『麒麟の翼』八島冬樹は犯人ではない?青柳のバッグを持っていた理由と真相
※この記事には『麒麟の翼』の八島冬樹と事件の真相に関するネタバレがあります。
『麒麟の翼』の序盤で、青柳武明殺害の最重要容疑者となるのが八島冬樹です。
八島は青柳のバッグを持って逃げ、その直後に車にはねられます。
これだけを見ると、「八島が青柳を刺してバッグを奪った」と考えるのが自然です。
しかし結論からいうと、八島冬樹(三浦貴大)は青柳武明を刺した犯人ではありません。
では、なぜ八島は青柳のバッグを持っていたのでしょうか。
この記事でわかること
- 八島冬樹は本当に犯人なのか
- なぜ青柳のバッグを持っていたのか
- 八島と青柳武明の接点
- 中原香織が八島の無実を信じた理由
- 八島の存在が事件を複雑にした理由
八島冬樹が犯人だと疑われた理由
青柳武明(中井貴一)が刺された事件のあと、八島は青柳のバッグを持っていました。
しかも八島は現場付近から逃げ、道路に飛び出したところを車にはねられて意識不明になります。
警察から見れば、非常に分かりやすい構図です。
「青柳を刺した」
「バッグを奪った」
「逃走した」
この三つがつながっているように見えたため、八島は容疑者になりました。
八島は青柳を刺していない
しかし加賀恭一郎(阿部寛)が捜査を続けると、八島を犯人とするだけでは説明できない点が出てきます。
最大の疑問は、被害者である青柳の行動です。
青柳は刺されたあと、その場で倒れるのではなく、約8分間歩いて日本橋の麒麟像まで向かいました。
この行動には、単純な強盗殺人では説明できない背景がありました。
では、なぜ八島は青柳のバッグを持っていたのか
八島が青柳を刺したことと、八島が青柳のバッグを持っていたことは別の出来事として考える必要があります。
八島は事件の真犯人ではありませんが、青柳のバッグを持ち去っています。
そのため八島自身の行動が、結果的に「八島が犯人」という誤った構図を作ることになりました。
『麒麟の翼』では、この偶然と八島自身の行動が重なることで、本当の事件が見えにくくなっています。
八島には仕事をめぐる事情があった
八島は決して順調な生活を送っていた人物ではありません。
恋人の中原香織(新垣結衣)との生活や将来を抱えながら、厳しい状況に置かれていました。
その背景があるため、警察にとっては金品目的の犯行という筋書きにも現実味がありました。
しかし、置かれていた状況が苦しかったことと、人を殺したことは同じではありません。
香織もそこを強く信じていました。
中原香織は八島の無実を訴え続けた
八島が容疑者になっても、香織は彼が殺人を犯したとは信じません。
周囲から見れば、恋人だからかばっているようにも見えます。
しかし物語が進むと、香織の訴えが単なる願望ではなかったことが分かってきます。
八島には問題のある行動があったとしても、それだけで青柳殺害の犯人と決めつけることはできませんでした。
八島が意識不明になったことで本人から真相を聞けなかった
事件をさらに複雑にしたのが、八島が車にはねられたことです。
もし八島がその場で事情を説明できていれば、捜査の流れは違ったかもしれません。
しかし八島は意識不明となり、「なぜ青柳のバッグを持っていたのか」を本人から確認できない状態になります。
その結果、八島に不利な状況証拠だけが残りました。
加賀は八島ではなく青柳の行動にも注目した
加賀の捜査が重要なのは、「怪しい人物」だけを追わなかった点です。
加賀は被害者の青柳が事件前に何をしていたのか、そして刺されたあとになぜ歩き続けたのかを調べます。
その結果、青柳が日本橋で七福神巡りをしていたことや、息子・青柳悠人(松坂桃李)の過去と向き合おうとしていたことが浮かび上がります。
八島だけを見ていたら、過去の水泳部事故にはたどり着けなかったでしょう。
八島は「犯人に見える人物」として配置されている
物語の構造として見ると、八島は非常に重要な存在です。
被害者のバッグを持っている。
現場から逃げている。
そして本人は事故で事情を説明できない。
ミステリーとしては、犯人と思わせる条件がそろっています。
しかし加賀が違和感を一つずつ追うことで、「見えている事実」と「本当に起きたこと」の違いが明らかになります。
八島のその後はどうなった?
八島の物語は、青柳殺害の容疑が晴れればそれですべて解決するわけではありません。
八島自身に起きた事故、そして香織との関係も『麒麟の翼』の重要な部分です。
この部分については、『麒麟の翼』八島冬樹は最後どうなった?事故と中原香織との結末を解説で詳しく扱っています。
まとめ|バッグを持っていたことと殺人は別だった
八島冬樹は青柳武明のバッグを持って逃げていたため、殺人事件の容疑者になりました。
しかし八島は青柳を刺した犯人ではありません。
『麒麟の翼』のポイントは、「怪しい行動をした人物が必ずしも殺人犯ではない」というところにあります。
八島の行動によって真相が覆い隠され、その裏で青柳家と過去の水泳部事故につながる本当の事件が進んでいました。
犯人を含めて事件全体を確認したい方は、『麒麟の翼』犯人は誰?青柳武明を刺した人物と事件の真相を解説もあわせてご覧ください。
東野圭吾の原作『麒麟の翼』を読む
映画では八島が容疑者として追われる展開がテンポよく描かれますが、原作では加賀が疑問を解きほぐしていく過程をより細かく追えます。事件をもう一度整理したい方にもおすすめです。
映画『麒麟の翼』を見返したい方へ
八島が犯人ではないと知ったうえで見返すと、序盤の捜査や香織の言葉の受け取り方も変わります。DVD・Blu-rayで見直したい方は、ディスカスで取り扱いを確認してみてください。
