※この記事にはNetflixシリーズ『ガス人間』第6話以降・最終回までのネタバレがあります。

Netflix『ガス人間』を見ていて、

「堤田蓮はどうしてガス人間になったの?」

と疑問に思った人も多いと思います。

ガス人間・堤田蓮(UTA)は、生まれつき特殊能力を持っていたわけではありません。

科学者が完成させた超能力者でもありません。

Netflix版では、

ホワイトセンターの人々が隕石落下現場の危険な作業へ投入されたこと

が、ガス人間誕生の原因になっています。

ここでは、蓮がなぜその作業へ参加したのか、隕石現場で何が起きたのか、そして1960年版との違いまで整理します。

Netflix版ガス人間の原因は「隕石」

Netflix版で蓮の身体が変化する直接的なきっかけは、隕石落下現場での作業です。

1999年、隕石に関係する危険な処理作業が行われます。

その現場へ送り込まれたのが、ホワイトセンターに関係する人々でした。

ホワイトセンターは弱い立場の人間を使っていた

ホワイトセンターは福祉施設を名乗っていました。

しかし実態は、社会的に弱い立場の人たちを危険な労働へ使う仕組みを持っていました。

幼い甲野京子(蒼井優)も、そこで過ごしていた一人です。

京子は、作業へ出された人たちが遺体となって運ばれてくる光景を目撃し、逃げ出します。

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京子は東京へ逃げ、蓮と出会う

逃げた京子はトラックに隠れ、東京までたどり着きます。

そこで出会ったのが蓮でした。

ブンコラーメンで京子を助けた蓮は、彼女にとって家族のような存在になります。

しかし、その出会いが後の悲劇へつながります。

蓮は京子を守ろうとした

蓮がホワイトセンターの危険な仕事へ関わることになった背景には、京子がいました。

京子を守るため、蓮は自分が危険な場所へ行くことを選びます。

つまり、

蓮がガス人間になった始まりには、京子を救おうとした行動があった

ということです。

隕石処理の「浄化作業」へ投入される

蓮は隕石落下現場での浄化作業へ送られます。

そこで行われていたのは、安全性が保証された普通の作業ではありません。

未知の物質や現象が存在する場所へ、弱い立場の人間を送り込む危険な作業でした。

蓮は隕石の近くで未知の現象に巻き込まれる

作業中、蓮は隕石の近くで異常な現象に遭遇します。

その影響で、身体が通常の人間とは違う状態へ変化。

肉体をガス状に変化させられる存在となります。

ここで重要なのは、

Netflix版では「人間をガス化する完成した科学実験」が行われたわけではない

という点です。

隕石に由来する未知の現象と、それを危険なまま処理させた人間側の行為が重なった事故でした。

蓮は助けを求めた

ガス化した蓮は、自分から怪物になろうとしたわけではありません。

異常が起きたあと、助けを求めます。

しかし関係者たちは、蓮を救う方向には動きませんでした。

自分たちの秘密や危険な作業の実態が明らかになることを恐れます。

現場は爆破される

そして現場は爆破されます。

これによって蓮の身体はガスとして周囲へ飛散します。

普通の人間なら死んでいる状況です。

ところが、すでに蓮は通常の肉体ではありませんでした。

ガスとして存在し続けることになります。

蓮はなぜ年を取らない?

ガス人間となった蓮は、27年後も若い頃の姿のまま現れます。

これは、通常の人間としての身体機能から外れた存在になったためと考えられます。

ただし、本編で「ガス化すると老化が停止する」と科学的に細かく説明されるわけではありません。

少なくとも作中では、ガス人間化した蓮が人間と同じように27年間老化した様子は描かれていません。

なぜ石像のようになる?

ガス人間には活動状態と活動停止状態があります。

活動していないときは、石像のような姿になります。

そして、思い出に関係する場所へガスが集まるという性質があります。

このルールは最終回の京子にも引き継がれます。

「いとしのエリー」で活動を始める

蓮にとって大切な曲が「いとしのエリー」です。

この曲が流れることが、蓮を活動状態へ戻す重要なトリガーになります。

大人になった京子が蓮を発見したあと、この仕組みを使ってガス人間を動かすようになります。

ガス人間になった後は「願い」を叶える存在になる

ガス人間となった蓮は、人間時代と同じ自由な意思で生活しているわけではありません。

曲によって目覚め、「願い」を実行する存在のようになります。

京子はその性質を利用し、ホワイトセンター関係者への復讐を始めます。

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だから蓮は「人体実験の成功例」ではない

Netflix版を簡単に、

「人体実験でガス人間になった」

と説明すると少し違います。

正確には、

弱い立場の人々を危険な隕石処理へ送り込む。

未知の現象によって蓮に異変が起きる。

事件を隠すため現場が処理される。

結果として蓮がガス人間として残る。

という流れです。

1960年版はガス人間になった理由が違う

ここは原作映画『ガス人間第一号』との大きな違いです。

1960年版では、ガス人間・水野(土屋嘉男)は、科学者の実験によってガス化できる身体になります。

宇宙旅行に耐えられる人間を作ろうとした研究の結果、特殊能力を持つ存在になりました。

一方、Netflix版は隕石と社会的弱者の搾取を組み合わせています。

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なぜ設定を変えた?

ここからは考察です。

Netflix版では、ガス人間誕生の原因を単なる科学実験ではなく、

弱者を危険な仕事へ使い捨てる社会構造

へ結びつけています。

片山慎三監督も、本作では「力の強い者と弱い者の関係性」を描きたいと語っています。

だから現代版の蓮は、偶然実験を受けた人物ではなく、社会の仕組みによって怪物へ変えられた人物になったのでしょう。

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ガス人間になったこと自体が蓮の悲劇

特殊能力を手に入れたと考えれば、ガス人間化は強さにも見えます。

しかし蓮にとっては違います。

普通に生きる身体を失う。

京子と暮らす未来を失う。

自分の意思で人生を選ぶこともできなくなる。

そして27年後には殺人の道具として使われます。

つまり能力ではなく、人生そのものを奪われた状態です。

最終回では京子までガス人間になる

最終回では、蓮だけでなく京子にも同じ運命が訪れます。

JNT旧社屋の金庫室で蓮とともに消えた京子は、1年後、白いガスとして賢治の部屋へ現れます。

制作側も、あのガスが京子であることを明かしています。

つまり、蓮を生み出した悲劇は、最後に京子へ引き継がれることになります。

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まとめ

堤田蓮がガス人間になった原因は、ホワイトセンターを通じて参加させられた隕石処理作業でした。

蓮は未知の現象に巻き込まれてガス状の身体となり、その後、現場ごと爆破されます。

それでも完全には消滅せず、ガス人間として存在し続けました。

重要なのは、蓮が自分から能力を求めたわけではないことです。

弱い立場の人間を危険な作業へ使い捨てた結果、ガス人間が生まれた。

だからNetflix版のガス人間誕生は、SF設定であると同時に、本作が描く社会構造そのものを象徴しているのです。