『赤い指』加賀恭一郎と父・隆正はなぜ疎遠だった?親子関係を解説
※この記事には、スペシャルドラマ『赤い指〜「新参者」加賀恭一郎再び!』の結末までのネタバレがあります。
2011年のスペシャルドラマ『赤い指』では、前原家の殺人事件と並行して、加賀恭一郎と父・加賀隆正の物語が描かれます。
隆正は病院で闘病しているにもかかわらず、恭一郎はほとんど見舞いに来ません。
従弟の松宮脩平から見れば、かなり冷たい息子に見えます。
なぜ加賀恭一郎と父・隆正は疎遠になっていたのでしょうか。
結論からいうと、二人の間には恭一郎の母をめぐる深いわだかまりがありました。
恭一郎は、仕事を優先し家庭を顧みなかった父に対して、母を追い詰めた責任があると感じていたのです。
この記事でわかること
- 加賀恭一郎と父・隆正はなぜ疎遠だったのか
- 恭一郎の母に何があったのか
- 隆正は本当に家族を愛していなかったのか
- なぜ恭一郎は病院へ見舞いに行かなかったのか
- 将棋が親子をどうつないでいたのか
加賀隆正は恭一郎の父で元刑事
加賀隆正(山崎努)は、加賀恭一郎の父です。
TBS公式でも、隆正は元刑事で、スペシャルドラマ版では闘病生活を送っている人物として紹介されています。
松宮脩平にとっては伯父にあたり、松宮が刑事を目指したことにも隆正の存在が大きく関わっています。
しかし実の息子である恭一郎との関係は、非常に距離があります。
恭一郎が父を許せなかった理由は母にある
恭一郎と隆正の確執を理解するうえで重要なのが、恭一郎の母です。
隆正は刑事として仕事を優先し、家庭に十分向き合ってきませんでした。
母は家庭の中で苦しみ、やがて夫と息子のもとを離れます。
その後、恭一郎は母が孤独な最期を迎えたことを知ります。
恭一郎にとって、
「父が家庭を顧みなかったことが、母を追い詰めた」
という思いが残りました。
これが、父へ素直に近づけない大きな理由です。
恭一郎は母を失った責任を父に感じていた
隆正が直接、母を捨てたという単純な話ではありません。
しかし隆正は刑事の仕事に没頭し、妻が家庭や周囲との関係で苦しんでいることに十分気づけませんでした。
恭一郎からすれば、それは父親として、夫としての責任を果たしていないように見えます。
そして母が家族を離れ、孤独の中で亡くなったことが、恭一郎の中に消えないわだかまりを残します。
隆正自身も自分の責任を理解していた
一方、隆正は自分に何も責任がないと思っていたわけではありません。
自分が妻を苦しませた。
家族を守れなかった。
その後悔を抱えています。
だからこそ、自分の最期についても、ある考えを持つようになります。
「自分も一人で死ぬ」
という考えです。
それは、孤独な最期を迎えた妻への後悔とつながっています。
恭一郎が見舞いに行かないのは冷たいからではない
ドラマ序盤だけを見ると、恭一郎は病気の父を放置しているように見えます。
松宮も、伯父・隆正を慕っているだけに、恭一郎の態度へ不信感を持ちます。
しかし物語の終盤で、見え方が変わります。
恭一郎が父の病室へ行かなかったのは、単に嫌っていたからではありません。
隆正本人が望んだ最期を尊重していたという事情があります。
▶ 『赤い指』加賀の父・隆正はなぜ息子に会おうとしなかった?
実は恭一郎は父を完全に切り捨てていなかった
さらに重要なのが、隆正が楽しみにしている将棋です。
病院では看護師の金森登紀子(田中麗奈)が隆正の将棋相手になっています。
しかし物語の最後に、別の事実が明らかになります。
金森が指していた手は、恭一郎が離れた場所から伝えていたものだったのです。
つまり恭一郎は、病室へ直接顔を出してはいません。
それでも父との将棋を続けていました。
将棋は「会わない親子」をつないでいた
ここが加賀親子の関係で最も印象的なところです。
普通なら、父を思うなら病室へ行く。
会話をする。
手を握る。
そう考えます。
しかし恭一郎と隆正は、そんな分かりやすい親子ではありません。
長年のわだかまりがあり、簡単に「仲直り」という形にはできない。
それでも将棋を通じてつながっています。
距離を置くことと、相手を思っていないことは同じではない。
スペシャルドラマ版は、それを加賀親子で描いています。
前原家との対比が重要
『赤い指』では二つの家族が描かれます。
前原家は、一緒に暮らしています。
しかし家族同士が本当の意味で向き合っていません。
直巳を守るために嘘をつき、最後には政恵を犠牲にしようとします。
一方、加賀と隆正は離れています。
しかし見えないところで相手を思っています。
「一緒にいる=家族がつながっている」わけではない。
「会わない=愛情がない」わけでもない。
この対比が、作品の「家族」というテーマを深くしています。
松宮はなぜ恭一郎を誤解していた?
松宮は隆正を慕っています。
だからこそ、病気の父へ会いに来ない恭一郎に腹を立てます。
松宮には、恭一郎と隆正の間にどんな約束や過去があるのか分からないからです。
しかし最終的に事情を知ることで、恭一郎の行動が冷たさだけではなかったと理解します。
この経験は、松宮と恭一郎の距離が変わっていくきっかけにもなっています。
加賀は父を許したの?
ここからは考察です。
作品は、恭一郎が隆正へ、
「全部許した」
と明確に告げる形では終わりません。
長年の親子の問題が、一度の出来事ですべて消えるわけではないからです。
ただし将棋を続けていたこと、最期の時間を父の意思どおりにしたことから、恭一郎が父を完全に拒絶していたわけではないことは分かります。
言葉にはしないままでも、父を理解しようとしていた。
その複雑な距離感が、加賀恭一郎らしい親子関係です。
まとめ|加賀と父が疎遠だったのは母をめぐる深い確執があったから
加賀恭一郎と父・隆正が疎遠だった大きな理由は、恭一郎の母をめぐる過去です。
隆正が仕事を優先して家庭を顧みなかった結果、母は家庭を離れ、孤独な最期を迎えました。
恭一郎は、その責任を父に感じていました。
しかし、父を完全に切り捨てていたわけではありません。
病室へ顔を出さなくても、看護師・金森を通して将棋を続けています。
会えないほど深いわだかまりがありながら、それでも親子のつながりは残っていた。
前原家の事件とは別の形で「家族とは何か」を描いているのが、加賀親子の物語です。
加賀親子の物語を原作で読みたい方へ
原作『赤い指』では、前原家の事件だけでなく、加賀と隆正の距離感も重要なもう一つの物語として描かれています。
最後の将棋まで含めて親子の関係をじっくり追いたい方は、原作文庫でも確認できます。
阿部寛×山崎努の親子を映像で見たい方へ
スペシャルドラマ版では、阿部寛さん演じる恭一郎と山崎努さん演じる隆正の関係が、『新参者』につながる重要なエピソードとして描かれています。
直接会わない親子がどのようにつながっていたのかを映像で見たい方は、TSUTAYA DISCASの宅配レンタルでも確認できます。
