※この記事では、『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』の原作本の内容について触れています。

映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』には原作があります。

ただし、一般的な映画原作のような小説ではありません。

原作は、21歳でステージIVの大腸がんを宣告された遠藤和(えんどう・のどか)さん本人が残した日記をもとにした手記です。

つまり、物語のモデルになった本人の言葉を読むことができます。

この記事では、原作がどんな本なのか、何が書かれているのか、さらに2021年の単行本と2026年の文庫版の違いについて整理します。

原作は遠藤和さんの『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』

原作者は遠藤和さんです。

和さんは1997年に青森県で生まれ、21歳でステージIVの大腸がんと診断されました。

その後、将一さんと結婚。

23歳で娘を出産し、2021年9月8日に24歳で亡くなりました。

この人生について詳しく知りたい方は、『ママがもうこの世界にいなくても』は実話?遠藤和さんの実話を解説もあわせてご覧ください。

原作は小説ではなく「本人の日記」

ここは間違えやすいところです。

『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は、実話を参考にして作家が書いた小説ではありません。

和さん自身が残した日記を中心に構成されています。

だからこそ、映画とは違う意味があります。

映画では俳優が和さんや将一さんを演じます。

しかし原作に書かれているのは、実際にその人生を生きた和さん自身の言葉です。

原作はどんな順番で書かれている?

2026年の文庫版には、出産、余命宣告、がんの発覚、結婚、妊娠、最後の日記などが収録されています。

特徴的なのは、単純に誕生から死までを時系列で追うだけの構成ではないことです。

まず母になった和さんの姿があり、そこから過去へ戻って、将一さんとの出会いやがんの発覚、結婚、妊娠へとつながっていきます。

そのため読者は「亡くなった女性の人生」を外側から見るのではなく、和さんがそのとき何を感じていたのかを追うことになります。

21歳でがんになったときのこと

和さんは21歳という若さでステージIVの大腸がんを宣告されました。

普通なら、これから何十年も続くと思っていた人生です。

その前提が突然崩れます。

しかし原作の大きな特徴は、病気だけで人生を説明していないことです。

恋人との関係、結婚、子どもを持ちたいという願い。

病気になっても、和さんには病気以外の人生があります。

将一さんとの結婚

和さんの人生を語るうえで欠かせないのが夫・将一さんです。

がんが分かったとき、二人はまだ夫婦ではありませんでした。

それでも将一さんは和さんとの関係を続け、二人は結婚します。

結婚式は『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』の「結婚式の旅」で取り上げられました。

夫婦について詳しくは、遠藤和さんと夫・将一さんはどう出会った?結婚までの実話でも解説します。

妊娠と出産

原作の中でも大きな意味を持つのが、和さんの妊娠と出産です。

がんの治療を続けている和さんが子どもを望むことは、単純な話ではありませんでした。

夫の将一さんも反対します。

それでも和さんは「自分たちの子に会いたい」という思いを持ち続けました。

そして妊娠し、23歳で娘を出産します。

なぜそこまで出産を望んだのかについては、遠藤和さんはなぜ出産を決めた?で掘り下げます。

亡くなる10日前まで続いた日記

原作タイトルに「私の命の日記」とあるように、日記そのものが作品の中心です。

和さんは病状が悪化したあとも書くことを続けました。

そして亡くなる10日前まで日記を残しています。

だからこの本には、後から第三者が「和さんはこう思っていたのだろう」と解釈しただけではない強さがあります。

本人がその瞬間に感じていたことが、本人の言葉として残っているからです。

2021年の単行本と2026年の文庫版の違い

原作の単行本は2021年12月に小学館から発売されました。

その後、映画公開を迎える2026年に文庫化されています。

文庫版で大きく追加されたのが、特別寄稿「あの日から、僕らは」です。

約1万8000字にわたり、和さんが亡くなったあとの父と娘の5年間が綴られています。

これは非常に大きな追加要素です。

タイトルにある「ママがもうこの世界にいなくても」の「いなくなったあと」を読むことができるからです。

単行本と文庫版の違いについては、『私の命の日記』単行本と文庫版の違いは?でさらに詳しく比較します。

映画と原作は同じなの?

映画は遠藤和さんの原作をもとに制作されています。

ただし、映画と本では表現方法が違います。

原作では文章で描かれる心情を、映画では俳優の表情や会話、映像によって表現する必要があります。

また、一冊の本に書かれたすべての出来事を映画の上映時間内に収めることもできません。

そのため映画化では、出来事の取捨選択や再構成が行われる可能性があります。

具体的な違いについては映画公開後、『ママがもうこの世界にいなくても』映画と原作の違いで比較します。

映画を見る前に原作を読んでも大丈夫?

結末をまったく知らずに映画を見たい場合は、先に映画を見る方法もあります。

一方、この作品は実話であり、和さんが24歳で亡くなったこと自体は公式にも明らかにされています。

そのため「結末を知ったら作品の意味がなくなる」というタイプの物語ではありません。

むしろ和さんの人生を知ったうえで映画を見ることで、一つ一つの場面の意味を理解しやすくなる可能性があります。

原作『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』

これから原作を読むなら、父と娘の「その後の5年間」が追加された2026年の文庫版があります。

まとめ

『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』には原作があります。

ただし小説ではなく、遠藤和さん自身の日記をもとにした手記です。

21歳でのがん宣告、将一さんとの結婚、妊娠と出産、娘との生活、余命宣告、そして最後の日々。

映画が「和さんの人生を映像として見る作品」だとすれば、原作は和さん自身の言葉から、その人生に触れる本といえるでしょう。