『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ロッキーはなぜ目がない?エリド人の体の仕組みを解説
※この記事には映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のロッキーの姿・生態についてネタバレがあります。
グレースが初めてロッキーの姿を見た時、最も驚く特徴の一つが、
目がないこと。
です。
それでもロッキーは、
物をつかむ。
機械を作る。
グレースの位置を把握する。
宇宙船内を自由に移動する。
といったことを問題なく行います。
目がないのに、どうやって周囲を認識しているのでしょうか。
結論|ロッキーは視覚ではなく「音」で周囲を立体的に認識している
ロッキーを含むエリド人には、
人間のような目がありません。
その代わり、音を利用して周囲の形や位置を把握します。
簡単に言えば、
極めて高度なエコーロケーション(反響定位)
のような感覚です。
目がない=何も見えない、ではない
人間は視覚へ非常に依存しています。
そのため目がないと「不自由なのでは」と感じます。
しかしエリド人は、そもそも視覚を使うよう進化していません。
音による空間認識が、人間の視覚に相当する感覚。
です。
なぜそんな進化をした?
大きな理由は、母星エリドの環境です。
エリドは地球とはまったく異なる惑星。
高温。
高圧。
非常に厚い大気。
という環境です。
エリド人にとって光は重要ではなかった
人間は太陽光のある環境で視覚を発達させました。
一方、エリド人は音で周囲を把握する方向へ進化。
そのためロッキーの船も、人間のように「明るい室内」を必要としません。
グレースは最初、それに気づかない
二人が初接触する時、ロッキーは船同士の間に仕切りを作ります。
グレースは透明な部分を見つけると、
「これなら相手を見られる」
と考えます。
でもロッキーに「透明」の意味はほぼない
ロッキーは光で相手を見るわけではありません。
透明でも不透明でも、人間ほど大きな違いがない。
この小さな違いからも、二つの種族の感覚世界がまったく違うことが分かります。
ロッキーはどうやって物の形を知る?
音を出し、その反響を感じ取ります。
物体までの距離。
形状。
位置。
周囲の構造。
を高精度で把握できます。
かなり細かい作業もできる
単に「壁がある」と分かる程度ではありません。
ロッキーは非常に高度な工作をします。
つまり音による感覚で、
人間が目と手を使うのと同等以上に細かな作業が可能。
です。
ロッキーには5本の脚・腕がある
エリド人の体は人間型ではありません。
中心となる胴体から、
5本の肢
が伸びています。
上下左右の感覚も人間とは違う
人間には頭と足があり、体の向きが明確です。
ロッキーの体はより放射状。
状況に応じて複数の肢を使います。
エリドの重力は地球より強い
原作設定ではエリドの重力は、
地球のおよそ2倍。
です。
そのためエリド人は、強い重力へ耐えられる頑丈な体をしています。
ロッキーが小柄でも非常に重い理由
見た目の大きさだけなら、人間より巨大というわけではありません。
しかし体は非常に高密度。
原作ではロッキーの質量は人間よりかなり大きい設定です。
体表も岩のように硬い
グレースがロッキーを「Rocky」と呼ぶ理由にもなる特徴です。
人間の柔らかい皮膚とはまったく違います。
ロッキーは何を呼吸している?
人間は酸素。
ロッキーは、
アンモニアを含むエリド型の大気環境
で生きています。
だからグレースと同じ部屋にはいられない
グレースの生活環境はロッキーに危険。
ロッキーの生活環境はグレースに危険。
二人は仕切り越しに交流する必要があります。
ロッキーにとって酸素は危険
人間には必要不可欠な酸素。
しかしエリド人の生化学では毒になります。
物語では、ロッキーが酸素へさらされることが生命の危機につながります。
ロッキーの体温も人間とは大きく違う
エリド人は非常に高温の環境で生きています。
原作では体温は200℃を超えるレベル。
人間なら即死する温度です。
なぜそんな高温で生命活動できる?
エリド生命は地球生命とは化学的な仕組みが違います。
人間の体をそのまま高温へ持っていけば壊れます。
しかしエリド人は、その環境で進化しています。
ロッキーの血も人間とは違う
原作では、エリド人の体内には、
液体金属を利用するような非常に特殊な循環系
が設定されています。
地球生物とは根本的な生化学が異なります。
それなのに知性は人間と驚くほど通じる
見た目。
呼吸。
体温。
感覚。
すべて違います。
しかし、
数学。
科学。
ユーモア。
友情。
では通じ合えます。
ロッキーの言葉も音を使う
視覚ではなく音が重要なエリド人は、言語も音楽のようなものです。
複数の音程を組み合わせて意味を伝えます。
▶ ロッキーはなぜ人間の言葉を話せる?グレースとの会話方法をわかりやすく解説
人間とは違う進化を徹底している
SF作品では、宇宙人が人間とほぼ同じ姿をしていることもあります。
しかし『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のロッキーは、
「別の惑星なら、生物はどれほど違う姿になるのか」
をかなり真面目に考えて作られています。
それでも完全に理解不能な怪物にはしていない
ここからは考察です。
ロッキーの体は人間と大きく違います。
しかし性格は、
心配する。
喜ぶ。
冗談を言う。
友達を助ける。
というように、グレースと共感できる部分があります。
「外見が違っても友達になれる」が強く伝わる
もしロッキーが人間そっくりの宇宙人だったら、二人の友情はここまで印象的ではなかったかもしれません。
目すらない。
呼吸も違う。
同じ空気の中にすらいられない。
それでも親友になります。
科学が二人の最初の橋になる
姿も言葉も違う。
それでも数学や物理法則は共有できます。
そこからコミュニケーションが始まります。
まとめ|ロッキーは目がないのではなく「目を必要としない生物」
ロッキーに目がない理由は、
エリド人が視覚ではなく、音を使って周囲を認識する方向へ進化したから。
です。
ロッキーは、
5本の肢を持つ。
高重力に耐える高密度な体を持つ。
高温・高圧の環境で生きる。
人間とは違う大気を必要とする。
音の反響で周囲を立体的に把握する。
音程や和音を使って会話する。
という、人間とは根本的に違う生命体です。
つまり、
「目がないから見えない」のではなく、「そもそも視覚を必要としない世界で進化した」
と考えると分かりやすいでしょう。
外見も生態もここまで違う二人が、それでも科学と友情で分かり合う。
そこがロッキーというキャラクターの大きな魅力です。
ロッキーの体の仕組みを原作で詳しく読みたい方へ
グレースがロッキーの呼吸・体温・感覚・体の構造を一つずつ調べていく場面は、原作上巻でより細かく描かれています。
