければ増えられない存在として描かれているわけではありません。

独自にエネルギーを蓄え、移動し、繁殖できる生命体です。

地球生命と共通点はある?

原作では、グレースがアストロファージを調べると、

DNAやミトコンドリアなど地球生命を思わせる特徴

まで見つかります。

これがさらに大きな謎になります。

地球外生命なのに、なぜ地球生命と似ている?

ここは物語世界の非常に興味深い部分です。

ただし映画では、原作にある科学的考察の一部が短縮されています。

そのため、

映画だけで完全な起源まで答えが出るわけではありません。

アストロファージはどこから来た?

起源についてさまざまな仮説は立てられます。

しかし、

「ここで誕生した」と作品中で完全に確定するわけではありません。

ではタウ・セチだけなぜ無事?

人類が最も重要視した疑問です。

タウ・セチにもアストロファージは存在します。

それでも他の恒星ほど減光していません。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』タウ・セチだけ無事だったのはなぜ?人類が向かった理由を解説

原因は天敵の存在

グレースとロッキーは調査の末、

タウメーバ

を発見します。

タウメーバは、アストロファージを食べる生命体です。

人類が探していたのは「アストロファージを殺す兵器」ではなかった

結果的には、

自然界に存在する捕食者

が解決策になります。

▶ タウメーバとは何?アストロファージを食べる生物と弱点を解説

アストロファージは敵なのに、救世主でもある

地球を滅亡へ向かわせる。

その一方で、

人類に星間航行を可能にするエネルギー源

にもなります。

この矛盾が本作の科学設定の面白さ

危険だから全部消せばいい。

という単純な存在ではありません。

使い方によっては、これまで不可能だった技術を実現できます。

ロッキーの文明もアストロファージを利用している

地球だけでなく、エリド側もアストロファージをエネルギー源として宇宙へ出ています。

二つの文明が独立に同じ生命体を利用してタウ・セチへ到達したことになります。

まとめ|アストロファージは「星を食べる」微生物であり、究極の燃料でもある

アストロファージは、

恒星からエネルギーを吸収する地球外微生物。

吸収したエネルギーを体内に大量に蓄える。

そのエネルギーを使って宇宙空間を移動する。

二酸化炭素を利用して繁殖する。

太陽系では太陽と金星の間を往復する。

という生命体です。

大量に増えることで太陽のエネルギーを奪い、地球を寒冷化させます。

しかし同時に、

とてつもなく高密度なエネルギー貯蔵能力

を持つため、人類はそれを星間宇宙船の燃料へ転用します。

つまりアストロファージは、

人類滅亡の原因であり、人類がその危機を解決するため宇宙へ出ることを可能にした存在でもある。

この二面性が『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の科学設定の核になっています。


アストロファージの仕組みを原作で詳しく読みたい方へ

グレースが実験を重ね、アストロファージが光や二酸化炭素へどう反応するのかを突き止める過程は、原作上巻ではかなり詳しく描かれています。

¥1,485 (2026/09/14 16:01時点 | Amazon調べ)