※この記事には映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のアストロファージに関する科学設定についてネタバレがあります。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の始まりは、

太陽が少しずつ暗くなっている

という異常現象です。

太陽そのものが壊れたのか。

寿命が近づいたのか。

宇宙空間に何かがあるのか。

調査の結果、人類は予想もしなかった原因へたどり着きます。

結論|太陽のエネルギーをアストロファージが吸収していたから

太陽が暗くなっていた原因は、

アストロファージという微小な地球外生命体。

です。

アストロファージは太陽から大量のエネルギーを吸収します。

それが爆発的に増殖したことで、

宇宙へ放出される太陽エネルギーが減少。

地球へ届くエネルギーも少なくなっていました。

太陽そのものの出力が突然落ちたわけではない

太陽内部の核融合が突然止まり始めた、という話ではありません。

太陽で生まれたエネルギーを、

アストロファージが横から奪っている。

というイメージです。

どうやって異変に気づいた?

最初の大きな手掛かりが、

ペトロヴァ・ライン

です。

太陽と金星の間に、赤外線を発する異常な線状の現象が観測されます。

ペトロヴァ・ラインの正体はアストロファージの移動

後にグレースたちは、

大量のアストロファージが太陽と金星の間を移動している

ことを突き止めます。

なぜ金星へ行く?

アストロファージの生活環には、

二酸化炭素

が必要です。

金星には非常に濃い二酸化炭素の大気があります。

太陽でエネルギーを蓄え、金星で繁殖する

アストロファージは、

太陽でエネルギーを得る。

金星へ移動する。

二酸化炭素を利用して増殖する。

再び太陽へ戻る。

というサイクルを繰り返します。

なぜ太陽へ戻れる?

アストロファージは光を利用して移動先を判断します。

繁殖後は、強い光源である太陽へ向かいます。

なぜ金星の場所が分かる?

グレースの実験によって、アストロファージは、

二酸化炭素に特徴的な赤外線の波長

を利用して目的地を探していることが分かります。

つまり非常に単純な生命体なのに宇宙を移動できる

頭脳があるわけではありません。

宇宙船もありません。

それでも、

光と化学環境へ反応する本能

によって恒星間規模の移動を行います。

なぜ急にこんな生命体が現れた?

アストロファージがどこで最初に誕生したのかについて、物語の中で完全な結論が出ているわけではありません。

重要なのは、

地球外から太陽系へ侵入した生命体

だということです。

アストロファージは地球へ来るの?

主な生活環は太陽と金星の間です。

人間を直接食べる生命体ではありません。

問題は、

太陽のエネルギーを奪うこと。

太陽が少し暗くなるだけで、なぜ人類滅亡?

地球の気候は、太陽から受け取るエネルギーに大きく依存しています。

少しの低下でも長期化すれば、

平均気温低下。

農作物への影響。

食料不足。

社会不安。

という大問題へつながります。

いきなり地球が凍るわけではない

映画の危機は、明日突然太陽が消えるようなものではありません。

数十年単位で確実に悪化していく危機。

だからこそ人類は、まだ時間があるうちに巨大プロジェクトを始めます。

アストロファージの増殖がさらに危険

1匹がエネルギーを吸う量が小さくても、数が増えれば影響は大きくなります。

しかもアストロファージは繁殖します。

放置すれば問題が加速します。

太陽だけが感染しているの?

違います。

観測すると、近隣の多くの恒星でも同じ減光現象が起きています。

だから地球だけのローカルな問題ではない

アストロファージは、

複数の恒星系へ広がる宇宙規模の生態系問題。

です。

しかしタウ・セチだけは無事だった

そこで人類が注目するのがタウ・セチ。

周囲の恒星が減光している中で、タウ・セチだけが大きく影響されていません。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』タウ・セチだけ無事だったのはなぜ?人類が向かった理由を解説

「なぜタウ・セチだけ無事?」が人類最後の希望になる

タウ・セチにもアストロファージはいる。

なのに恒星のエネルギーが大きく減っていない。

なら、

アストロファージを自然に抑える何かが存在する。

と考えられます。

その答えがタウメーバ

グレースとロッキーは最終的に、

アストロファージを食べるタウメーバ

を発見します。

▶ タウメーバとは何?アストロファージを食べる生物と弱点を解説

アストロファージは完全な「悪者」なの?

生物としては、ただ生きて繁殖しているだけです。

人類を滅ぼそうという意思はありません。

地球にとって有害だから敵になる

外来生物が生態系を壊すのと似ています。

アストロファージ自身に悪意はない。

しかし人類の生存環境を変えてしまう。

さらに人類はアストロファージを燃料として利用する

皮肉なことに、アストロファージの高密度エネルギー貯蔵能力は、

ヘイル・メアリー号をタウ・セチへ飛ばす技術

にも使われます。

「危機」と「技術革新」が同じ存在から生まれる

アストロファージが来なければ人類滅亡の危機もなかった。

しかしアストロファージがなければ、星間宇宙船を作る技術も生まれなかった。

本作の面白い科学設定です。

まとめ|太陽を暗くしたのはアストロファージの大繁殖

太陽が暗くなった理由は、

アストロファージが太陽エネルギーを吸収していたから。

です。

アストロファージは、

太陽でエネルギーを得る。

金星へ移動する。

二酸化炭素を利用して増殖する。

太陽へ戻る。

というサイクルを繰り返します。

その数が増えすぎたことで地球へ届く太陽エネルギーが減少。

長期的には地球寒冷化と食料危機につながります。

つまり本作の危機は、

巨大な宇宙怪獣ではなく、目にも見えないほど小さな生命体によって人類文明が追い詰められる物語

なのです。


アストロファージ研究を原作で詳しく読みたい方へ

グレースがアストロファージの移動方法や繁殖条件を一つずつ実験で突き止めていく過程は、原作上巻の大きな読みどころです。

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