タイタニック号で亡くなった人の遺体はどうなった?回収された人・見つからなかった人を解説
※この記事では、タイタニック号沈没事故後の遺体回収について扱います。できるだけ事実を中心に、必要以上に刺激的な表現を避けて解説します。
タイタニック号では約1500人が亡くなりました。
映画では、沈没後の海に多数の犠牲者が浮かぶ様子が描かれています。
では実際には、
亡くなった人たちの遺体はその後どうなったのでしょうか。
すべて回収されたのでしょうか。
現在もタイタニック号の中に遺体が残っているのでしょうか。
事故後には複数の船が現場へ向かい、遺体の捜索と回収を行いました。
しかし約1500人すべてが発見されたわけではありません。
結論|約1500人の犠牲者のうち、回収された遺体は一部だけ
タイタニック号では約1500人が死亡しました。
その後、遺体回収船が現場へ派遣され、数百人が発見されます。
しかし、
多くの犠牲者は最後まで見つかりませんでした。
回収された遺体の一部はカナダ・ハリファックスへ運ばれ、身元確認が行われました。
身元が分からなかった人も多数います。
沈没直後、カルパチア号は遺体回収を目的としていなかった
カルパチア号が事故現場へ到着した時、最優先は生存者の救助です。
救命ボートに残された700人余りを一人ずつ収容しました。
多数の生存者を乗せ、ニューヨークへ向かう必要もあります。
そのため本格的な遺体回収は後から別の船が行いました。
遺体回収に向かったマッケイ=ベネット号
代表的なのがCSマッケイ=ベネット号です。
カナダのハリファックスから事故海域へ派遣されました。
船には、
遺体処置に必要な用品。
棺。
氷。
宗教関係者。
などが準備されました。
なぜハリファックスから船が出た?
カナダ・ノバスコシア州のハリファックスは、事故現場に比較的近い主要港でした。
そのため遺体回収作業の拠点になります。
現在でもハリファックスには多くのタイタニック号犠牲者の墓があります。
数百人の遺体が回収された
マッケイ=ベネット号を中心とする複数の船によって、数百人の遺体が回収されました。
しかしタイタニック号の犠牲者総数から見ると、見つかったのは一部です。
1000人以上は回収されなかったと考えられます。
なぜ全員見つからなかった?
北大西洋は広大です。
沈没後、
海流。
風。
天候。
時間。
によって遺体は広範囲へ流されていきます。
また、沈没する船体とともに海中へ入った人もいたと考えられています。
そのためすべてを発見することは不可能でした。
回収された遺体はどうやって身元確認した?
現在のようなDNA鑑定はありません。
そのため、
衣服。
財布。
時計。
指輪。
手紙。
所持品。
などを記録し、身元確認の手掛かりにしました。
身元が分からない遺体もあった
所持品だけでは本人を特定できない場合もあります。
そのため現在でも、
「Unknown」
として埋葬された犠牲者の墓が残っています。
すべての遺体を陸へ持ち帰ったわけではない
回収船には保存できる遺体数に限界がありました。
事故海域は陸地から遠く、航海にも時間がかかります。
そのため一部の犠牲者は、宗教儀式を行った上で海へ葬られました。
なぜ一部を海葬にした?
当時の遺体保存技術や船の収容能力には限界がありました。
すべてをハリファックスまで運ぶことが困難だったためです。
現在の感覚だけで判断するのではなく、1912年の技術と状況を考える必要があります。
ハリファックスには150人前後が埋葬された
回収された犠牲者のうち、多くがハリファックスの墓地へ埋葬されました。
特に有名なのがフェアビュー・ローン墓地です。
そこには多数のタイタニック号犠牲者の墓標が並んでいます。
「J. Dawson」の墓もここにある
映画ファンの間で有名なのが、
「J. Dawson」
と刻まれた墓です。
しかしこの人物は映画のジャック・ドーソンではありません。
実在した乗組員ジョセフ・ドーソンです。
映画公開後、偶然同じ「Dawson」という名前だったことで有名になりました。
▶ 『タイタニック』ジャックとローズは実在した?モデルになった人物はいるのか
海底のタイタニック号に現在も遺体がある?
この疑問はよくあります。
タイタニック号は現在、水深約3800mの深海にあります。
しかし、
人間の遺体が1912年当時の姿のまま残っているわけではありません。
100年以上の時間と深海環境の影響を受けています。
骨も残っていない?
深海では水圧だけでなく、水の化学的環境も影響します。
骨の主成分であるカルシウム化合物も長い時間をかけて失われます。
そのためタイタニック号の沈没現場で、人骨が多数そのまま確認されているわけではありません。
ただし「人がいた痕跡」は残っている
海底調査では、
靴が左右一対の形で残っている場所
などが記録されています。
皮革製品は環境によって比較的長く残る場合があります。
そこに人がいた可能性を示す痕跡です。
そのためタイタニック号の沈没現場は、単なる沈没船ではなく、
多くの犠牲者が亡くなった墓地
として尊重されています。
なぜ船体内部を全部探さない?
タイタニック号は非常に深い場所にあります。
さらに船体は腐食してもろくなっています。
内部へ無理に入り込むことは、
探査機の危険。
船体への損傷。
犠牲者への倫理的配慮。
など多くの問題があります。
遺物回収にも賛否がある
タイタニック号からは多くの遺物が回収されてきました。
しかし、
歴史資料として保存すべき
という意見と、
墓地なのだから手を付けるべきではない
という意見があります。
現在でも議論が続いています。
船体そのものも少しずつ消えている
タイタニック号の船体は現在も腐食しています。
微生物や海水によって鉄が失われ、構造物が崩れています。
2024年の調査でも、以前残っていた船首の手すりの一部が崩落していることが確認されました。
▶ タイタニック号の沈没現場は今どうなっている?船体の現在と深さを解説
映画で描かれる海面の光景は史実を意識している
映画では、タイタニック号沈没後の海に多数の犠牲者が浮かびます。
ジャックとローズもその中にいます。
実際にも、救命胴衣を着けたまま海上で亡くなった人が多数いました。
その後、海流によって事故現場から広い範囲へ流されていったのです。
遺体回収は事故後の重要な仕事だった
タイタニック号の歴史では、
沈没。
救命ボート。
カルパチア号。
がよく注目されます。
しかしその後には、
亡くなった人を家族へ返すための作業
も行われました。
マッケイ=ベネット号などの乗員にとっても非常に過酷な任務でした。
まとめ|約1500人全員が発見されたわけではない
タイタニック号では約1500人が亡くなりました。
事故後、複数の船が遺体回収へ向かい、数百人を発見しました。
しかし多くの犠牲者は最後まで見つかっていません。
回収された人の一部はハリファックスへ埋葬。
一部は家族のもとへ。
一部は海葬となりました。
そして現在の沈没現場では、遺体そのものではなく、靴などによって人がそこにいた痕跡が残っています。
タイタニック号の海底遺跡は、映画で有名になった観光的な場所ではなく、1500人前後が命を落とした大規模災害の現場でもある
ということを忘れないことが大切です。
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実際の犠牲者や事故後の回収作業まで知ったうえで見ると、映画終盤の沈没後の静かな海の場面にも、史実としての重さが感じられます。
