『オデュッセイア』結局どんな話だった?難しかった人向けに物語を最初から簡単に解説
※この記事には映画『オデュッセイア』の物語全体についてネタバレがあります。
映画『オデュッセイア』を見終わって、
「登場人物や神々が多くて、結局どんな話だったのか分からなくなった」
という方もいると思います。
ですが、細かい怪物や神話の名前をいったん外すと、物語はかなりシンプルです。
戦争へ行った王オデュッセウスが、長い年月をかけて妻と息子のいる家へ帰ろうとする話。
基本はこれだけです。
この記事では各冒険を細かく追わず、初めて見る方でも理解できるように、物語を5つの段階に分けて整理します。
結論|『オデュッセイア』は「家へ帰れなくなった父親の物語」
主人公オデュッセウスは、イタカという国の王です。
妻はペネロペ。
息子はテレマコス。
オデュッセウスはトロイア戦争へ参加したため、家族のもとを長期間離れます。
戦争が終われば帰れるはずでした。
ところが、帰り道でも次々と問題が起きます。
その結果、
戦争約10年+帰還約10年。
合計約20年間、故郷へ戻れません。
①まず「戦争へ行った」と覚えればいい
物語の前提にあるのがトロイア戦争です。
オデュッセウスはギリシャ側として戦います。
ここで細かな武将や戦争の経緯まで覚える必要はありません。
重要なのは、
オデュッセウスは家族を残して長い戦争へ行っていた。
ということです。
そして戦争が終わったところから、今度は「帰る物語」が始まります。
②帰り道が異常に長くなる
故郷イタカへ向かったオデュッセウスですが、すぐには帰れません。
航海の途中で怪物、神々、魔術、誘惑など、さまざまな問題に遭遇します。
一つ一つの名前を覚えなくても、
「帰ろうとするたびに問題が起き、旅が長引いていく」
と考えれば大丈夫です。
なぜ帰還に約10年もかかったのかは、こちらの記事で時系列に整理しています。
▶ 『オデュッセイア』なぜ10年も帰れなかった?オデュッセウスの旅を時系列で解説
③旅をするほど仲間が減っていく
最初、オデュッセウスは一人ではありません。
多くの仲間と船で帰還を目指しています。
しかし危険な航海の中で仲間を失っていきます。
つまり物語は、
大勢で始まった帰還が、最後には一人の帰還へ変わっていく。
構造になっています。
この変化を押さえておくと、途中に怪物が何体出てきても物語を見失いにくくなります。
④その間、故郷も変わっている
オデュッセウスだけに20年が流れたわけではありません。
イタカでも同じだけ時間が過ぎています。
妻ペネロペは夫を待ち続けています。
息子テレマコスは幼い子どもから青年へ成長します。
さらに、
「オデュッセウスはもう死んだのではないか」
と考える男たちが、ペネロペとの結婚を望んで宮殿へ集まります。
つまりオデュッセウスは、ただ昔の家へ帰ればいいわけではありません。
帰る場所そのものが20年前とは変わっている。
のです。
⑤最後は「家へ帰ったあと」の問題になる
オデュッセウスは長い航海の末、ようやくイタカへ帰ります。
しかし帰還しただけでは終わりません。
宮殿には求婚者たちがいます。
家族も長い年月を別々に生きてきました。
そのため終盤では、
「家へ帰れるか」
から、
「帰ったあと、失われた家族や居場所をどう取り戻すか」
へ問題が変わります。
怪物は何のために出てくる?
キュクロプス。
セイレーン。
スキュラ。
カリュブディス。
名前だけ見ると複雑ですが、初心者向けに考えるならすべてを暗記する必要はありません。
これらはそれぞれ、
オデュッセウスが家へ帰ることを難しくする試練。
です。
怪物ごとの詳しい設定は、気になったものだけ後から調べれば十分です。
神々は何をしている?
神々についても、まずは二つの方向だけ覚えると分かりやすいです。
アテナ:オデュッセウスを助ける側。
ポセイドン:オデュッセウスの帰還を妨げる側。
実際にはもっと複雑ですが、物語を初めて理解する段階ではこれで十分です。
▶ 『オデュッセイア』登場人物・神々の相関関係を初心者向けにわかりやすく解説
オデュッセウスは「怪物を倒す英雄」だけではない
オデュッセウスは腕力だけで危機を突破する人物ではありません。
相手を観察する。
嘘を使う。
変装する。
危険を避ける。
必要なら逃げる。
知恵を使って生き残る英雄。
なのが特徴です。
ペネロペも「待っているだけ」ではない
妻ペネロペも、ただ受け身で夫を待っている人物ではありません。
求婚者から再婚を迫られながら、知恵を使って時間を稼ぎます。
夫が海で生き残ろうとしている間、妻もイタカで家を守っています。
▶ 『オデュッセイア』ペネロペはなぜ20年間待った?求婚者と再婚しなかった理由
テレマコスは「待つ子ども」から成長する
テレマコスは父が不在のまま成長します。
そのため彼の物語は、
父を待つ息子が、自分で行動できる大人へ変わっていく物語。
でもあります。
父の帰還だけでなく、息子の成長も『オデュッセイア』の大きな軸です。
難しく感じたら「3つの場所」で整理すると簡単
物語をさらに単純化すると、3段階です。
①トロイア
戦争をしていた場所。
②海
家へ帰ろうとして試練に遭う場所。
③イタカ
妻と息子が待つ故郷。
つまり、
トロイア → 海 → イタカ
という移動だけ押さえておけば、かなり理解しやすくなります。
ラストの詳しい意味は別記事へ
物語の最後にオデュッセウスがどうなるのか。
王位はどうなるのか。
ペネロペやテレマコスはどうなるのか。
この部分まで詳しく説明するとラスト記事と重なるため、こちらでは「最終的に家族のいるイタカへ帰る」ところまでを大筋として押さえています。
▶ 『オデュッセイア』最後はどうなった?オデュッセウスの帰還とラストを解説
まとめ|細かい神話を忘れても「家へ帰る話」と覚えれば分かる
『オデュッセイア』を最も簡単に整理すると、
戦争へ行った王オデュッセウスが、妻と息子の待つ故郷へ帰ろうとする。
これが物語の中心です。
その途中で危険に遭う。
仲間を失う。
時間が流れる。
故郷も変わる。
それでも最後まで帰ろうとする。
怪物や神々の名前が分からなくなったときは、
「オデュッセウスは今、家へ帰ろうとしている」
と考えれば、物語の位置を見失いにくくなります。
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『オデュッセイア』を原典でも読みたい方へ
映画で全体像をつかんだあと、オデュッセウスの旅を原典でも追いたい方は、上巻から読むと理解しやすくなります。
