※この記事には、Netflixシリーズ『九条の大罪』と原作漫画の内容に触れるネタバレがあります。

Netflixシリーズ『九条の大罪』は、真鍋昌平さんの同名漫画を原作としています。

九条間人(柳楽優弥)や烏丸真司(松村北斗)、壬生憲剛(町田啓太)など、原作の中心人物や大きなテーマは受け継がれています。

一方で、原作をそのまま一コマずつ映像化した作品ではありません。

Netflix版ではエピソードの構成を組み替えたり、人物の感情を原作より前面に出したり、九条法律事務所の設定そのものを変更したりしています。

この記事では、Netflix版と原作漫画の主な違いを整理します。

Netflix版は原作をそのまま並べたドラマではない

まず重要なのは、Netflix版が原作漫画を巻数順・話数順にそのまま映像化しているわけではないことです。

原作には複数の事件やエピソードがあります。

ドラマ版では、全10話という一つのシリーズとして成立させるために、エピソードを選び、人物関係や物語の流れを再構成しています。

そのため、

「原作○巻=ドラマ○話」

とすべてを一対一で対応させることはできません。

『九条の大罪』原作はどこまでドラマ化された?Netflix版の対応範囲を解説

違い① 九条法律事務所の設定が変わっている

これはNetflix公式が明確に公表している変更点です。

原作漫画の九条法律事務所は、普通の雑居ビルの一室にあります。

一方、Netflix版では、もともとナイトパブだった場所を居抜きで借りて法律事務所にしているという設定に変更されています。

室内にはバーの名残を感じさせる独特の雰囲気があります。

一般的な法律事務所とは違う空間にすることで、九条という弁護士の異質さが視覚的にも伝わりやすくなっています。

ドラマ版の九条法律事務所は墨田区の設定

Netflix公式によると、ドラマ版の九条法律事務所は墨田区にある設定です。

ただし実際の屋上ロケは横浜で行われています。

室内は緑山スタジオに作られたセットです。

原作の雰囲気を残しながらも、映像作品として印象に残る九条法律事務所へ作り替えられています。

違い② 原作より人物の感情が前に出ている

Netflix版の大きな特徴が、人物の感情をかなり丁寧に見せていることです。

原作漫画は、事件や登場人物を少し距離を置いた視点から描く場面が多くあります。

一方、実写版では俳優の表情、視線、沈黙を使って感情を見せています。

この違いは、悪徳介護施設をめぐるエピソードなどでも分かりやすく表れています。

原作よりも依頼人の感情にカメラを寄せることで、ヒューマンドラマとしての色が強くなっています。

原作者も実写ならではの「息遣い」を評価

原作者の真鍋昌平さん自身も、Netflix版について高く評価しています。

実際の俳優が演じることで、漫画では描き切れない息遣いや目線によって感情を表現できるという趣旨のコメントをしています。

つまりNetflix版は、原作を忠実に再現するだけでなく、実写だからできる感情表現を加えた作品になっています。

違い③ 九条と烏丸の「バディ感」がより強い

Netflix版では、九条と烏丸の関係が非常に大きな軸になっています。

Netflix公式も2人を「正反対な弁護士」のバディとして紹介しています。

原作にももちろん2人の関係はありますが、ドラマ版では全10話を通じて、

烏丸が九条をどう見るのか。

九条が烏丸によってどう変化するのか。

という部分が一本の長いドラマとして整理されています。

『九条の大罪』烏丸真司はなぜ九条の事務所に入った?2人の関係を解説

違い④ エピソードの順番やつながりが再構成されている

原作は連載漫画なので、それぞれの事件が独立した章として描かれます。

Netflix版では全10話を一気に観るシリーズとして作られているため、事件と人物関係がより連続的につながるよう再構成されています。

九条と烏丸。

壬生と京極。

嵐山と娘の事件。

それぞれの物語を並行して進めることで、シリーズ後半へ向かって一つの大きな流れになるように作られています。

違い⑤ 原作のエピソードを取捨選択している

原作漫画はNetflix版制作時点ですでに多数のエピソードが存在していました。

10話のドラマにすべて入れることはできません。

そのためドラマ版では、飲酒運転によるひき逃げ、違法薬物、介護施設など、九条という弁護士の特徴や作品テーマが伝わりやすい事件を選んで映像化しています。

さらに、それぞれを単独の事件で終わらせず、主要人物たちの成長や対立へつながるよう組み直しています。

違い⑥ ブラサンの見た目も少し違う

細かい変更点として、壬生の周辺にいる犬・ブラサンにも違いがあります。

Netflix公式のトリビアによると、原作のブラサンは垂れ耳ですが、ドラマ版では立ち耳になっています。

さらにドラマ版では、ゴールドの首輪が特徴として追加されています。

ストーリーには大きく影響しませんが、原作ファンが見比べると気づける変更点です。

違い⑦ 映像では街そのものが重要な要素になっている

漫画ではコマの中に描かれていた街が、実写になることで強い存在感を持っています。

Netflix版では、少し荒れた街並みや雑居ビル、工場、道路などを映すことで、「今の日本のどこかで本当に起きていそう」という感覚を強めています。

このリアリティは、実写化によって大きく加わった部分です。

逆に変えていないものは?

設定変更はありますが、作品の根本は大きく変えていません。

九条が、世間から嫌われる犯罪者でも依頼人として守る。

烏丸がその姿に疑問を持つ。

法律上の正しさと、人間としてのモラルがぶつかる。

この中心テーマは原作からNetflix版へしっかり受け継がれています。

Netflix版は原作より「救い」が強い?

これは作品を見比べたときに感じやすい違いです。

原作には、人間や社会をかなり乾いた視点で描く場面があります。

Netflix版では、同じ出来事でも人物の表情や会話を追加することで、その人物の悲しみや救いを感じやすくしています。

原作の厳しさを消しているわけではありませんが、ドラマ版は人間同士の関係に少し強く光を当てた作品になっています。

原作ファンでも展開を楽しめる理由

原作者の真鍋昌平さんは、もともと自分が考えた話なのに、ドラマを観ながら「次はどうなるんだろう」と感じたという趣旨のコメントをしています。

これはNetflix版が、原作のストーリーを知っている人でも新鮮に観られるよう再構成されていることを示しています。

原作を知っているから先がすべて分かるドラマではありません。

まとめ|Netflix版は原作の核を残して再構成した実写版

Netflix版『九条の大罪』は、原作漫画の設定や事件をベースにしています。

しかし、九条法律事務所の設定変更、人物の感情描写、エピソードの順番、九条と烏丸のバディ関係など、実写シリーズとして成立させるための変更も多く加えられています。

大きく変わっていないのは、「法とモラルの境界」という作品の核心です。

原作とドラマのどちらかが正解というより、同じ物語を漫画と実写という異なる方法で描いた作品として比べると楽しみやすいです。

『九条の大罪』を原作漫画で読みたい方へ

Netflix版から原作を読むと、事務所の違いやエピソードの順番、人物の描き方など、さまざまな発見があります。

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