※この記事には映画・原作『祈りの幕が下りる時』の重大なネタバレがあります。

『祈りの幕が下りる時』では、押谷道子の殺人事件とほぼ同じ時期に、河川敷で男性の焼死体が見つかります。

最初は別々の事件に見えますが、この焼死事件こそが物語の真相へ近づく重要な手がかりです。

では、焼死した男性はいったい誰なのでしょうか。

結論|焼死体の正体は浅居博美の父・浅居忠雄

河川敷で発見された焼死体の正体は、浅居博美の父・浅居忠雄です。

忠雄は東京では「越川睦夫」という名前を使って生活していました。

つまり、警察が行方を追っていた越川睦夫と、河川敷の焼死体は同一人物だったのです。

なぜ松宮は2つの事件を疑った?

TBS公式のあらすじでも、松宮は押谷殺害事件と河川敷の放火殺人事件に関連があるのではないかと疑っています。

理由の一つが、越川睦夫のアパートに生活感がほとんどなかったことです。

本当にそこを生活の中心にしている人物なのか。

松宮の違和感が、2つの事件をつなぐきっかけになります。

越川睦夫とは誰だった?

越川睦夫は本名ではありません。

その正体は浅居忠雄です。

忠雄は過去の事件から逃れるため、長年にわたって別の名前を使いながら生きていました。

『祈りの幕が下りる時』越川睦夫の正体は?失踪した男の秘密を解説

浅居忠雄はなぜ死ぬことになった?

大きなきっかけは押谷道子の殺害です。

忠雄は、自分の正体を知られることを恐れて押谷を殺します。

しかし殺人を犯したことで、もうこれまでのように隠れて生き続けることが難しくなります。

さらに、自分が生きている限り娘・博美に危険が及ぶと考えるようになります。

忠雄は自分から死を望んだ

忠雄は、娘を守るために自分が死ぬしかないと考えます。

しかし、自分自身では死に切ることができませんでした。

そこで、娘の博美に自分を死なせてほしいと頼みます。

博美は父の願いを拒みきれず、最終的に父の死に関わることになります。

焼死させた理由は身元を分からなくするため

忠雄は長年、身元を隠して生きてきました。

そのため死後も、自分が浅居忠雄であることが簡単に分かってしまえば、博美との関係が明らかになります。

焼死という形にしたことには、身元を特定されにくくする意味があります。

博美は父を殺した「犯人」なのか

事実だけを見れば、博美は父の死に関わっています。

しかし、ここを一般的な殺人事件と同じように考えると作品の核心が見えにくくなります。

忠雄自身が死を望み、博美はその願いを受け入れます。

だからこそ『祈りの幕が下りる時』では、誰が犯人なのかという問いが複雑になります。

『祈りの幕が下りる時』犯人は誰?なぜ殺した?浅居博美の動機を解説

なぜ博美はそこまで父を守った?

博美は幼い頃から父・忠雄と逃亡生活を続けてきました。

母親が作った借金によって人生を壊され、父娘で支え合って生きてきた過去があります。

そのため博美にとって忠雄は、単なる父親以上の存在です。

『祈りの幕が下りる時』浅居博美はなぜ父を守り続けた?父娘の関係を考察

焼死体によって押谷事件と過去がつながる

押谷道子の遺体だけを調べていても、浅居親子の30年前の秘密までは簡単にたどり着けません。

しかし越川睦夫の失踪と河川敷の焼死体が結びつくことで、警察は越川の正体を調べ始めます。

そして12の橋、博美、加賀の母へと捜査が広がっていきます。

加賀の母との意外なつながり

浅居忠雄は、過去に別の名前で生活していた際、仙台で加賀の母・田島百合子と知り合っています。

つまり焼死した男性は、今回の事件の関係者であるだけでなく、加賀が長年追い続けていた母親の過去にもつながる人物でした。

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焼死体は物語の「もう一つの入口」

物語は押谷道子の遺体発見から始まります。

しかし、もう一つの重要な入口が河川敷の焼死体です。

この2つの事件が同時に存在することで、現在の殺人事件と30年前の父娘の逃亡生活がつながります。

まとめ

河川敷で発見された焼死体の正体は、浅居博美の父・浅居忠雄です。

忠雄は越川睦夫という偽名で東京に暮らし、押谷道子を殺害した後、自分の存在が娘・博美をさらに苦しめると考えて死を望みます。

そして博美が父の願いを受け入れ、その後遺体は焼かれます。

この焼死事件が押谷道子殺害事件と結びついたことで、長年隠されてきた浅居親子の秘密が明らかになっていきます。

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映画を観て原作も気になった方へ

映画では時間の都合で整理されている浅居親子の過去や、母・厚子の行動によって父娘の人生がどのように変わっていったのかも、原作ではより細かく描かれています。

映画を観たあとに読むと、忠雄と博美がなぜここまで強く結びつき、何十年も過去から逃れられなかったのかも、さらに深く見えてくると思います。

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