映画『ヴェノム』を見ていると、どうしても気になることがあります。

「ヴェノムってスパイダーマンの敵なのに、なぜスパイダーマンが出てこないの?」

さらに『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』や『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を見ると、2つの映画世界がつながっているような場面まで登場します。

そのため、

「ヴェノムとトム・ホランド版スパイダーマンは同じ世界?」
「ソニー・スパイダーマン・ユニバースって何?」
「原作ではヴェノムとスパイダーマンはどういう関係?」

と混乱しやすくなっています。

この記事では、映画版ヴェノムとスパイダーマンの世界の違い、MCUとの関係、原作コミックでのつながりまで整理します。

※この記事は『ヴェノム』『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』などの内容に触れています。

結論|基本的には別世界。ただしマルチバースを通じて一時的につながった

まず結論から言うと、トム・ハーディ主演の『ヴェノム』シリーズと、トム・ホランド版スパイダーマンが暮らすMCUは、基本的には別の世界です。

ただし『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』によって、マルチバースを通じて一時的につながったことが描かれました。

つまり、

最初から同じ世界だったわけではない。

しかし、別世界同士が一時的に接触したことはある、という関係です。

そもそもヴェノムはスパイダーマンの敵

原作コミックでは、ヴェノムはスパイダーマンと非常に深い関係を持つキャラクターです。

ソニー・ピクチャーズ公式もヴェノムについて、「スパイダーマン最大の宿敵」として紹介しています。

ヴェノムは、地球外生命体シンビオートと人間が融合して誕生する存在です。

代表的な宿主が、ジャーナリストのエディ・ブロックです。

原作ではスパイダーマンとの因縁から始まり、その後は単純な悪役ではなく、ダークヒーローやアンチヒーローとして描かれることも多くなりました。

原作ではヴェノム誕生にスパイダーマンが深く関わっている

原作コミックでは、ヴェノムの誕生にピーター・パーカーが大きく関わっています。

ピーターはある時期、黒いスーツのようなシンビオートを身につけます。

しかし、その正体が意思を持つ地球外生命体であることを知り、ピーターはシンビオートを拒絶します。

その後、そのシンビオートがエディ・ブロックと結びつき、ヴェノムになります。

つまり原作では、

ピーター

シンビオートを使用

シンビオートを拒絶

エディ・ブロックと融合

ヴェノム誕生

という流れがあります。

だからこそヴェノムは、スパイダーマンの能力や秘密をよく知る強敵になります。

でも2018年の映画『ヴェノム』にはスパイダーマンがいない

ところが、トム・ハーディ主演の2018年版『ヴェノム』では、ピーター・パーカーとの関係を使わずにヴェノムの誕生が描かれました。

エディ・ブロックが地球外生命体シンビオートと出会い、直接ヴェノムになります。

つまり映画では、スパイダーマンを経由せずにヴェノムを成立させたわけです。

ここが原作との大きな違いです。

なぜスパイダーマンなしでヴェノム映画を作った?

背景には映画の権利とシリーズ展開があります。

スパイダーマン映画を長年展開してきたのはソニー・ピクチャーズです。

ソニーはスパイダーマンだけでなく、その周辺にいるマーベルキャラクターを使った映画も展開してきました。

その代表が、

  • 『ヴェノム』
  • 『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
  • 『モービウス』
  • 『マダム・ウェブ』
  • 『クレイヴン・ザ・ハンター』

などです。

ソニー公式の『モービウス』ページでも、同作を「Sony Pictures Universe of Marvel Characters」の作品として紹介しています。

▶ スパイダーマンはなぜソニー映画?マーベル・ディズニーとの関係と映画化権を解説

「ソニー・スパイダーマン・ユニバース」とは?

一般的には、ヴェノムやモービウスなどソニーが展開してきたスパイダーマン関連キャラクターの実写映画世界を、ソニー・スパイダーマン・ユニバース、略してSSUと呼ぶことがあります。

ただしソニー自身は時期によって、「Sony Pictures Universe of Marvel Characters」など別の表現も使用しています。

要するに、トム・ホランド版スパイダーマンのMCUとは別に、ソニーがヴェノムなどを中心に展開してきた映画群がある、と理解すれば分かりやすいです。

ヴェノムとモービウスは同じ世界?

映画では、そのつながりを示す描写があります。

ソニーは『モービウス』の予告編について、『ヴェノム』とのリンクを強く感じさせる場面があると公式に紹介しています。

予告では『ヴェノム』の舞台であるサンフランシスコで起きた事件への言及や、モービウスが「俺はヴェノムだ」と名乗る冗談まで登場しました。

少なくともソニー側の映画同士には、互いを意識したつながりが作られています。

ではトム・ホランド版スパイダーマンも同じ世界?

ここが一番重要です。

基本的には違います。

トム・ホランド版ピーター・パーカーはMCUに存在します。

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』からMCUへ登場し、アイアンマンやドクター・ストレンジなどと共演してきました。

一方、トム・ハーディ版ヴェノムはソニー側の別世界にいます。

最初から同じニューヨークや同じ地球に住んでいるという設定ではありません。

▶ なぜ『シビル・ウォー』から突然スパイダーマンが登場した?ソニーとマーベルの契約を解説

『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のラストで何が起きた?

この関係を大きく変えたのが、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』です。

本編後の場面で、エディとヴェノムが突然別の場所へ移動します。

テレビにはトム・ホランド版ピーター・パーカーの映像が映っています。

つまりエディとヴェノムは、何らかの理由によってトム・ホランド版スパイダーマンが存在する世界へ移動したことになります。

なぜヴェノムがMCUへ移動した?

その答えは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で明らかになります。

ドクター・ストレンジが使った魔法が失敗し、マルチバースの境界が崩れます。

その結果、別の宇宙からピーター・パーカーとスパイダーマンに関係する人物たちがMCUへ引き寄せられました。

トビー・マグワイア版やアンドリュー・ガーフィールド版のピーター、過去シリーズのヴィランたちが登場したのもそのためです。

エディとヴェノムも、このマルチバース異変によってMCUへ移動したと理解できます。

▶ 『ノー・ウェイ・ホーム』でなぜトビーとアンドリューが戻ってきた?マルチバースを解説

ヴェノムは『ノー・ウェイ・ホーム』本編に出ていた?

本編の戦いには参加していません。

エディ・ブロックは『ノー・ウェイ・ホーム』のエンドクレジット場面に登場します。

バーでMCUの世界について話を聞き、

  • アイアンマン
  • サノス
  • アベンジャーズ
  • スパイダーマン

などの存在を知ります。

つまりエディはMCUへ来たものの、ピーター本人と直接会うところまではいきませんでした。

エディはその後どうなった?

ドクター・ストレンジの最後の魔法によって、別世界から来た人物たちは元の宇宙へ戻ります。

エディ・ブロックも例外ではありません。

ピーターに会う前に、元の世界へ戻ってしまいます。

そのため、

トム・ホランド版スパイダーマンとトム・ハーディ版ヴェノムは、同じ映画世界に一時的に存在したものの、実際には対面していません。

でもヴェノムの一部だけMCUに残った

ここが重要です。

エディが元の世界へ戻ったあと、バーのカウンターには黒いシンビオートの小さな一部が残ります。

つまりエディとヴェノム本人は別世界へ戻ったものの、シンビオートの一部だけはMCUに残ったことになります。

この場面によって、MCU側にも将来的にシンビオートが関わる可能性が示されました。

ではMCU版ヴェノムが誕生する?

可能性を想像することはできますが、この場面だけで確定とは言えません。

黒いシンビオートが残ったことは映画で確認できます。

しかし、その後それが誰に寄生するのか、トム・ホランド版ピーターと結びつくのか、別のヴェノムになるのかまでは、この時点では明かされていません。

したがって、

「トム版ピーターが次に必ず黒いスーツになる」

と断定するのは避けるべきです。

原作ではスパイダーマンとヴェノムは同じ世界

映画とは違い、原作コミックでは両者は基本的に同じマーベル世界のキャラクターです。

しかもヴェノム誕生そのものにピーターが深く関わっています。

そのため、原作では、

  • 敵として戦う
  • 利害が一致して共闘する
  • 別のヴィランと一緒に戦う

など、非常に長い関係があります。

ソニー公式も『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』について、原作コミックではスパイダーマンとヴェノムが共闘してカーネイジと戦うほどの関係があると紹介しています。

『スパイダーマン3』に出たヴェノムはトム・ハーディ版と同じ?

違います。

2007年のトビー・マグワイア版『スパイダーマン3』にもヴェノムが登場します。

このヴェノムの宿主はエディ・ブロックですが、トム・ハーディ版とは別世界の人物です。

『スパイダーマン3』では、シンビオートが最初にピーターへ取りつき、ピーターが黒いスーツを身につけます。

その後ピーターがシンビオートを引き離し、それがエディ・ブロックと融合します。

こちらはトム・ハーディ版よりも、原作のピーターとヴェノムの関係に近い流れです。

ヴェノムは何人いるの?

映画だけでも、少なくとも別世界のヴェノムが存在します。

トビー・マグワイア版世界
→ 『スパイダーマン3』のヴェノム

ソニー側のヴェノム映画世界
→ トム・ハーディ演じるエディ・ブロック/ヴェノム

『ノー・ウェイ・ホーム』でマルチバースが明確に描かれたことで、同じキャラクターでも別宇宙に異なるバージョンが存在できることが分かります。

これはスパイダーマンがトビー・アンドリュー・トムの3人いるのと同じ考え方です。

▶ トビー版・アンドリュー版・トム版スパイダーマンは何が違う?能力・性格・世界観を比較

モービウスのバルチャーはどういうこと?

さらに話を複雑にしたのが『モービウス』です。

同作には、『スパイダーマン:ホームカミング』でバルチャーを演じたマイケル・キートンが登場します。

ソニー公式も公開前から、マイケル・キートンの登場がスパイダーマンとの関係をめぐる憶測を呼んでいることを紹介していました。

映画のエンドクレジット場面では、MCU側にいたエイドリアン・トゥームスがモービウス側の世界へ移動したように描かれます。

そしてモービウスへ接触します。

この場面によって、MCUとソニー側の映画世界がマルチバースを通じて接触できることが、さらに示されました。

ただし世界設定を全部一つにまとめない方がいい

スパイダーマン関連映画は権利関係とマルチバースが重なっているため、非常に複雑です。

そのため、

「ソニー映画だから全部同じ世界」

と考えると分からなくなります。

大きくは、

トビー版
→ 独立したスパイダーマン世界

アンドリュー版
→ 別の独立したスパイダーマン世界

トム版
→ MCU

トム・ハーディ版ヴェノムなど
→ ソニー側で展開された別のマーベル映画世界

と分けて考えると理解しやすくなります。

ソニー側の映画世界は今後どうなる?

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は、ソニー・ピクチャーズ自身が『ヴェノム』シリーズの最終章として宣伝しています。

つまりトム・ハーディ版ヴェノムの3部作は、一度区切りを迎えています。

一方で、トム・ホランド版『スパイダーマン』は『ブランド・ニュー・デイ』で新章に入り、2026年現在もMCUとの共同展開が続いています。

そのため今後もソニーが持つスパイダーマン関連キャラクターとMCUがどう関わるかは、作品ごとに確認していく必要があります。

スパイダーマンとヴェノムが本格的に戦う可能性は?

原作では非常に有名な組み合わせなので、映画での本格共演を期待する声が出るのは自然です。

さらに『ノー・ウェイ・ホーム』ではMCU側にシンビオートの一部が残りました。

ただし、それだけでトム・ホランド版ピーターとトム・ハーディ版ヴェノムの対決が確定したわけではありません。

今後どの形でシンビオートを使うのかは、実際の作品で確認する必要があります。

原作を知るとヴェノムの見方が変わる

トム・ハーディ版だけを見ると、ヴェノムは最初からエディ・ブロックの相棒のように見えます。

しかし原作では、スパイダーマンとの関係がヴェノム誕生の重要な部分を占めています。

ピーターに拒絶されたシンビオートと、ピーターを憎むエディ・ブロック。

この2者が結びつくことで、スパイダーマンにとって非常に危険な存在になります。

映画と原作を比較すると、2018年版『ヴェノム』がスパイダーマン抜きでキャラクターの起源を大きく作り直したことがよく分かります。

一番簡単に整理すると?

最後にかなり簡単にまとめます。

原作コミック
→ スパイダーマンとヴェノムは同じ世界。非常に深い因縁がある。

トビー版『スパイダーマン3』
→ ピーターとヴェノムが同じ世界に存在する。

トム・ハーディ版『ヴェノム』
→ トム・ホランド版MCUとは基本的に別世界。

『ノー・ウェイ・ホーム』
→ マルチバースの影響でエディが一時的にMCUへ来る。

その後
→ エディは元の世界へ戻るが、シンビオートの一部がMCUに残る。

まとめ|ヴェノムとスパイダーマンは「原作では同じ、映画では世界によって違う」

ヴェノムは原作コミックではスパイダーマン最大の宿敵のひとりであり、ピーター・パーカーと非常に深い因縁を持っています。

しかしトム・ハーディ主演の映画『ヴェノム』シリーズでは、スパイダーマンとの過去を使わずにヴェノムの起源が作り直されました。

そしてトム・ホランド版スパイダーマンはMCUにいるため、トム・ハーディ版ヴェノムとは基本的に別世界です。

ただし『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』と『ノー・ウェイ・ホーム』によって、マルチバースを通じて2つの世界が一時的につながりました。

エディ本人は元の世界へ戻りましたが、MCUにはシンビオートの一部が残っています。

つまり、

「ヴェノムとスパイダーマンは同じ世界?」

への答えは、

原作なら基本的にYES。
トム・ハーディ版ヴェノムとトム・ホランド版スパイダーマンなら基本的にNO。
ただしマルチバースで一時的につながった。

となります。

スパイダーマン映画が分かりにくく感じるのは、同じキャラクターが複数の世界に存在し、さらにその世界同士がマルチバースによって行き来できるようになったためです。

▶ スパイダーマンはなぜソニー映画?マーベル・ディズニーとの関係と映画化権を解説

▶ 『ノー・ウェイ・ホーム』でなぜトビーとアンドリューが戻ってきた?マルチバースを解説

▶ トビー版・アンドリュー版・トム版スパイダーマンは何が違う?能力・性格・世界観を比較

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