『真夏の方程式』塚原はなぜ玻璃ヶ浦に来た?元刑事が調べていたこととは
※この記事は映画『真夏の方程式』の塚原死亡事件、仙波・成実の過去、16年前の殺人事件まで重大なネタバレを含みます。
『真夏の方程式』の事件は、元刑事・塚原正次(つかはら・まさつぐ)が玻璃ヶ浦(はりがうら)で死亡したことから始まります。
ただ、映画を見終わったあとに疑問として残りやすいのが、
「そもそも塚原は、なぜ玻璃ヶ浦へ来たの?」
という点です。
観光ではありません。
海底資源開発とも直接関係ありません。
塚原の目的は、
16年前に自分が担当した殺人事件を、もう一度確かめること。
でした。
結論|塚原は仙波と過去の殺人事件を追って玻璃ヶ浦へ来た
塚原が玻璃ヶ浦へやって来た理由を一言で言うと、
仙波英俊(せんば・ひでとし)と川畑家の関係を確かめるため。
です。
塚原は現役刑事時代、三宅伸子殺害事件を担当していました。
その事件で犯人として逮捕されたのが仙波です。
ところが塚原は、事件が終わったあとも、
仙波は本当に犯人だったのか。
という疑問を捨てきれませんでした。
塚原は元警視庁の刑事
塚原正次は、警視庁で長く捜査に関わってきた元刑事です。
経験豊富で、周囲からも評価されていた人物。
その塚原が現役時代に担当したのが、16年前の三宅伸子殺害事件でした。
事件では仙波英俊が逮捕されます。
証拠もあり、事件は解決したことになります。
しかし、塚原の中では終わっていませんでした。
仙波の犯行には何か不自然なところがあった
塚原は捜査の中で仙波を逮捕しました。
しかし事件を振り返ると、どこか腑に落ちません。
なぜ仙波はその行動を取ったのか。
なぜこんな形で証拠が見つかったのか。
仙波は何かを隠しているのではないか。
塚原は、
仙波が誰かの罪を背負った可能性
を疑うようになります。
刑事を辞めたあとも仙波を探した
普通なら退職すれば、過去の事件から離れても不思議ではありません。
しかし塚原は仙波を探し続けます。
それだけ、当時の捜査が心に引っかかっていたということです。
もし仙波が本当の犯人でなかったなら、
自分は無実の人間を殺人犯として逮捕したことになる。
刑事だった塚原にとって、簡単に忘れられる問題ではありません。
仙波は重い病気になっていた
年月がたち、仙波は重い病気を患います。
残された時間も長くありません。
塚原はそんな仙波を探し出します。
そして過去の事件について、改めて向き合おうとします。
ここから、長年封印されてきた秘密が動き始めます。
仙波と川畑家には隠された関係がある
仙波はただの過去の殺人事件の容疑者ではありません。
実は、
川畑成実(かわばた・なるみ)の実の父親。
です。
成実は川畑重治の娘として育っていますが、血のつながった父親は仙波。
そして16年前に三宅伸子を殺した本当の犯人も成実でした。
仙波は娘を守るために、自分が犯人として罪を背負ったのです。
▶ 『真夏の方程式』仙波とは何者?成実との関係と過去の事件を解説
塚原はこの秘密にどこまで気づいていた?
ここは慎重に見る必要があります。
映画の中で、塚原自身がすべての真相を詳しく説明する場面はありません。
塚原がどこまで確信していたのかは、一部湯川の推理によります。
ただし塚原が仙波を追い、玻璃ヶ浦まで来ている以上、
仙波と川畑家の間に重大な関係がある
ことにはかなり近づいていたと考えられます。
緑岩荘で節子に仙波の名前を出す
玻璃ヶ浦へ来た塚原は、川畑家が営む旅館「緑岩荘」に泊まります。
そして夕食の場で、節子へ、
「仙波英俊を知っていますか」
と尋ねます。
節子は「知らない」と答えます。
しかしその反応には明らかな動揺があります。
塚原にとっても、
やはり仙波と川畑家には何かある。
と感じる材料になったはずです。
塚原は成実に会わせようとしていた?
ここは湯川の推理を含む部分です。
仙波は重い病気で、残された時間が少ない。
その仙波と川畑家には深い秘密がある。
塚原は、
仙波が最後に成実へ会えるようにしたかったのではないか。
と考えることができます。
つまり塚原は過去を暴いて誰かを逮捕したいだけではなく、
自分が担当した事件の本当の姿と向き合いたかった。
その思いで玻璃ヶ浦へ来たと見ると、行動がつながります。
重治にとって塚原の存在は危険だった
一方、川畑重治から見れば状況は全く違います。
元刑事がやって来た。
仙波の名前を出した。
過去の事件を調べている。
このままでは、
成実の出生。
三宅伸子殺害。
仙波が罪をかぶったこと。
すべてが明らかになるかもしれません。
重治は、
娘として育ててきた成実の人生を守らなければならない。
と考えます。
その結果、塚原は殺される
重治は塚原を一酸化炭素中毒で殺害します。
しかも、その仕掛けに少年・恭平を利用します。
つまり塚原が殺された直接の理由は、
過去の事件の真相へ近づきすぎたこと。
です。
▶ 『真夏の方程式』犯人は誰?塚原が殺された理由と事件の真相を解説
塚原は「余計なことをした」のか?
ここからは考察です。
結果だけ見れば、塚原が過去の事件を掘り返したことで新しい殺人事件が起きています。
なら、そっとしておけばよかったのでしょうか。
簡単には言えません。
もし仙波が本当に無実だったなら、
塚原自身も誤った捜査に関わったことになります。
刑事として、真実を確かめたい。
人として、仙波の人生をこのまま終わらせていいのか。
そう考えたとしても不思議ではありません。
塚原もまた「答え」を探していた人物
『真夏の方程式』では、湯川だけが問題を解いているわけではありません。
塚原も長い間、
「16年前の事件の答えは本当にこれでよかったのか」
という問題を抱えています。
事件は一度解決した。
犯人も逮捕した。
それでも納得できない。
そして退職後まで答えを探し続け、玻璃ヶ浦へたどり着きました。
そう考えると、塚原もこの作品の「方程式」を解こうとした一人だったと言えます。
まとめ|塚原は仙波が本当に犯人だったのか確かめるため玻璃ヶ浦へ来た
塚原が玻璃ヶ浦へ来た理由を整理すると、
16年前、自分が担当した三宅伸子殺害事件に疑問を持っていた。
犯人として逮捕した仙波が誰かをかばっていると疑っていた。
退職後も仙波を探し続けた。
仙波と川畑家の関係を確かめるため玻璃ヶ浦へ来た。
という流れです。
そしてその調査によって、成実の過去へ近づきます。
重治は成実を守るため塚原を殺害。
つまり塚原は、
16年前に残した疑問の答えを探した結果、現在の殺人事件の被害者になった。
ことになります。
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『真夏の方程式』を原作でも読みたい方へ
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