『キングダム』昌平君は実在した?史実では秦を裏切った?楚との関係を解説
『キングダム』で秦(しん)の軍事を統括する重要人物として登場する昌平君(しょうへいくん)。
冷静な軍略家で、呂不韋(りょふい)の陣営にいながら嬴政(えいせい)とも深く関わる人物です。
「昌平君は本当に実在した?」「史実では秦を裏切るの?」「なぜ楚(そ)の王になると言われている?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、昌平君は『史記』に登場する実在人物で、秦に仕えた後、最終的には楚側で秦に反旗を翻したことが記録されています。
『キングダム』の今後にも深く関係する史実なので、この記事には原作の先の展開につながる史実上の内容を含みます。
昌平君は実在した?
はい。
昌平君は『史記・秦始皇本紀』などに名前が登場する人物です。
秦王政の時代には秦側の有力者として活動していました。
特に秦王政9年に起きた嫪毐(ろうあい)の乱では、昌文君(しょうぶんくん)とともに反乱鎮圧に参加しています。
昌文君と昌平君は別人?
はい。
名前が非常に似ていますが、
- 昌平君(しょうへいくん)
- 昌文君(しょうぶんくん)
は別人です。
『史記』でも、嫪毐の乱を鎮圧する場面で二人の名前が並んで記されています。
史実の昌平君は秦で何をした?
史実では、秦王政9年に嫪毐が反乱を起こした際、嬴政が昌平君と昌文君に兵を率いさせています。
二人は咸陽(かんよう)で反乱軍と戦い、これを鎮圧しました。
このことから、昌平君が秦王政から軍を任されるほどの有力者だったことが分かります。
『キングダム』の昌平君はどんな人物?
『キングダム』では昌平君は秦国軍総司令として登場します。
非常に高い知略を持ち、秦の大規模な戦争では作戦立案の中心となります。
また呂不韋の「四柱」の一人として登場しますが、単純に呂不韋だけへ忠誠を誓う人物ではありません。
嬴政の考えや中華統一の目標にも影響を受けていきます。
史実でも秦の軍総司令だった?
『キングダム』の「秦国軍総司令」という役職や、漫画で描かれる軍略家としての詳しい活動が、そのまま史料に残っているわけではありません。
史実では秦の有力者であり、兵を率いた記録はあります。
しかし、漫画ほど詳細な軍事経歴は確認できません。
昌平君は史実で秦を裏切った?
最終的には、秦に対して反乱する側へ回ったと『史記』に記されています。
秦王政23年、王翦(おうせん)が大軍を率いて楚を攻めます。
秦軍は楚王を捕らえ、楚は滅亡寸前まで追い込まれます。
ところが楚の将軍・項燕(こうえん)が昌平君を楚王として立て、秦に反旗を翻しました。
『史記』には、
「項燕が昌平君を荊王として立て、淮南で秦に反した」
という趣旨の記録があります。
なぜ昌平君は楚王になった?
ここは史料だけでは詳しい事情が分かりません。
昌平君と楚王家の関係についてはさまざまな説がありますが、本人の詳しい出自や、なぜ項燕が昌平君を王として立てたのかを完全に説明できる史料は限られています。
そのため、
「昌平君は最初から楚のために秦へ潜入していた」
などと断定することはできません。
『キングダム』でも昌平君は秦を裏切る?
ここからは、史実をもとにした今後の展開についての考察です。
史実通りに物語が進むのであれば、昌平君が最終的に秦を離れ、楚側へ回る可能性は非常に高いと考えられます。
ただし、『キングダム』がその経緯をどのように描くのかは別問題です。
原作では史実の短い記録を大きなドラマへ膨らませることが多いため、昌平君がどのような理由で決断するのかは、作品独自の物語になる可能性があります。
昌平君と嬴政の関係はどうなる?
『キングダム』では、昌平君は嬴政の中華統一という目標を理解する重要人物の一人です。
そのため、史実通りに敵対することになれば、単純な「裏切り者」という一言だけでは済まない展開になると考えられます。
なぜ秦を離れるのか。
楚への思いと嬴政への思いをどう整理するのか。
ここは今後の物語でも非常に大きな見どころになりそうです。
昌平君の最後は?
『史記』では、秦王政24年、王翦と蒙武(もうぶ)が楚軍を攻撃します。
その戦いで楚軍は敗れ、昌平君は死亡します。
そして項燕も自ら命を絶ったと記されています。
つまり史実の昌平君は、秦の有力者として活動した後、最後には楚王として秦軍と戦い、その戦いで死亡した人物です。
昌平君を倒したのは誰?
『史記』では王翦と蒙武が楚軍を攻撃し、昌平君が死亡したと記録されています。
ただし、誰が直接昌平君を討ち取ったのかまでは明記されていません。
そのため「蒙武が昌平君を直接倒した」と史実として断定することはできません。
『キングダム』では蒙武と昌平君の関係が深く描かれているため、今後どのように表現されるか注目される部分です。
漫画と史実の違いを整理
- 昌平君という人物がいた → 史実
- 秦王政の時代に秦で活動した → 史実
- 昌文君とともに嫪毐の乱を鎮圧した → 史実
- 秦国軍総司令だった → 漫画独自の役職・描写が大きい
- 呂不韋の四柱だった → 『キングダム』の設定
- 最終的に楚王として秦に反旗を翻した → 史実
- 王翦・蒙武の楚攻略で死亡した → 史実
- 秦を離れた詳しい理由 → 史料だけでは分からない
昌平君を原作で最初から読みたい方へ
昌平君は軍略・政治の両面で秦を支える重要人物です。
史実で最後に楚側へ回る人物だと知ってから読むと、嬴政や蒙武との関係にも違った見方ができます。
まとめ
昌平君は実在した人物で、史実では秦王政の時代に秦側の有力者として活動しました。
嫪毐の反乱を昌文君とともに鎮圧した記録がある一方、秦の楚攻略が進むと、項燕によって楚王として立てられ、秦へ反旗を翻します。
そして最終的には、王翦・蒙武の軍に楚軍が敗れた際に死亡しました。
秦を支える人物から、最後は秦と戦う楚王へ――史実だけでも非常にドラマ性の高い人物です。
