※この記事には実写映画『ルックバック』の結末までネタバレがあります。

『ルックバック』を見終わって、

「途中までは分かったけど、最後の別世界みたいな場面が分からない」

「結局、何を描いた映画だったの?」

と思った方もいるのではないでしょうか。

物語を一言で言えば、

漫画を通して出会った二人の少女が、一緒に夢を追い、別々の道へ進み、そして一人が大切な相手を失っても描き続ける物語。

です。

超簡単に言うとこういう話

藤野という漫画好きの少女がいる。

↓

自分より絵のうまい京本に嫉妬する。

↓

でも実際に会うと、京本は藤野の漫画の大ファンだった。

↓

二人で漫画を描くようになる。

↓

大人になるにつれ、進む道が分かれる。

↓

京本が突然の事件で亡くなる。

↓

藤野は「自分が京本を外へ連れ出したせいだ」と後悔する。

↓

「もし二人が出会っていなかったら」という別の可能性が描かれる。

↓

藤野は、京本にとって二人で過ごした時間が大切だったことに気づく。

↓

再び漫画を描く。

これが基本です。

藤野はなぜ京本を嫌っていた?

最初から嫌いだったわけではありません。

会ったこともありません。

ただ、藤野はそれまで、

「自分は絵がうまい」

と思っていました。

そこへ学校にも来ていない京本の圧倒的な絵が突然現れます。

藤野にとって京本は、自信を壊した相手だったのです。

なぜ藤野はそこまで練習した?

負けたくなかったからです。

もっと絵がうまくなれば、また自分が一番になれる。

そう考えて描き続けます。

しかし努力しても差は簡単には縮まりません。

藤野はついに漫画をやめてしまいます。

二人が出会うと関係が逆転する

卒業証書を届けに京本の家へ行った藤野。

そこで初めて直接会います。

すると京本は、藤野を敵だとは思っていません。

むしろ、

藤野の4コマ漫画をずっと楽しみにしていた。

という大ファンでした。

藤野はなぜ嬉しかった?

自分より絵がうまいと思っていた相手が、

自分の漫画を好きだと言ってくれた。

からです。

絵の技術だけではなく、漫画そのものを認めてもらえた。

その喜びで藤野は創作へ戻ります。

そこから二人で漫画を描く

藤野は人物や話。

京本は背景。

二人の得意分野を組み合わせて作品を作ります。

やがて作品が評価され、漫画家としての道が見えてきます。

▶ 実写映画『ルックバック』藤野と京本はなぜ一緒に漫画を描いた?役割分担を解説

どうして二人は離れた?

喧嘩したからではありません。

京本が美術大学で絵を学びたいと思ったからです。

藤野は漫画家として進む。

京本は美術を学ぶ。

成長したことで、やりたいことが少しずつ違ってきただけです。

京本が亡くなる

その後、京本は進学先で起きた事件に巻き込まれ、命を落とします。

藤野にとって突然すぎる別れです。

ここから映画の雰囲気は大きく変わります。

藤野はなぜ自分のせいだと思った?

藤野が京本と出会ったきっかけは、卒業証書を届けに行ったことでした。

そして藤野の4コマが、京本を部屋の外へ出すきっかけにもなりました。

そのため藤野は、

「私が漫画を描かなければ、京本は外へ出なかった」

「外へ出なければ、美大にも行かなかった」

「美大へ行かなければ死ななかった」

と考えてしまいます。

しかしこれは、悲しみの中で過去へ原因を探している状態です。

▶ 実写映画『ルックバック』藤野はなぜ自分を責めた?「漫画を描かなければ」の意味

最後の別世界みたいな場面は何?

ここが最も分かりにくい部分です。

映画は、

「もし藤野と京本が小学生の時に出会っていなかったら」

という別の可能性を見せます。

京本は別の人生を歩きます。

そして二人は、別の形で出会います。

本当にパラレルワールド?

映画は断定していません。

本当に別の世界が存在したと見ることもできます。

一方で、藤野が、

「もしあの時こうしていれば」

と考える心の中の世界と解釈することもできます。

海外レビューでも、終盤は明確な現実とは異なる「別の可能性」を示す抽象的な展開として評価されています。

▶ 実写映画『ルックバック』別世界のような場面は何?パラレルワールドなのか考察

じゃあ京本は生き返った?

現実の京本が生き返ったわけではありません。

最終的に藤野が生きているのは、京本が亡くなった元の世界です。

だからこの作品は、

過去をやり直してハッピーエンドにする話ではありません。

それでも別世界を描いた意味

もし出会わなければ京本は助かったかもしれない。

しかし同時に、

二人で漫画を描いた時間。

外へ出た時間。

一緒に笑った時間。

それもなくなります。

藤野は最後に、

出会ったことそのものが間違いだったわけではない。

というところへ戻ってきます。

4コマ漫画は何だった?

4コマは、二人が最初につながったものです。

そして最後にも二人をつなぎます。

最初から最後まで、

言葉ではなく漫画が二人を結びつける。

構造になっています。

▶ 実写映画『ルックバック』4コマ漫画の意味|ドアの下から出てきた紙は何だった?

なぜ最後に藤野はまた描いた?

漫画を描いたことが京本を死なせたのではありません。

むしろ漫画があったから、二人は出会えました。

京本は藤野の漫画を楽しみにしていた。

藤野も京本と一緒に描くことで漫画家になった。

だから藤野は、

京本との時間まで否定することをやめる。

そして机へ戻ります。

タイトル「ルックバック」も最後に分かる

「Look Back」は、

過去を振り返る。

という意味があります。

藤野は、京本と出会った日から別れまでを振り返ります。

しかし最終的には過去に留まらず、もう一度前を向いて描きます。

まとめ|過去を変える話ではなく、過去を受け入れる話

『ルックバック』を簡単にまとめると、

漫画で出会った二人。

一緒に夢を追う。

違う道へ進む。

京本が突然亡くなる。

藤野が自分を責める。

「もし出会わなかったら」を想像する。

それでも二人が出会った時間には意味があったと気づく。

藤野が再び描く。

という物語です。

つまり、

「過去をやり直すこと」ではなく、「振り返った過去を抱えたまま先へ進むこと」

を描いた作品だと考えると分かりやすいです。


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