※この記事にはNetflixシリーズ『ガス人間』最終回までの重大なネタバレがあります。

『ガス人間』最終回で最も気になるのは、やはり最後の白いガスではないでしょうか。

甲野京子(蒼井優)は堤田蓮(UTA)とともにJNT旧社屋で姿を消した。

岡本賢治(小栗旬)は京子を失ったと思っている。

ところが1年後、賢治の部屋へ白いガスが入ってきます。

そして人間のような形へ集まり始めたところで終了。

「あれは蓮?」

「京子は生きていた?」

「なぜ賢治の部屋に来たの?」

という疑問が残ります。

結論から言うと、制作側がすでに答えを明かしています。

最後の白いガスは、ガス人間になった京子です。

しかも、賢治の部屋へ現れた理由まで設定されています。

京子はなぜ蓮と一緒に消えることを選んだ?

最終回までに京子は、自分の復讐が何を生み出したのかを理解します。

京子はホワイトセンターの被害者です。

幼い自分を救ってくれた蓮も、ホワイトセンターによって人生を奪われました。

だから関係者へ復讐したい。

その気持ちは理解できます。

しかし問題は、その復讐に蓮を使ったことです。

京子は蓮を救うつもりで利用していた

京子は、蓮のためにも復讐しているつもりだったのでしょう。

しかし実際には、ガス人間となった蓮へ殺人を実行させています。

ホワイトセンターが人間だった蓮を利用した。

その後、京子もガス人間となった蓮を利用した。

方法は違っても、

「蓮の意思ではなく、誰かの目的のために使う」

という構図は同じです。

賢治が京子に突きつけた問題

賢治は、蓮本人が本当に殺人を望んでいたのかという問題を京子へ突きつけます。

人間だった頃の蓮は、幼い京子を助ける優しい青年でした。

そんな蓮が、ホワイトセンター関係者を一人ずつ殺したいと本当に願ったのか。

京子はその問いから逃げられなくなります。

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さらに三浦まで蓮を利用する

三浦威(岡部たかし)もガス人間を利用します。

京子が復讐に使った存在を、今度は権力者が政治的な目的に使う。

蓮は人間だった頃から最後まで、誰かの「燃料」にされ続けます。

京子はこの連鎖を終わらせる必要がありました。

JNT旧社屋へ向かった理由

最終回で京子はJNT旧社屋へ向かいます。

目的は、蓮と最後に向き合うことです。

単にガス人間を倒すためではありません。

自分が始めた復讐。

蓮を使った罪。

そして27年前から続いている2人の関係。

すべてに決着をつけるための場所でした。

京子は「怪物」ではなく蓮を抱きしめる

最後に京子は蓮へ近づきます。

相手は人を殺してきたガス人間です。

それでも京子にとっては、幼い自分を救ってくれた蓮でもあります。

だから最後は、怪物を処分するのではなく、蓮という人間へ戻るように抱きしめます。

ここは1960年版『ガス人間第一号』の悲恋を思わせる部分でもあります。

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爆発後、京子と蓮は消える

金庫室で爆発が起こり、2人は姿を消します。

人間だった京子は、ここで死亡したように見えます。

しかしこの作品では、身体が消えることと存在が完全に消えることは同じではありません。

1年後のラスト

1年後。

賢治の部屋で「いとしのエリー」が流れます。

そこへ白いガスが入り込んできます。

ガスは少しずつ集まり、人間の輪郭を作り始めます。

ここで本編は終了します。

白いガスの正体は京子

ここは考察ではありません。

ヨン・サンホと片山慎三監督が、

ラストのガスは京子

と分かるように制作したことを明かしています。

当初の脚本では、さらに分かりやすい結末でした。

初稿では「京子の石像」が賢治の部屋にあった

ヨン・サンホによると、脚本では、

賢治が帰宅すると、すでに活動停止した京子の石像が部屋にいる

というラストでした。

つまり京子がガス人間になること自体は、後から加えた解釈ではありません。

物語の初期段階から決められていた結末です。

なぜ完成版では石像を見せなかった?

片山監督は、完成した石像を置くより、

ガスが集まって京子の形になっていく瞬間

を映像で表現したいと考えました。

ヨン・サンホは当初、「京子だと分からないのでは」と心配したそうです。

そこでVFXチームが、京子だと感じられる細かな特徴を加えました。

ガスの輪郭が女性的なのは意図的

片山監督によると、ラストのガスは女性らしい身体のラインへ調整されています。

さらに、京子が最後に蓮を抱きしめた際のポーズも反映しています。

つまり、

「蓮か京子か分からないガス」

ではなく、

「映像だけでも京子だと感じさせるガス」

を狙って作られています。

なぜ京子は賢治の部屋へ戻った?

これにも制作側の答えがあります。

Netflix版のガス人間には、

「思い出のある場所へ集まる」

というルールがあります。

そして京子が最も愛していたのは賢治。

だからガスとなった京子は、賢治の部屋へ戻りました。

つまりラストは「京子が帰ってきた」場面

恐怖映画のように考えると、

「新しいガス人間が賢治を襲いに来た」

とも見えます。

しかし制作側の説明では、むしろ切ない再会です。

普通の人間ではなくなった京子が、それでも一番大切な人のもとへ戻ってきた。

そういうラストです。

京子は生きている?死んでいる?

これは「人間として」と「ガス人間として」を分けると分かりやすいです。

人間としての京子の身体は失われた。

しかし存在自体はガス人間として残っています。

したがって、

「死んだのに存在している」

というのが本作らしい状態です。

蓮はなぜ賢治の部屋へ来なかった?

最後のガスは京子なので、蓮ではありません。

蓮の物語はJNT旧社屋で一区切りついています。

完全に消滅したかどうかは明言されませんが、少なくともラストで帰ってきた人物は蓮ではありません。

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京子が蓮と同じ存在になる皮肉

京子はずっと蓮を救いたいと思っていました。

しかし同時に利用してしまいました。

そして最終的に、自分自身も蓮と同じガス人間になります。

これは単なる続編への引きではなく、かなり皮肉な結末です。

怪物を外から見ていた人間が、その怪物と同じ側へ行く。

そこで初めて、蓮がどんな存在になっていたのかを京子自身が経験することになります。

旧作との大きな違い

1960年版では、ガス人間・水野と藤千代の悲劇は死によって終わります。

一方Netflix版では、京子が新たなガス人間として残ります。

悲恋で閉じる旧作に対して、Netflix版は、

「怪物の物語が別の人間へ受け継がれる」

結末に変えています。

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続編を想定したラスト?

京子がガス人間になったことで、当然その後を描く余地があります。

ただし現時点で、シーズン2が正式発表されたわけではありません。

そのため、

「続編のために京子をガス人間にした」

と断定することはできません。

物語単体でも、京子と蓮の関係を反転させるラストとして成立しています。

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まとめ

『ガス人間』最終回の白いガスは、蓮ではなく京子です。

制作側によれば、初稿では賢治の部屋に京子の石像が置かれている、さらに明確なラストでした。

完成版では、ガスが集まって京子へ変わる途中を映すことで、より余韻のある演出へ変更されています。

そして京子が賢治の部屋へ来た理由は、

「ガス人間は思い出のある場所へ集まる」

というルールと、京子が賢治を最も愛していたこと。

つまり最後の場面は、

怪物が現れた場面ではなく、京子が愛する人のもとへ帰ってきた場面

だったのです。