※この記事では、映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』のモデルとなった遠藤和さんの実話について触れています。

映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』で、川口春奈さんが演じる主人公・和。

モデルとなったのは、実在した遠藤和(えんどう・のどか)さんです。

21歳でステージIVの大腸がん。

22歳で結婚。

23歳で出産。

そして24歳で亡くなりました。

こうして年齢だけを並べると、壮絶な闘病生活を送った女性という印象が強くなります。

しかし、原作『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』を知るうえで大切なのは、和さんを「若くしてがんで亡くなった人」だけで終わらせないことです。

この記事では、遠藤和さんがどんな人生を送った女性だったのかを整理します。

遠藤和さんは1997年青森県生まれ

遠藤和さんは1997年、青森県で生まれました。

後に夫となる将一さんと出会い、交際します。

この時点では、二人も普通の恋人同士でした。

ところが2018年、和さんが21歳のときに人生を大きく変える出来事が起こります。

21歳でステージIVの大腸がん

和さんに告げられた病名は大腸がん。

しかもステージIVでした。

21歳という若さです。

将来の予定を考える年代で、突然「自分の命には限りがあるかもしれない」という現実に向き合うことになります。

映画や原作の入口だけを見ると、このがん宣告が物語の中心に見えます。

しかし和さんの人生を見ると、むしろここから多くの選択をしています。

恋人だった将一さんは離れなかった

病気が分かった当時、将一さんはまだ夫ではありません。

交際中の恋人でした。

和さんががんになったことで、二人の将来は大きく変わります。

それでも将一さんは和さんとの関係を続けました。

そして二人は結婚します。

和さん22歳のときです。

二人の出会いから結婚までについては、遠藤和さんと夫・将一さんはどう出会った?結婚までの実話で詳しく紹介します。

結婚式は『笑ってコラえて!』でも紹介された

和さんと将一さんの結婚式は、日本テレビ系『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』の「結婚式の旅」で取り上げられました。

この放送をきっかけに、二人を知った人も多くいました。

しかし二人の人生は、結婚式で終わりません。

和さんには、もう一つ大きな願いがありました。

「自分たちの子どもに会いたい」

和さんは将一さんとの子どもを望みました。

がん治療中の和さんにとって、それは非常に大きな決断です。

将一さんは当初反対します。

妻の身体や命を考えれば、簡単に賛成できる話ではありません。

それでも和さんは子どもを望みました。

そして妊娠。

23歳で娘を出産します。

この決断は、和さんという人を理解するうえで重要な出来事です。

「死ぬかもしれないから何もしない」のではありません。

限られた人生だからこそ、自分が本当に望んでいるものを選ぼうとしたことが分かります。

なぜ和さんが出産を選んだのかは、遠藤和さんはなぜ出産を決めた?で詳しく掘り下げます。

23歳で「ママ」になる

娘が誕生し、和さんは母になります。

『ママがもうこの世界にいなくても』というタイトルを考えると、この出産には大きな意味があります。

和さんが子どもを持たなければ、そもそも「ママがもうこの世界にいなくても」という言葉は生まれません。

娘の誕生によって、和さんは妻だけではなく「ママ」になりました。

同時に、自分がいなくなったあとにも続いていく家族が生まれたことになります。

病気が進んでも日記を書き続けた

出産後も和さんの闘病は続きます。

2021年には余命を告げられました。

それでも和さんは日記を書き続けます。

娘との時間。

夫との時間。

病気への思い。

自分自身の気持ち。

その記録は、亡くなる10日前まで続きました。

最後の日記については、遠藤和さんはいつ亡くなった?亡くなる10日前まで書き続けた日記で詳しく取り上げます。

2021年9月8日、24歳で亡くなる

遠藤和さんは2021年9月8日に亡くなりました。

24歳でした。

ステージIVの大腸がんを宣告されてから、約3年間の闘病でした。

しかし、和さんの物語はここで完全に終わったわけではありません。

和さんの日記が一冊の本になる

和さんが残した日記は、2021年12月に『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』として小学館から出版されました。

そして2026年には文庫化。

文庫版には、将一さんと娘さんが過ごした「その後の5年間」を綴った約1万8000字の特別寄稿も追加されています。

原作について詳しくは、『ママがもうこの世界にいなくても』原作はある?で解説しています。

そして2026年、川口春奈主演で映画化

和さんが亡くなってから5年。

その人生が映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』として映像化されます。

和さん役は川口春奈さん。

将一さん役は高杉真宙さんです。

映画公式サイトには、夫・遠藤将一さんのコメントも掲載されています。

そこから分かるのは、この映画が単に「若くして亡くなった妻」を描くだけの作品ではないということです。

将一さんが映画を通して伝えてほしいと願っているのは、和さんという一人の人間が確かに存在したということです。

遠藤和さんは「かわいそうな人」だったのか

21歳でステージIVのがん。

24歳で死去。

事実だけを並べれば、どうしても「かわいそう」という言葉で見てしまいます。

しかし、それだけでは和さん本人が残した記録と少しずれてしまいます。

和さんは病気になったあとも結婚し、子どもを望み、娘を産み、家族と過ごしました。

病気によって選択肢を奪われながらも、残された選択肢の中で「自分はどう生きたいのか」を考え続けた女性だったといえます。

映画全体の内容は、映画『ママがもうこの世界にいなくても』ネタバレ解説|実話・あらすじ・結末で整理しています。

遠藤和さん本人が残した『私の命の日記』

和さんがどんな人だったのかを知るうえで、最も直接的な資料となるのが本人の日記です。

まとめ

遠藤和さんは1997年青森県生まれ。

21歳でステージIVの大腸がんを宣告され、22歳で将一さんと結婚、23歳で娘を出産し、2021年9月8日に24歳で亡くなりました。

ただし『ママがもうこの世界にいなくても』を見るときに知っておきたいのは、その年齢だけではありません。

病気になってからも結婚をし、母になることを望み、娘を育て、家族と生きたこと。

そして最後まで自分の言葉を日記に残したこと。

映画の中心にいるのは「24歳で亡くなった女性」ではなく、24年間を自分の人生として生きた遠藤和さんです。