※この記事にはアンディ・ウィアーの『オデッセイ』『アルテミス』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の基本設定について触れています。

アンディ・ウィアーの代表的な長編SFは、

『オデッセイ』。

『アルテミス』。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。

の3作品。

どれも宇宙と科学を扱っていますが、内容はかなり違います。

「次にどれを読めばいい?」

「3作品はつながっている?」

という人向けに、それぞれの特徴を整理します。

結論|科学サバイバルなら『オデッセイ』、月面都市なら『アルテミス』、壮大な星間SFなら『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

簡単に分けると、

『オデッセイ』

→ 火星で一人生き残る科学サバイバル。

『アルテミス』

→ 月面都市を舞台にした犯罪・サスペンスSF。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

→ 人類滅亡を防ぐため別の恒星へ向かう科学SF。

です。

3作品はシリーズ?

シリーズではありません。

主人公も世界設定も別。

読む順番も自由です。

1作目『オデッセイ』|火星で一人生き残る

主人公は宇宙飛行士マーク・ワトニー。

火星探査中の事故によって仲間から死亡したと思われ、一人取り残されます。

テーマは「生き残ること」

食料。

水。

酸素。

通信。

移動。

限られた資源を使って一つずつ問題を解きます。

アンディ・ウィアーらしさが最も分かりやすい

科学。

ユーモア。

問題解決。

楽観主義。

後の作品につながる要素が詰まっています。

『オデッセイ』はどうやって生まれた?

アンディ・ウィアーは、

「人間を火星へ送るなら、どんなミッションになる?」

と考えることから始めたと説明しています。

トラブルを考えていたら物語になった

火星ミッションを設計。

問題点を考える。

「全部トラブルになったら面白いのでは?」

そこから『The Martian』が生まれました。

2作目『アルテミス』|月面都市の生活を描く

『アルテミス』は方向が大きく違います。

舞台は、

人類初の月面都市アルテミス。

主人公は宇宙飛行士ではない

ジャズ・バシャラ。

月面都市で暮らす女性です。

ジャンルは犯罪・サスペンス寄り

『オデッセイ』のような、

一人で自然環境と戦うサバイバル

ではありません。

「月に街ができたらどうなる?」が出発点

アンディ・ウィアーは、

人類初の地球外都市はどこに作られるのか。

なぜそこへ街を作るのか。

経済はどうなるのか。

という発想から『アルテミス』を作ったと説明しています。

科学だけでなく「社会」を作った作品

月面都市には、

仕事。

お金。

観光。

犯罪。

政治。

があります。

宇宙で普通に人が生活し始めたらどうなる?

という方向です。

『オデッセイ』とかなり違う理由

ウィアー自身、『The Martian』と同じ「人対自然」の物語をもう一度書きたくなかったと説明しています。

3作目『プロジェクト・ヘイル・メアリー』|星間宇宙へ

舞台はさらに広がります。

火星。

月。

ではなく、

約11.9光年離れたタウ・セチ。

物語の始まりは「宇宙船の燃料」

アンディ・ウィアーは、

「星間航行に必要なほど大量のエネルギーを蓄えられる燃料とは?」

という科学的な想像からアストロファージを考えました。

そこから人類滅亡の危機へつながる

大量のエネルギーを蓄えられる生物。

もし恒星のエネルギーを食べるなら?

太陽へ来たら?

地球はどうなる?

そこから物語が生まれています。

3作品のスケールを比べる

『オデッセイ』

火星。

一人の命。

『アルテミス』

月。

一つの都市。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

別の恒星系。

文明全体。

どんどん宇宙が広がっている

ただし、作品の発表順に壮大になったから続編という意味ではありません。

すべて別作品です。

科学のリアルさは?

『オデッセイ』は3作品の中でも特に現実寄り。

『アルテミス』も、月面都市の経済・構造・生活をかなり現実的に考えています。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は最もSF的

異星生命。

星間航行。

未知の微生物。

など、現在確認されていない設定が多くなります。

でも科学的な考え方は共通

3作品とも、

「もしこの状況なら科学的にどうなる?」

を真面目に考えます。

主人公の違い|マーク・ワトニー

明るい。

前向き。

問題解決型。

非常に好感を持ちやすい主人公です。

主人公の違い|ジャズ・バシャラ

ワトニーとはかなり違います。

欠点も多い。

危ないこともする。

犯罪へ足を踏み入れる。

よりクセのある人物です。

主人公の違い|ライランド・グレース

科学教師。

頭はいい。

でも、完璧な勇者ではない。

臆病さもあります。

グレースは成長型主人公

物語の中で、自分の弱さと向き合います。

最後の決断によって人物像が完成します。

友情なら『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

3作品の中でも、

二人の関係そのもの

が最も中心にある作品です。

ロッキーの存在が大きい

科学的な問題解決だけではありません。

まったく違う生命体とどうやって分かり合うか。

というテーマがあります。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ロッキーとの友情はなぜ泣ける?2人の関係を考察

初心者におすすめなのは?

まずアンディ・ウィアー作品を一本試したい。

→ 『オデッセイ』。

宇宙都市・犯罪物が好きなら?

→ 『アルテミス』。

壮大なSFと感動が欲しいなら?

→ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。

『オデッセイ』好きなら次は?

科学的問題解決が好きなら、

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

が一番近いです。

▶ 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が『オデッセイ』好きにおすすめな理由|共通点と違いを解説

『アルテミス』は少し毛色が違う

宇宙を舞台にしていますが、

犯罪小説・都市SF

に近い部分があります。

どれから読んでも問題ない

3作品に物語上のつながりはありません。

刊行順に読む必要もありません。

3作品を読むとアンディ・ウィアーの作り方が見える

面白いのは、それぞれ別の科学的な疑問から始まっていることです。

『オデッセイ』|火星ミッションをどう作る?

そこからサバイバルへ。

『アルテミス』|最初の月面都市はどんな場所?

そこから社会と犯罪へ。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』|星間航行できる燃料とは?

そこから人類滅亡とファーストコンタクトへ。

同じ作者でも同じ物語を繰り返していない

科学という軸は同じ。

でもジャンルやテーマは変えています。

まとめ|3作品は全部独立。好みで選んでOK

アンディ・ウィアーの3作品を整理すると、

『オデッセイ』

火星で一人取り残された宇宙飛行士の科学サバイバル。

『アルテミス』

月面都市を舞台にした犯罪・社会SF。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

人類滅亡を防ぐため別の恒星系へ向かい、未知の生命と出会う星間科学SF。

です。

3作品はシリーズではありません。

ただし、

科学を物語の飾りではなく「問題を解くための道具」として使う。

そこは一貫しています。

『オデッセイ』が好きなら『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。

宇宙で暮らす社会そのものに興味があるなら『アルテミス』。

アンディ・ウィアー作品は「どれが第1作か」ではなく、「どんな宇宙SFを読みたいか」で選ぶのが一番分かりやすいでしょう。


『プロジェクト・ヘイル・メアリー』原作を読みたい方へ

アンディ・ウィアーの中でも、科学的問題解決と壮大なSF、そして友情をまとめて楽しめる作品です。

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