『殺人の門』原作の最後はどうなる?田島は倉持を殺すのか結末を解説
※この記事には、東野圭吾『殺人の門』原作のラストに関する重大なネタバレがあります。
『殺人の門』を読んでいて最も気になるのが、「田島は最後に倉持を殺すのか?」という点です。
結論から言うと、原作のラストで田島は、病院で眠る倉持の首に手をかけます。
長年「あいつを殺したい」と考え続けながら、何度も最後の一線を越えられなかった田島が、ついに「殺人の門」に足を踏み入れる場面です。
ただし、この結末は単純な復讐成功の場面ではありません。
なぜ田島は、それまで何度も殺せなかった倉持に最後には手をかけることができたのでしょうか。
『殺人の門』は最初から「殺せるか」がテーマになっている
田島は長い間、倉持に対して強い殺意を抱いています。
それでも実際には殺せません。
怒りが足りないわけではありません。
倉持によって傷つけられた経験も一度や二度ではありません。
それでも「殺したい」と思うことと、実際に人の命を奪うことの間には大きな壁があります。
この見えない境界こそが、タイトルにある「門」だと考えられます。
田島はなぜ倉持を殺したいほど憎んでいる?
田島の殺意は、一つの事件だけから生まれたものではありません。
少年時代から大人になるまで、田島が人生の節目で不幸に陥るたび、その近くには倉持がいました。
田島は次第に、自分が倉持によって利用され、人生を狂わされているのではないかと考えるようになります。
それでも倉持は、田島が苦しいときには「助ける側」として現れます。
だからこそ田島は完全に縁を切れません。
2人の関係についてはこちらで詳しく整理しています。
『殺人の門』田島はなぜ倉持を殺したいのか?2人の関係を原作から解説
終盤で倉持は別の人物に襲われる
物語終盤、田島は倉持との関係に決着をつけようとします。
しかし、田島が自分の手で倉持を殺す前に、倉持は別の人物から襲われて重傷を負います。
ここでも、田島が思い描いていた形での「殺人」は実現しません。
田島は長年倉持を殺したいと願ってきたのに、いざ決着の瞬間が近づくと、自分以外の出来事によって状況が変わってしまいます。
病院で田島と倉持が最後に向き合う
重傷を負った倉持は病院に運ばれます。
そして田島は、入院している倉持のもとへ向かいます。
ここまで田島は何度も倉持への殺意を抱きながら、踏みとどまってきました。
ところが最後には、眠っている倉持の首に手をかけます。
これが原作の大きなクライマックスです。
田島は本当に倉持を殺したのか?
ここは言い方に注意が必要です。
原作のラストで重要なのは、単に「倉持が死んだかどうか」という結果だけではありません。
田島が、それまで越えることのできなかった一線を越える行動に出たことそのものです。
物語は、田島が長年考え続けてきた「殺人とは何か」という問いに対して、明快な答えを説明する形では終わりません。
そのため、『殺人の門』のラストは、読者に解釈の余地を残す終わり方になっています。
なぜ最後には「門」を越えられたのか
ここからは考察です。
田島が最後に一線を越えた理由は、一つの出来事だけでは説明できないと考えられます。
少年時代から積み重なってきた怒り、疑念、裏切り、後悔。
それらが長い年月をかけて積み上がっています。
田島は何度も「今度こそ倉持を殺す」と考えながら実行できませんでした。
つまり田島に足りなかったのは、殺意そのものではありません。
殺意を実際の行動へ変える最後の何かだったのでしょう。
ラストは、その境界が崩れる瞬間として読むことができます。
倉持は単純な悪人なのか
『殺人の門』が不気味なのは、倉持を単純な「悪役」として片づけにくいところにもあります。
倉持は田島を苦しめる一方で、田島が困っているときには近づき、助けるような行動も見せます。
そのため田島自身も倉持との関係を断ち切れません。
倉持という人物についてはこちらで詳しく解説しています。
『殺人の門』倉持修は何者?田島の人生を狂わせる理由と正体を原作から解説
原作全体の流れを確認したい方へ
ラストだけを見ると、なぜ田島がここまで倉持を憎んでいるのかが分かりにくい作品でもあります。
少年時代から終盤までの出来事を時系列で確認したい方はこちらをご覧ください。
東野圭吾『殺人の門』原作ネタバレ|あらすじ・結末・ラストまで完全解説
原作で田島と倉持の約30年を追いたい方へ
『殺人の門』の結末が重く感じられるのは、それまでに田島と倉持の関係が長い時間をかけて積み重ねられているからです。
現在の新装版は上下巻になっています。特にラストの意味まで理解したい場合は、上巻から2人の関係を追って読むと印象が大きく変わります。
まとめ
『殺人の門』の原作ラストでは、重傷を負って病院にいる倉持の首に、田島が手をかけます。
これは長年「殺したいのに殺せない」状態にいた田島が、ついに境界を越える瞬間です。
だからこそタイトルは『殺人』ではなく、『殺人の門』なのでしょう。
この作品が描いているのは殺人事件そのものよりも、人間が殺意を抱き、最後の一線を越えるまでの心理です。
なお、2027年公開の映画版が原作と同じ結末になるかは、現時点では判明していません。映画版のラストについては、公開後に実際の内容を確認して追記します。
