※この記事には映画『タイタニック』の内容に触れるネタバレがあります。

映画『タイタニック』は、1912年に実際に起きたタイタニック号沈没事故を描いています。

そのため、

「ジャックとローズも本当に乗っていたの?」

「実在した恋人同士なの?」

と思った方も多いのではないでしょうか。

映画には実在した乗客や乗員が多数登場するため、フィクションとの境界が非常に分かりにくくなっています。

結論|ジャックとローズはどちらも架空の人物

ジャック・ドーソンとローズ・デウィット・ブケイターは実在しません。

2人の恋愛物語も、実際にタイタニック号で起きた出来事ではありません。

ジェームズ・キャメロン監督が、実在した沈没事故の中へ観客を入り込ませるために作ったフィクションです。

なぜ架空の2人を主人公にした?

タイタニック号には2000人を超える乗客・乗員がいました。

しかし事故の史実だけを描くと、歴史映画やドキュメンタリーに近くなります。

そこで、

一等船客のローズ

三等船客のジャック

を恋に落ちさせることで、船内の異なる階級を一つの物語の中から見せています。

ジャックとローズは「ロミオとジュリエット」のような役割

ジャックとローズは、社会的には一緒になることが難しい2人です。

ローズは裕福な上流階級。

ジャックはほとんど財産を持たない三等船客。

階級の違う男女の恋愛を通して、タイタニック号に存在した大きな格差も描かれています。

「J. Dawson」という本物の墓がある?

ここが非常に紛らわしいところです。

タイタニック号の犠牲者が埋葬されているカナダ・ハリファックスの墓地には、

「J. Dawson」

と刻まれた墓があります。

映画公開後、この墓が「本物のジャック・ドーソンの墓」として注目され、多くのファンが訪れました。

本当の名前はジョセフ・ドーソン

しかし、この人物はジャック・ドーソンではありません。

実在したのはジョセフ・ドーソンという男性です。

タイタニック号の機関部で働いていた乗組員で、沈没事故で亡くなりました。

映画のジャックとは、職業も人生もまったく違います。

ジェームズ・キャメロン監督はジョセフ・ドーソンを知らなかった

さらに興味深いのは、映画の主人公をジャック・ドーソンと名付けた時点で、キャメロン監督は実在したジョセフ・ドーソンの存在を知らなかったとされています。

つまり、

「J. Dawson」という実在人物と映画のJack Dawsonは偶然名前が重なった

ことになります。

ローズ・デウィット・ブケイターも実在しない

ローズも架空の人物です。

タイタニック号の一等船客名簿に、ローズ・デウィット・ブケイターという女性はいません。

母ルース。

婚約者キャル。

キャルの付き人ラブジョイ。

など、ローズを中心とする主要人物の多くも映画のために作られています。

実際に「Rose」という名前の乗客はいた?

タイタニック号にはRoseという名前を持つ実在の女性もいました。

しかし、映画のローズ・デウィット・ブケイターとは別人です。

名前が似ているだけで、映画のローズのモデルというわけではありません。

映画には実在人物もたくさん登場する

一方、『タイタニック』には実在した人物も多数登場します。

たとえば、

エドワード・スミス船長。

船の設計者トーマス・アンドリュース。

ホワイト・スター・ラインのJ・ブルース・イズメイ。

マーガレット・“モリー”・ブラウン。

イジドー・ストラウスと妻アイダ。

などです。

ジャックとローズという架空人物の周囲を、実在人物で固めているのが映画の特徴です。

だから映画が「本当にあった話」のように感じる

ジャックとローズは架空。

しかしタイタニック号は実在。

沈没事故も実在。

船長や設計者、実業家、乗客の一部も実在。

その中へ架空の恋愛物語を入れています。

そのため映画を見ていると、

「ジャックとローズも本当にいたのでは?」

と感じるほど自然に史実とフィクションが混ざっています。

ジャックの遺体が見つからなかった設定も巧妙

映画の最後、老いたローズはジャックについて、記録が残っていないことを説明します。

ジャックは出航直前にポーカーで乗船券を手に入れています。

正式な乗客名簿にも記録が残りにくい設定です。

さらに遺体も回収されません。

そのため映画世界の中でも、

「歴史記録には残らなかった人物」

として成立しています。

ジャックとローズは特定の実在恋人の再現ではない

「実在した恋人同士がモデルなのでは?」という話もありますが、ジャックとローズの恋愛そのものに、一対一で対応する実在カップルがいるわけではありません。

映画のために作られた2人です。

それでもタイタニック号には実際の恋愛や夫婦の物語があった

事故では多くの夫婦や家族が引き裂かれています。

特に映画にも登場するイジドー・ストラウスと妻アイダは、実際にタイタニック号へ乗っていた夫婦です。

2人の最期は、ジャックとローズとは別に非常に有名な実話として残されています。

▶ 『タイタニック』ベッドで抱き合う老夫婦は実在した?イジドーとアイダの実話

まとめ|恋愛はフィクション、沈没事故と多くの人物は実話

ジャック・ドーソンとローズ・デウィット・ブケイターは、どちらも架空の人物です。

2人の恋愛も実話ではありません。

しかし、

タイタニック号。

氷山衝突。

沈没。

多数の実在人物。

救命ボートをめぐる混乱。

などは史実をもとにしています。

架空の2人を通して、実際に起きた悲劇を体験させる。

それが『タイタニック』という映画の大きな仕掛けです。


『タイタニック』をもう一度じっくり観たい方へ

ジャックとローズが架空だと知ったうえで、スミス船長やアンドリュース、モリー・ブラウンなどの実在人物に注目して見返すと、別の映画のように楽しめます。