※この記事には、『九条の大罪』『闇金ウシジマくん』の基本設定に触れる内容があります。

『九条の大罪』を読んだりNetflix版を観たりして、

「なんか『闇金ウシジマくん』っぽい」

と感じた方は多いと思います。

それも当然で、両作品の作者は真鍋昌平さんです。

では、『九条の大罪』は『闇金ウシジマくん』の続編なのでしょうか。

同じ世界の物語なのでしょうか。

この記事では、両作品の関係、共通点、違い、そして直接つながっているのかを整理します。

結論|作者は同じだが、公式な「続編」ではない

まず結論から言うと、

『九条の大罪』は『闇金ウシジマくん』の正式な続編として発表されている作品ではありません。

作者は同じ真鍋昌平さんですが、主人公もストーリーも別です。

小学館でも『九条の大罪』と『闇金ウシジマくん』は別作品として扱われています。

『闇金ウシジマくん』の次に始まった作品

『闇金ウシジマくん』は真鍋昌平さんの代表作です。

闇金融業者・丑嶋馨を中心に、借金や金銭問題によって追い詰められていく人々を描きました。

その後、真鍋さんが新たに連載を始めたのが『九条の大罪』です。

2020年10月から『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載されています。

主人公は闇金業者から弁護士へ

両作品で大きく違うのが主人公の職業です。

『闇金ウシジマくん』では、違法な高金利で金を貸す闇金業者が中心にいました。

『九条の大罪』では、九条間人(柳楽優弥)という弁護士が主人公です。

片方は違法な世界。

もう片方は法律を使う世界。

正反対にも見えます。

しかし、どちらの主人公も社会の「表側」ではなかなか見えない人物たちと深く関わります。

共通点① 社会の闇をかなり生々しく描く

両作品の最も大きな共通点は、社会の暗い部分から目をそらさないことです。

借金。

薬物。

暴力。

半グレ。

貧困。

家庭崩壊。

こうした問題が、特別な世界の出来事ではなく、普通の生活のすぐ近くに存在するものとして描かれます。

共通点② 「完全な被害者」「完全な悪人」が少ない

真鍋昌平作品では、人物を簡単に善人と悪人に分けません。

かわいそうな被害者だと思っていた人物が、別の人を傷つけることもあります。

悪人に見える人物にも、その世界に入った背景があります。

『九条の大罪』でも、法律によって守られる犯罪者を見ていると、

「本当にこの人を助けていいのか」

と感じる場面があります。

それでも作品は答えを簡単には出しません。

共通点③ 「知らない世界」を徹底的に見せる

『闇金ウシジマくん』では、闇金融や裏社会について、一般の人が知らない細かな世界まで描かれました。

『九条の大罪』では、弁護士や刑事手続きがその役割を担っています。

「カンモク」

「20日でパイ」

「イソ弁」

など、普段の生活ではあまり聞かない言葉が当たり前のように登場します。

『九条の大罪』「20日でパイ」とはどういう意味?逮捕から釈放までの仕組みを解説

共通点④ 裏社会の描き方が似ている

半グレ、ヤクザ、犯罪に関わる若者など、『九条の大罪』には『闇金ウシジマくん』を思わせる世界が数多く登場します。

特に壬生憲剛(町田啓太)や京極清志(ムロツヨシ)の周辺は、ウシジマくんを読んでいた人にはかなり馴染みのある空気に感じるでしょう。

ただし、似た世界を描いていることと、同じ世界設定であることは別です。

同じキャラクターは登場する?

現時点で、『九条の大罪』が『闇金ウシジマくん』と同一世界の物語であり、丑嶋馨たちと九条が公式に同じ世界で活動していると明言された情報は確認できません。

そのため、

「ウシジマくんの数年後を描いた続編」

などと考えるのは正確ではありません。

ただし意図的な“真鍋昌平らしさ”はある

両作品を読むと、作者が同じだとすぐ分かる部分があります。

人物の顔。

会話の空気。

街の描写。

突然訪れる暴力。

知らなかった社会問題を容赦なく見せるところ。

これらは世界観の共有というより、作者自身の作品スタイルと考えた方が自然です。

「シャーラタンタンタン」という共通ネタもある

Netflix公式の制作トリビアでは、興味深い共通点も紹介されています。

『九条の大罪』で曽我部が薬を売る場面に、

「シャーラタンタンタン」

というセリフがあります。

この言葉は『闇金ウシジマくん』13巻にも登場しています。

つまり作者の遊び心として、両作品を知っている読者が気づける共通ネタも存在します。

ただし、これをもって「同一世界」と断定できるわけではありません。

『ウシジマくん』では金、『九条の大罪』では法律が武器

両作品の違いを考えると、とても面白い構図があります。

『闇金ウシジマくん』では、金が人間を追い詰めます。

『九条の大罪』では、法律が人間を守る一方で、別の人間を傷つけることがあります。

どちらも本来は社会を動かす仕組みです。

しかし使い方や立場が変われば、人間を救うものにも壊すものにもなる。

そこに両作品の共通する怖さがあります。

九条はウシジマとはかなり違う主人公

丑嶋は、借金をした人間に同情して助ける主人公ではありません。

九条もまた、依頼人に感情移入して救うヒーローではありません。

その点では似ています。

ただし九条は法律家です。

依頼人の権利を守るという明確な職業上のルールがあります。

そのため「冷たく見える主人公」という共通点はあっても、行動原理は違います。

『九条の大罪』は「合法なのに怖い」

『闇金ウシジマくん』では違法行為の怖さが比較的分かりやすく描かれます。

一方、『九条の大罪』では、合法的な行為でも視聴者が不快に感じることがあります。

犯罪者に黙秘を勧める。

刑を軽くする。

不起訴を狙う。

これらは弁護士として認められている行為でもあります。

だからこそ、

「法律的に正しいことは、本当に正義なのか」

というさらに複雑な問題が生まれます。

『ウシジマくん』が好きなら『九条の大罪』も合う?

かなり相性はいいと思います。

特に、

  • 社会の裏側を描く作品が好き
  • 善悪が単純ではない人物が好き
  • 現実にありそうな怖い話が好き
  • 読んだあとに少し嫌な気持ちが残る作品が好き

という人には、『九条の大罪』も楽しみやすいでしょう。

一方、単純な勧善懲悪や爽快な逆転裁判を期待すると、かなり違う作品です。

Netflix版でも『ウシジマくん』との共通する空気は残っている

Netflixシリーズは原作を実写向けに再構成していますが、社会の暗部をリアルに見せる部分は残されています。

Netflix公式も、『闇金ウシジマくん』作者の最新作として、『九条の大罪』が現代社会の不都合な現実をえぐり出す作品だと紹介しています。

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まとめ|つながってはいないが“同じ作者の世界”は強く感じる

『九条の大罪』と『闇金ウシジマくん』は、どちらも真鍋昌平さんの作品です。

社会の闇、弱者と強者、裏社会、善悪では割り切れない人物を描く点で強い共通点があります。

一方で、『九条の大罪』が『闇金ウシジマくん』の正式な続編、あるいは同一世界の作品だという公式発表は確認できません。

そのため、

ストーリー上直接つながっている作品ではなく、作者のテーマや世界観に共通するものが多い別作品

と考えるのが最も正確です。

ウシジマくんでは「金」を通して社会の闇を描き、九条の大罪では「法律」を通して同じ現代社会を見つめる。

2作品を並べると、真鍋昌平さんが描き続けているテーマもより分かりやすくなります。

『九条の大罪』を原作漫画で読みたい方へ

『闇金ウシジマくん』が好きだった方なら、原作漫画から入ると真鍋昌平作品らしい空気をより強く感じられます。

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