『沈黙のパレード』は難しい?人物関係と2つの事件を初心者向けにわかりやすく解説
※この記事には映画『沈黙のパレード』の犯人、事件の真相、ラストまでネタバレがあります。
『沈黙のパレード』を見て、
「登場人物が多くてよく分からなかった」
「佐織事件と蓮沼事件がごちゃごちゃになった」
という方もいるのではないでしょうか。
本作が分かりにくい最大の理由は、
2つの殺人事件が同時に描かれているから。
です。
しかも、その2つの事件に同じ人物たちが関わっています。
今回は初心者向けに、人物関係と事件をできるだけシンプルに整理します。
まず覚える事件は2つだけ
『沈黙のパレード』で中心になるのは、
①並木佐織が殺された事件
②蓮沼寛一が殺された事件
の2つです。
まずこの2つを分けるだけで、かなり分かりやすくなります。
事件① 並木佐織が失踪し、数年後に遺体で発見される
並木佐織(なみき・さおり)は歌手を目指していた女性です。
ある日突然姿を消します。
そして数年後、離れた場所にある家屋から遺体となって発見されます。
佐織殺害の容疑者が蓮沼
捜査で浮上したのが蓮沼寛一(はすぬま・かんいち)です。
蓮沼には、過去にも少女死亡事件で容疑者になった経歴があります。
警察は蓮沼を強く疑います。
しかし蓮沼は完全黙秘。
証拠が足りず、佐織事件では処分保留のまま釈放されます。
佐織の家族と町の人々が激怒する
佐織は町のみんなに愛されていました。
そのため、
「佐織を殺したと思われる蓮沼が、また逃げ切った」
という怒りが広がります。
しかも蓮沼はその町へ戻ってきます。
事件② パレードの日に蓮沼が死亡する
町の祭りの日、今度は蓮沼が死亡します。
つまり、
最初の事件では容疑者だった蓮沼が、次の事件では被害者になる。
ここが本作を分かりにくくしているポイントです。
主人公・湯川学
湯川学(ゆかわ・まなぶ)は物理学者です。
警察官ではありません。
しかし科学的な知識と論理を使い、事件の不自然な点を解明します。
本作では主に、
「蓮沼はどうやって殺されたのか」
を科学的に解いていきます。
刑事・内海薫
内海薫(うつみ・かおる)は警視庁の刑事です。
湯川へ事件の相談を持ち込みます。
湯川の仮説と警察の現場捜査をつなぐ役割です。
刑事・草薙俊平
草薙俊平(くさなぎ・しゅんぺい)も刑事です。
湯川とは大学時代からの友人です。
そして草薙には、蓮沼との過去があります。
草薙と蓮沼には過去の因縁がある
蓮沼は以前、本橋優奈(もとはし・ゆうな)の死亡事件で容疑者となっています。
その事件を担当したのが草薙です。
しかし裁判では無罪。
草薙は、
「あのとき蓮沼を裁けていれば」
という後悔を抱えています。
並木家を簡単に整理
並木家は食堂「なみきや」を営んでいます。
父:並木祐太朗(なみき・ゆうたろう)
母:並木真智子(なみき・まちこ)
長女:並木佐織
次女:並木夏美(なみき・なつみ)
佐織を失った被害者家族です。
新倉直紀と新倉留美
新倉直紀(にいくら・なおき)は音楽プロデューサー。
佐織の才能を見出した人物です。
妻が新倉留美(にいくら・るみ)。
この夫婦が終盤の最大の鍵になります。
留美は佐織を突き飛ばしていた
佐織が失踪した日、留美と佐織は口論になります。
留美は佐織を突き飛ばしてしまいます。
佐織は倒れて動かなくなります。
留美は、
「自分が佐織を殺した」
と思い込みます。
でも実際には佐織はまだ生きていた可能性が高い
終盤で湯川は、バレッタなどの物証から、
留美に突き飛ばされた時点では佐織がまだ生きていた可能性
へたどり着きます。
その後に佐織を連れ去った蓮沼が、致命傷を与えた可能性が高い。
つまり、
佐織殺害の真犯人は蓮沼だった可能性が高い。
ということです。
では蓮沼を殺したのは誰?
こちらは新倉直紀です。
直紀は、妻・留美が佐織を殺したと思っていました。
さらに蓮沼がその秘密を利用して留美を脅していました。
そこで直紀は妻を守るため、町の復讐計画を利用して蓮沼を殺します。
町の人たちは何をした?
町の人々は蓮沼を追い詰め、佐織事件を自白させる計画を作りました。
液体窒素を用意。
複数人で運搬。
蓮沼を眠らせる。
そして狭い部屋へ液体窒素を送り込み、呼吸困難にする。
という計画です。
ただし全員が蓮沼を殺そうとしていたわけではない
本来は蓮沼を追い詰めて、佐織について話させる計画でした。
その計画を直紀が利用し、実際の殺人へ変えてしまいます。
ここを分けると事件がかなり理解しやすくなります。
▶ 『沈黙のパレード』町の人たちは何をした?蓮沼殺害計画を時系列で解説
2つの事件を超簡単にまとめると
佐織殺害事件
留美が佐織を突き飛ばす。
↓
佐織はまだ生きていた可能性が高い。
↓
蓮沼が佐織を連れ去る。
↓
蓮沼が佐織へ致命傷を与えた可能性が高い。
蓮沼殺害事件
町の人々が蓮沼への復讐計画を立てる。
↓
液体窒素をパレードで運ぶ。
↓
本来は祐太朗が蓮沼を追及する予定。
↓
直紀が計画を乗っ取る。
↓
直紀が蓮沼を死亡させる。
なぜ直紀は「蓮沼が佐織を殺したと自白した」と言った?
妻を守るためです。
蓮沼が佐織殺害を認めたことになれば、留美が殺人犯になる可能性は消えます。
しかし実際には、留美は最初から佐織を殺していなかった可能性が高い。
ここが本作最大の皮肉
直紀は、
妻が佐織を殺した。
と思ったから蓮沼を殺しました。
しかし湯川の推理では、
妻は佐織を殺していなかった。
つまり直紀は、
存在しなかった妻の殺人を隠すために、本当の殺人を犯してしまった。
ことになります。
初心者が覚えるべき人物は6人で十分
最低限、
湯川:事件を解く科学者。
草薙:蓮沼と過去の因縁がある刑事。
佐織:最初の事件の被害者。
蓮沼:佐織を殺した可能性が高く、後に殺される。
留美:佐織を殺したと思い込んでいた。
直紀:妻を守るため蓮沼を殺した。
この6人を覚えれば、大筋は理解できます。
まとめ|「佐織事件」と「蓮沼事件」を分ければ難しくない
『沈黙のパレード』が難しく感じる理由は、
佐織殺害事件。
蓮沼殺害事件。
が重なっているからです。
しかし答えだけ整理すると、
佐織を殺した可能性が高い人物=蓮沼。
蓮沼を殺した人物=新倉直紀。
です。
そしてその間に、
留美の思い込みと、町の人々の復讐計画。
が入っています。
この構造さえ押さえれば、複雑に見える『沈黙のパレード』もかなり理解しやすくなります。
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