※この記事にはNetflixシリーズ『ガス人間』最終回までの重大なネタバレがあります。

Netflix『ガス人間』で、主人公の刑事や記者とはまったく別の場所から事件へ飛び込んでくるのが、藤川華歩(広瀬すず)と藤川富士太(林遣都)の兄妹です。

最初は、

「このYouTuber兄妹は何のために出てきたの?」

と思った人もいるかもしれません。

しかし物語後半では、2人がいなければ三浦の陰謀を暴けなかったほど重要な存在になります。

結論から言うと、

2人はガス人間事件をネタに一攫千金を狙った動画配信者ですが、最終的には事件の真相を社会へ伝える役割を担います。

富士太と華歩は動画配信者の兄妹

2人は都市伝説系の動画チャンネルを運営しています。

主に表へ出るのは兄・富士太。

華歩は撮影や編集などを担当しています。

スタート時点では、決して有名な配信者ではありません。

むしろ、再生数を伸ばしたい「底辺動画配信者」として描かれます。

兄・富士太は目立ちたがり

富士太は、自分が有名になることへの欲があります。

ガス人間事件を見つけたときも、

「これをスクープにすれば一気に有名になれる」

と考えます。

そのため、かなり危険な場所にも自分から入っていきます。

妹・華歩は基本的に裏方

一方の華歩は、富士太の後ろで撮影や編集をしています。

顔にある大きな痣を気にしており、画面の前へ出ることには消極的です。

だから序盤では、

「目立ちたい兄」

「表へ出たくない妹」

という対照的な関係になっています。

第4話でガス人間を発見

2人が本格的に事件へ関わるのが第4話です。

地下アイドルグループのMVの背景に、ガス人間らしき姿が映り込んでいることを発見します。

Netflix公式第4話あらすじでも、富士太と華歩がその映像を見つけ、富士太が制作会社へ潜入しようとすると説明されています。

最初の目的は「真実」ではなく「再生数」

この時点で、富士太は正義のジャーナリストではありません。

ガス人間をスクープすれば再生数が稼げる。

有名になれる。

その気持ちがかなり強いです。

つまり報道記者の京子とは、事件へ関わる動機が全く違います。

しかし本物のガス人間と遭遇する

ところが2人は、本当にガス人間を目撃します。

都市伝説として扱っていた存在が、目の前の現実になります。

ここから2人の物語は、単なる再生数稼ぎではなくなります。

富士太は妹を何より大切にしている

富士太は軽薄に見える場面も多いですが、妹への気持ちは本物です。

林遣都自身もインタビューで、富士太の終盤の行動について、

「この世で一番大事な存在である妹を守るため」

という気持ちだけを考えて演じたと説明しています。

華歩も兄に強く依存していた

華歩にとっても、富士太は非常に大きな存在です。

兄と一緒に動画を作ることが、自分の世界でもありました。

富士太がいるから、自分は裏方でも社会とつながっていられる。

そんな関係です。

富士太はガス人間から華歩を守る

物語後半で、2人はガス人間に追い詰められます。

そして富士太は、華歩を守るために咄嗟の行動を取ります。

その結果、富士太はガス人間の攻撃を受け、命を落とします。

シネマトゥデイのインタビューでも、林遣都が「富士太の最期」について具体的に語っています。

華歩は川の中から兄の最期を見る

華歩は兄を助けることができません。

兄が自分を守って死ぬ場面を目撃します。

ここで華歩の人生は大きく変わります。

それまでの「兄の後ろにいる妹」ではいられなくなります。

富士太を失った華歩は一人で事件を追う

第7話以降、華歩は一人でガス人間事件を追います。

これはキャラクターとして大きな変化です。

兄がやっていたことを、今度は自分が引き継ぎます。

顔を隠していた華歩が自分で配信する

そして最終回。

華歩は自分で動画配信を行います。

これまで画面へ出ることを避けていた人物が、兄と同じように自らカメラの前へ立ちます。

しかもメイクや配信スタイルも、富士太を強く意識したものになっています。

この配信シーンは当初の台本になかった

広瀬すず本人のインタビューによると、最終話の華歩の配信シーンは、もともとの台本にはなかったそうです。

撮影直前に追加されました。

結果的に、

富士太の意志を華歩が引き継いだ

ことが非常に分かりやすく伝わる場面になりました。

富士太が残した映像が三浦の証拠になる

富士太は、ただスクープを追っていたわけではありません。

彼が残していた映像が、最終的に三浦の陰謀を暴く重要な証拠になります。

つまり富士太の「撮る」という行動が、死後も事件を動かします。

華歩がその映像を社会へ出す

映像があっても、世間へ出さなければ意味がありません。

そこで華歩が、兄の後を継いで情報を発信します。

序盤では再生数のためだった動画配信が、

最終回では権力者の嘘を暴くための武器に変わります。

兄妹の物語は「メディア」の物語でもある

『ガス人間』には、テレビ局JNTがあります。

京子はテレビの報道記者。

一方、富士太と華歩は個人の動画配信者です。

つまり本作には、

大手マスメディアと個人配信。

2種類の情報発信者が登場します。

最終的には、どちらも真相を社会へ伝えるために必要になります。

兄妹は旧作には登場しない

1960年の『ガス人間第一号』には、藤川兄妹にあたるキャラクターはいません。

Netflix版の完全オリジナルキャラクターです。

現代版へリブートする際に、

YouTubeやSNSによって個人が情報を拡散する時代

を物語へ取り込む役割を持っていたと考えられます。

Netflix『ガス人間』と『ガス人間第一号』の違い|登場人物・設定・結末を比較

華歩の変化が兄妹パートの本当のゴール

最初の華歩は、自分の顔を気にし、兄の後ろにいます。

しかし最後には、

兄を失う。

一人で事件を追う。

自分の顔を出して配信する。

という変化を遂げます。

だから兄妹の物語は、単なるサブキャラクターの寄り道ではありません。

華歩が自分自身の足で社会へ出ていく成長物語にもなっています。

まとめ

藤川富士太と藤川華歩は、都市伝説系動画チャンネルを運営する兄妹です。

最初はガス人間を利用して再生数を稼ごうと事件へ近づきます。

しかし本物のガス人間と出会い、権力者たちの陰謀へ巻き込まれていきます。

富士太は妹を守るために死亡。

その後、華歩が兄の意志と映像を引き継ぎ、自ら配信者として三浦の真相を社会へ伝えます。

つまり2人は、

「スクープで有名になりたい兄妹」から、「真実を世間へ届ける人間」へ変わっていった

のです。