※この記事には『VIVANT』第1シーズン最終回までの重大なネタバレがあります。

ノゴーン・ベキは、なぜ日本に対して強い恨みを抱いていたのでしょうか。

ベキの正体は日本人の乃木卓。

しかも主人公・乃木憂助の実の父親です。

それなのに物語終盤では、ベキの過去と日本への強い感情が重要になります。

その理由を理解するには、乃木一家がバルカで経験した出来事まで戻る必要があります。

ベキの本名は乃木卓

ノゴーン・ベキは、もともと乃木卓という日本人です。

妻・明美と息子・憂助とともにバルカで暮らしていました。

つまり最初から日本を敵視していた人物ではありません。

乃木卓がノゴーン・ベキになるまでについては、『VIVANT』乃木の父親はなぜベキになった?ノゴーン・ベキ誕生までを解説でも時系列に沿って整理しています。

乃木卓は公安の任務でバルカへ渡っていた

卓の過去を考えるうえで重要なのが、公安との関係です。

卓は単に海外生活をするためバルカへ渡ったわけではありません。

日本側の任務を背負って現地に入っていました。

つまり卓にとって日本は、もともと自分が守る側にいた国でもあります。

バルカの内乱で乃木一家の運命が変わる

しかしバルカで内乱が起こり、卓・明美・憂助の家族は危険にさらされます。

幼い憂助は両親と引き離され、家族は崩壊します。

卓にとって人生を根底から変える出来事でした。

ベキの恨みにつながったのは「見捨てられた」という思い

卓は日本のために任務を行っていました。

それにもかかわらず、最も助けを必要とした状況で十分な救援を得られなかった。

この経験が、卓の日本に対する強い不信と恨みにつながっていきます。

自分だけならまだしも、妻と幼い息子まで巻き込まれました。

ベキの感情を理解するうえでは、この「国家に見捨てられた」という認識が非常に重要です。

妻・明美を失ったことも決定的だった

卓が失ったものは、仕事や立場だけではありません。

妻・明美との別れは、卓のその後の人生に大きな傷を残します。

さらに息子・憂助とも離れ離れになります。

日本のために行動した結果、自分の家族を失った。

ベキの側から見れば、そのように受け止めても不思議ではない状況でした。

乃木卓はノゴーン・ベキとして生きる

その後、卓はバルカで生き延び、ノゴーン・ベキとして新しい人生を歩みます。

やがてテントを率いる存在となり、ノコルたちとの関係を築きます。

一方、日本では息子・憂助も成長し、別班員になっていました。

父は日本に見捨てられたという思いを抱き、息子は日本を守る別班員になる。

父と息子が正反対の立場へ進んでいったことが、『VIVANT』の大きな皮肉です。

ベキは日本人すべてを憎んでいたのか

ここは慎重に分ける必要があります。

ベキの恨みは、自分と家族が経験した過去、そして当時の国家側の対応に強く結びついています。

「日本人なら誰でも憎い」という単純な感情として捉えると、ベキの人物像を平板にしてしまいます。

実際、実の息子・乃木も日本で生きる日本人です。

乃木との再会でベキの過去と現在がぶつかる

約40年を経て、ベキは息子・乃木と再会します。

しかし乃木は、日本を守るため活動する別班員になっています。

日本に裏切られたと感じる父。

日本を守る息子。

この対立があるため、二人は親子として再会しても簡単には一つになれません。

父子の関係については、『VIVANT』乃木とベキはなぜ敵同士になった?父子の再会から最終回まで解説で詳しく追っています。

ベキの復讐は何を意味していた?

ここからは考察です。

ベキの復讐心は、単なる個人的な怒りだけではなく、乃木卓として生きていた人生を取り戻せないことへの感情でもあったと考えられます。

妻は戻らない。

息子と過ごせなかった年月も戻らない。

たとえ復讐を果たしても、失った家族が元通りになるわけではありません。

だからこそ最終回では、ベキの復讐と乃木の選択が正面からぶつかります。

乃木はなぜ父を止めたのか

乃木はベキの過去を知ります。

父がなぜ日本を恨んだのかも理解します。

それでも乃木は、父のすべてを無条件に肯定するわけではありません。

父への愛情と、別班員としての使命を同時に抱えながら決断します。

最終回の銃撃については、『VIVANT』ベキはなぜ乃木に撃たれた?最終回の銃撃と乃木の狙いを考察で詳しく掘り下げています。

ベキの恨みとテントの目的は同じではない

もう一つ注意したいのは、ベキ個人の日本への恨みと、テントの活動目的をすべて同一視しないことです。

テントには孤児支援など別の目的もありました。

組織の実態については、『VIVANT』テントとは何だった?目的・組織・マークの意味を完全解説で整理しています。

ベキの過去を整理したい方へ

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まとめ

ベキが日本を恨むようになった背景には、乃木卓としてバルカで経験した過去があります。

日本側の任務を背負って活動していたにもかかわらず、危機の中で家族と引き裂かれ、妻・明美を失い、息子・憂助とも離れ離れになりました。

その経験が「日本に見捨てられた」という強い感情につながっていきます。

そして約40年後、ベキの前に現れた息子は、日本を守る別班員になっていました。

日本に裏切られたと感じる父と、日本を守る息子。

この対立があるからこそ、乃木とベキの再会は単なる感動の親子再会では終わらなかったのです。