『祈りの幕が下りる時』浅居博美はなぜ加賀に近づいた?剣道指導を頼んだ本当の理由
※この記事には映画・原作『祈りの幕が下りる時』の重大なネタバレがあります。
『祈りの幕が下りる時』では、浅居博美と加賀恭一郎が事件以前から知り合いだったことが明らかになります。
きっかけは剣道でした。
博美は舞台に出演する子役のため、加賀に剣道の指導を頼んでいます。
しかし物語が進むと、「なぜ博美はわざわざ加賀のところへ来たのか?」という疑問が生まれます。
表向きの理由|舞台のため子役に剣道を習わせたかった
表向きの理由は明確です。
博美は舞台演出家として、作品に出演する子どもたちに剣道を学ばせる必要がありました。
そのため、日本橋署主催の少年剣道教室に関わっていた加賀へ指導を依頼します。
加賀は剣道の実力者でもあります。
しかし加賀は「偶然なのか?」と疑う
捜査が進むにつれ、加賀は博美との出会いそのものに違和感を持ち始めます。
なぜ数ある剣道教室の中から、自分のいる日本橋署の教室だったのか。
そして事件を調べると、博美がそれ以前から加賀について調べた形跡が浮かび上がります。
博美は以前から加賀の情報を調べていた
加賀の母・百合子が亡くなった際、浅居忠雄は加賀へ連絡するため、息子の現在の情報を調べる必要がありました。
そこで博美が父に協力します。
加賀が剣道大会で活躍した際の記事などをたどり、加賀の所在につながる情報を調べていました。
つまり博美にとって加賀は、剣道指導で初めて存在を知った人物ではありません。
なぜ父・忠雄は加賀を探した?
忠雄は仙台で、加賀の母・田島百合子と親しくしていました。
百合子が亡くなった後、そのことを息子の加賀へ知らせる必要がありました。
そこで忠雄は博美の力も借りて加賀の連絡先を探します。
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博美が加賀へ近づいた本当の目的は明言されている?
ここは注意が必要です。
博美本人が「加賀を調べるため剣道指導を頼んだ」と明確に説明する場面があるわけではありません。
ただし加賀自身が、博美が以前から自分について調べていた事実を知り、剣道教室での出会いまで本当に偶然だったのかと疑います。
そのため、加賀という人物を実際に確認したい気持ちが博美にあった可能性は高いと考えられます。
なぜ博美は加賀を気にする必要があった?
加賀の母と、博美の父がつながっていたからです。
もし加賀が父・忠雄へたどり着けば、忠雄が生きていることも明らかになる可能性があります。
博美にとって加賀は、自分たち父娘の秘密に近づく可能性がある人物でもありました。
加賀と博美には親にまつわる共通点がある
加賀は母を失い、その理由を知ろうとしています。
博美は父が生きていることを知りながら、その存在を隠しています。
加賀は親とのつながりを求める人物。
博美は親とのつながりを隠さなければ生きられない人物。
この対照的な関係が、本作の大きな構造になっています。
剣道教室で博美が語った言葉も意味を持つ
加賀と博美が出会った剣道教室の場面では、博美の抱えている罪や過去を感じさせる会話があります。
最初は意味が分からなくても、事件の真相を知った後に振り返ると、博美がすでに大きな秘密を抱えていたことが分かります。
加賀は「自分自身も事件の関係者では?」と考える
捜査の途中、加賀は今回の事件が自分に関係しすぎていることに気づきます。
母の12の橋。
母と親しかった綿部。
過去に自分へ剣道指導を依頼した博美。
それらが偶然ではない可能性を疑い始めます。
そこから博美と忠雄の関係へ近づいていく
加賀は博美の過去をさらに調べます。
そして綿部俊一、越川睦夫、浅居忠雄が一つにつながり、博美と忠雄が父娘である真相へ近づいていきます。
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まとめ
博美が加賀へ剣道指導を頼んだ表向きの理由は、舞台に出演する子役のためです。
しかし博美は、それ以前から父・忠雄のために加賀について調べていました。
そのため加賀自身も、博美が自分のいる剣道教室を選んだことは本当に偶然だったのかと疑います。
作品内で「加賀を監視するためだった」と明確に断定されているわけではありませんが、父と加賀の母の関係を知る博美にとって、加賀が気になる存在だったことは確かです。
映画『祈りの幕が下りる時』ネタバレ解説|犯人・事件の真相・加賀の母・ラストまで考察
映画を観て原作も気になった方へ
映画では時間の都合で整理されている浅居親子の過去や、母・厚子の行動によって父娘の人生がどのように変わっていったのかも、原作ではより細かく描かれています。
映画を観たあとに読むと、忠雄と博美がなぜここまで強く結びつき、何十年も過去から逃れられなかったのかも、さらに深く見えてくると思います。
