スパイダーマンのウェブは体から出る?機械?トビー・アンドリュー・トム版の違い
実写版スパイダーマンを見比べると、かなり分かりやすい違いがあります。
「あれ?トビー版だけ糸が体から出てない?」
という点です。
実際、トビー・マグワイア版は自分の身体から直接ウェブを出します。
一方、アンドリュー・ガーフィールド版とトム・ホランド版は、手首に装着したウェブ・シューターという機械からウェブを発射します。
では、なぜ同じスパイダーマンなのに違うのでしょうか。
この記事では、トビー版・アンドリュー版・トム版のウェブの仕組みと、原作コミックではどうなっているのかを整理します。
※この記事は実写『スパイダーマン』シリーズおよび『ノー・ウェイ・ホーム』の内容に触れています。
結論|トビー版だけ「体内生成」、アンドリュー版とトム版は「機械式」
まず結論から整理すると、3人の違いはこうなります。
| スパイダーマン | ウェブの仕組み |
|---|---|
| トビー・マグワイア版 | 身体から直接出す |
| アンドリュー・ガーフィールド版 | ウェブ・シューターを使用 |
| トム・ホランド版 | ウェブ・シューターを使用 |
つまり、トビー版だけが例外です。
しかも原作コミックの基本設定も、実はアンドリュー版・トム版に近い機械式ウェブ・シューターです。
Marvel公式も、原作のピーター・パーカーが自分で手首装着型のウェブ・シューターを設計・製作したと説明しています。
トビー版はどうやってウェブを出している?
2002年の『スパイダーマン』では、ピーターがクモに噛まれたあと、身体にさまざまな変化が起こります。
筋力が上がり、壁に張り付き、危険を察知できるようになるだけでなく、手首付近からウェブを直接出せるようになります。
ピーターは最初、自分の能力を確かめるように何度も手の形を変えながらウェブを出そうとします。
そして独特の指の形で腕を伸ばすと、糸が発射されます。
つまりトビー版では、ウェブは装備ではなく、クモに噛まれて得た身体能力のひとつです。
トビー版にはウェブ・シューターがない
トビー版の手首を見ても、アンドリュー版やトム版のような装置はありません。
ウェブの残量を補充するためにカートリッジを交換する場面もありません。
基本的には、自分の身体がウェブを作っています。
そのため、トビー版ではウェブを作る能力そのものがピーターの体調と結びついている描写もあります。
『スパイダーマン2』ではウェブが出なくなる
トビー版の設定がよく分かるのが『スパイダーマン2』です。
ピーターは精神的に追い詰められ、スパイダーマンとして生きることに迷い始めます。
すると壁に張り付く能力などとともに、ウェブまで突然出なくなります。
機械が壊れたわけではありません。
ピーター自身の心身の状態に能力が左右されています。
この描写からも、トビー版のウェブが身体能力そのものであることが分かります。
アンドリュー版は機械式ウェブ・シューター
2012年の『アメイジング・スパイダーマン』では、設定が大きく変わります。
アンドリュー版ピーターもクモに噛まれ、
- 超人的な筋力
- 高い敏捷性
- 壁に張り付く能力
- 危険を察知する能力
などを得ます。
しかし、身体からウェブが出る能力はありません。
そこでピーターは自分で手首に装着するウェブ・シューターを作ります。
アンドリュー版は「頭の良さ」まで能力の一部として描く
ここはアンドリュー版の重要な特徴です。
スパイダーマンの強さは、クモに噛まれて得た能力だけではありません。
ピーター本人が非常に頭が良く、科学技術を使って不足している能力を補っています。
つまり、
クモの能力+ピーター自身の科学力
によってスパイダーマンが完成しているわけです。
これは原作コミックのピーターにも近い考え方です。
トム版もウェブ・シューターを自作している
トム・ホランド版も基本的にはアンドリュー版と同じです。
ウェブは身体から直接出ません。
ピーター自身が作ったウェブ・シューターを使っています。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でトニー・スタークがピーターの部屋を訪ねた時点で、ピーターはすでに自作の装置を使ってスパイダーマンとして活動しています。
つまり、ウェブ・シューター自体をトニーに作ってもらったわけではありません。
トニーが作ったのは高性能スーツ
ここは混同しやすいところです。
トム版にはスターク製の高性能スーツが登場するため、
「ウェブも全部アイアンマンが作ったのでは?」
と思うかもしれません。
しかしピーターはトニーと出会う前から、自分でウェブと装置を作っています。
トニーが与えたのは、それをさらに発展させる高性能なスーツです。
スターク製スーツには多くのウェブ・モードが搭載され、ピーターの戦い方を大きく広げています。
▶ トム・ホランド版スパイダーマンはなぜアイアンマンと深く関わる?MCU独自設定を解説
原作コミックではウェブは体から出る?
原作コミックの基本設定では、機械式です。
Marvel公式は、ピーター・パーカーがクモの能力を得たあと、自分で2つの手首装着型ウェブ・シューターを設計・製作したと説明しています。
さらにウェブ・シューターはピーター本人が作った特殊な液体を発射し、空気に触れることでウェブ状に固まる仕組みです。
つまり原作の基本形では、
クモに噛まれたから糸まで自動的に出るわけではありません。
ウェブを出せるのは、ピーター本人がウェブ・シューターを発明したからです。
ではアンドリュー版とトム版の方が原作に近い?
ウェブの仕組みだけを比較すれば、アンドリュー版とトム版の方が原作コミックの基本設定に近いです。
原作でも、
- 手首に機械を装着する
- 人工的なウェブを使用する
- ピーター自身の科学力が重要
という要素があります。
一方、トビー版はウェブ能力までクモの変異に含めた映画独自の設定です。
ただし原作コミックにも時期によってピーターが有機ウェブを持ったことはあるため、原作では一度も体から糸が出たことがないと断定するのも正確ではありません。
原作でもピーターが体からウェブを出した時期がある
原作コミックは長い歴史があり、ピーターの能力も時期によって変化しています。
通常は機械式ウェブ・シューターですが、2000年代には身体変化によって有機的にウェブを生成できる時期もありました。
そのため、
「原作=絶対に機械式」
と考えるのも少し違います。
ただしキャラクターの伝統的・基本的な設定としては、Marvel公式が現在も説明している通りピーターが発明したウェブ・シューターです。
そもそもなぜトビー版だけ設定を変えた?
ここは次の記事で詳しく扱いますが、サム・ライミ版では、ピーターがクモに噛まれたことでより直接的に「クモのような身体」へ変化したことを分かりやすく見せるため、ウェブも身体能力として設定されました。
結果として、装置を発明する説明を入れなくても、
クモに噛まれる
↓
クモのような能力を得る
↓
糸も出せる
という非常に直感的な流れになっています。
▶ なぜトビー版スパイダーマンだけ糸を体から出せる?原作との違いを解説
『ノー・ウェイ・ホーム』ではこの違いが公式にネタにされる
3人のウェブ設定の違いは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも描かれます。
トム版とアンドリュー版は、トビー版がウェブを身体から直接出していることを知って驚きます。
2人にとってウェブは機械で撃つものだからです。
そこでトビー版に、
「どうやって出しているの?」
というような質問をします。
3つの映画シリーズが長年別々に作られてきたからこそ生まれた設定差を、『ノー・ウェイ・ホーム』では消さずにそのまま笑いへ変えています。
▶ 『ノー・ウェイ・ホーム』でなぜトビーとアンドリューが戻ってきた?マルチバースを解説
ウェブ・シューター方式には弱点もある
機械式には、体内生成にはない弱点があります。
装置なので、
- 壊れる
- ウェブを使い切る
- 補充が必要になる
- 装置を失えば撃てなくなる
可能性があります。
アンドリュー版では、ウェブ・シューターという機械を使っていること自体が戦闘上の弱点になる場面もあります。
一方トビー版は装置がありません。
ただし身体能力なので、『スパイダーマン2』のように本人のコンディションによって出なくなることがあります。
つまり、どちらにも弱点があります。
ウェブ・シューターはどうやって発射する?
原作のウェブ・シューターについてMarvel公式は、手首に装着し、手のひら側にあるスイッチへ指で圧力をかけることで作動すると説明しています。
そのためスパイダーマンがウェブを撃つときの有名な手の形にも意味があります。
中指と薬指を折り込むような形にすることで、手のひら側のトリガーを操作します。
映画によって細かなデザインは異なりますが、アンドリュー版・トム版もこの原作の発想を取り入れています。
ウェブは本物のクモの糸?
アンドリュー版・トム版・原作では、一般的な意味での天然のクモの糸そのものではありません。
ピーターが利用・開発した特殊なウェブ素材を装置から発射します。
Marvel公式の原作設定では、ピーターが作った特殊な液体が空気に触れることで固まり、ウェブになります。
しかも使用目的によって、ウェブの形や太さを変えることができます。
移動だけではなく、
- 敵を拘束する
- 物を引っ張る
- 落下する人を助ける
- 大きな物体を支える
- 簡単な道具のように使う
など、さまざまな用途があります。
ウェブはずっと残るの?
原作コミックの基本設定では、ウェブは永久に残りません。
Marvel公式では、ピーターのウェブは一定時間が経過すると溶解していく設定になっています。
これは街中に大量のウェブを残さないためにも合理的な設定です。
映画では作品ごとに細かな性質の説明は異なりますが、原作ではかなり具体的にウェブの仕組みが設定されています。
トビー版のウェブには残量がないの?
映画ではウェブ液のカートリッジを補充する設定はありません。
その意味では、アンドリュー版やトム版のような「弾切れ」とは仕組みが違います。
しかし身体が作っている以上、完全に無制限と断定できるわけでもありません。
映画ではウェブの生成量の上限などは明確に説明されていません。
『スパイダーマン2』では精神状態によってウェブが出なくなるため、少なくともピーター本人の身体状態に依存していることは分かります。
3人の違いをもう一度整理
トビー・マグワイア版
- 身体から直接ウェブを生成
- ウェブ・シューターなし
- クモに噛まれて得た能力のひとつ
- 体調や精神状態の影響を受ける描写がある
アンドリュー・ガーフィールド版
- 機械式ウェブ・シューター
- ピーター自身の科学力が重要
- 装置なので破損などの弱点がある
- 原作の基本設定に近い
トム・ホランド版
- 機械式ウェブ・シューター
- トニーと出会う前からピーター自身が開発
- スターク製スーツで機能が大幅に拡張
- 原作の基本設定に近い
どの設定が一番「スパイダーマンらしい」?
これは好みが分かれるところです。
トビー版は、クモに噛まれた結果として糸まで身体から出るため、能力として非常に分かりやすい設定です。
一方でアンドリュー版・トム版は、クモの力だけではなくピーター本人の科学者としての才能まで必要になります。
原作ではピーターの頭の良さも重要なキャラクター性なので、その点ではウェブ・シューター方式にも大きな意味があります。
どちらが正しいというより、それぞれの映画が「ピーター・パーカーらしさ」を違う方法で表現したと考えると分かりやすいでしょう。
▶ トビー版・アンドリュー版・トム版スパイダーマンは何が違う?能力・性格・世界観を比較
まとめ|原作の基本は機械式、トビー版だけ映画独自の体内生成
実写版スパイダーマンのウェブは、3人とも同じ仕組みではありません。
トビー版は身体から直接ウェブを出します。
一方、アンドリュー版とトム版は手首に装着したウェブ・シューターを使います。
そして原作コミックのピーター・パーカーも、基本的には自分で開発したウェブ・シューターを使っています。
Marvel公式でも、ピーターが2つの手首装着型ウェブ・シューターを自ら設計・製作し、自作のウェブ液を発射する設定が説明されています。
そのため原作の基本設定に近いのは、アンドリュー版とトム版です。
ただし原作にも一時的に有機ウェブを持った時期があるため、長いコミック史全体を見れば例外もあります。
そして『ノー・ウェイ・ホーム』では、この設定の違いそのものが3人の会話のネタになりました。
同じスパイダーマンなのに、糸の出し方まで違う。
それぞれ別世界のピーターであることが、とても分かりやすく表れている違いのひとつです。
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