『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を見ていて、

「なんで突然スパイダーマンが出てきたの?」

と思った方もいるのではないでしょうか。

それまでMCUにはスパイダーマンが登場しておらず、トビー・マグワイア版やアンドリュー・ガーフィールド版は別の映画シリーズとして作られていました。

ところが『シビル・ウォー』では、トニー・スタークがクイーンズに暮らす高校生ピーター・パーカーを訪ね、突然スパイダーマンがMCUへ加わります。

これは物語上の偶然ではありません。

ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオが2015年に結んだ特別な協力関係によって、スパイダーマンをMCUへ登場させられるようになったことが大きな理由です。

この記事では、なぜスパイダーマンが『シビル・ウォー』から突然登場したのか、ソニーとマーベルの契約関係も含めて整理します。

※この記事は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『スパイダーマン:ホームカミング』などの内容に触れています。

結論|2015年にソニーとマーベルが協力することになったから

スパイダーマンが『シビル・ウォー』からMCUへ登場した最大の理由は、2015年にソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオが新たな協力関係を発表したからです。

ソニーは2015年2月、マーベル・スタジオと共同でスパイダーマンの新しい映画展開を行うことを正式発表しました。

その発表では、

「新しいスパイダーマンは、まずMCUのマーベル映画に登場する」

ことが明記されていました。

そして、その「最初のMCU作品」が2016年公開の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』だったのです。

それまでスパイダーマンはなぜMCUにいなかった?

ここを理解するには、スパイダーマン映画の権利関係を知る必要があります。

スパイダーマンはマーベルのキャラクターですが、実写映画についてはソニー・ピクチャーズが長年シリーズを展開してきました。

そのため、MCUが『アイアンマン』から始まった当初も、スパイダーマンをマーベル・スタジオが自由に映画へ登場させられる状況ではありませんでした。

結果として、

  • トビー・マグワイア版『スパイダーマン』3部作
  • アンドリュー・ガーフィールド版『アメイジング・スパイダーマン』2作品

は、MCUとは別の映画シリーズとして制作されています。

▶ スパイダーマンはなぜソニー映画?マーベル・ディズニーとの関係と映画化権を解説

2015年にソニーとマーベルが発表した内容とは?

2015年2月9日、ソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオは共同で新しいスパイダーマンの展開を発表しました。

重要なのは、単純に「スパイダーマンをマーベルへ返した」という話ではないことです。

公式発表では、

  • 新しいスパイダーマンをまずMCU作品へ登場させる
  • その後、新しい単独『スパイダーマン』映画を制作する
  • マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギが共同製作に参加する
  • ソニーが引き続き映画の資金提供・配給・所有を行う
  • ソニーが最終的なクリエイティブ・コントロールを持つ

という形が示されていました。

つまり、ソニーのスパイダーマンを、マーベル・スタジオと協力してMCUへ参加させる仕組みが作られたのです。

なぜいきなり単独映画ではなく『シビル・ウォー』だった?

契約発表時点から、新しいスパイダーマンは単独映画より先にMCU作品へ登場することが決まっていました。

その後、トム・ホランドが新しいピーター・パーカー役に決定します。

ソニーとマーベルは2015年6月、世界規模のキャスティングを経てトム・ホランドを新しいスパイダーマン役に決定したと正式発表しました。

そして『シビル・ウォー』で先に登場させることで、観客は

「このスパイダーマンは、アイアンマンやキャプテン・アメリカと同じ世界にいる」

ことをすぐ理解できました。

その後に『スパイダーマン:ホームカミング』へつなげることで、新シリーズの説明もかなり短くできています。

『シビル・ウォー』ではどうやってピーターが登場する?

『シビル・ウォー』では、アベンジャーズがキャプテン・アメリカ側とアイアンマン側に分かれて対立します。

戦力を集めるトニー・スタークは、インターネット上などで活動が知られていたクイーンズの少年に目をつけます。

その少年がピーター・パーカーです。

トニーはピーターの自宅を訪れ、彼がスパイダーマンであることを見抜きます。

そして新しいスーツを与え、ベルリンで行われるヒーロー同士の戦いへ連れていきます。

ここが、トム・ホランド版スパイダーマンの映画での初登場です。

なぜクモに噛まれるところから始めなかった?

『シビル・ウォー』に登場した時点で、ピーターはすでにスパイダーマンとして活動しています。

そのためトム版では、

  • クモに噛まれる
  • 能力を手に入れる
  • 最初のスーツを作る

という従来のオリジンを最初から描いていません。

これは制作側が、トビー版とアンドリュー版ですでに何度も描かれたオリジンを繰り返さない方針を取ったためです。

▶ 『スパイダーマン:ホームカミング』はなぜクモに噛まれる場面から始めなかった?MCU版がオリジンを省いた理由

なぜアイアンマンがピーターを連れてくる役になった?

MCU版スパイダーマンを特徴づけるうえで重要なのが、トニー・スタークとの関係です。

ピーターをMCUへ導く人物をアイアンマンにしたことで、過去のスパイダーマン映画との違いが一気に明確になりました。

トニーはピーターを発見し、スーツを与え、その後はヒーローとしての成長にも影響を与えます。

『ホームカミング』の公式紹介でも、ピーターは『シビル・ウォー』での活躍を経てクイーンズへ戻り、トニー・スタークの見守る中でヒーローとして成長していく人物として説明されています。

▶ トム・ホランド版スパイダーマンはなぜアイアンマンと深く関わる?MCU独自設定を解説

トム・ホランド版はアンドリュー版の続きなの?

違います。

トム・ホランド版とアンドリュー・ガーフィールド版は別の世界のピーター・パーカーです。

『アメイジング・スパイダーマン2』の後に主人公だけ交代したわけではありません。

ソニーとマーベルの協力によって、新しいピーター・パーカーをMCUへ登場させる形でシリーズそのものが再スタートしました。

そのため、トム版の初登場を理解するために『アメイジング・スパイダーマン2』の続きとして考える必要はありません。

▶ トビー版・アンドリュー版・トム版スパイダーマンは何が違う?能力・性格・世界観を比較

原作コミックではスパイダーマンも『シビル・ウォー』に参加していた

映画だけを見ると、ソニーとの契約に合わせて無理にスパイダーマンを『シビル・ウォー』へ入れたようにも見えます。

しかし原作コミックの『Civil War』でも、スパイダーマンは非常に重要な登場人物のひとりです。

2006年に始まったマーベルのコミック版『Civil War』では、ヒーローたちが対立する中でピーターも大きな決断を迫られます。

そのため映画版『シビル・ウォー』にスパイダーマンが参加すること自体は、原作との相性も非常に良かったと言えます。

ただし、映画版のピーターの立場や物語はコミック版と同じではありません。

なぜ2015年になって協力が実現した?

2015年の公式発表では、ソニーとマーベルの双方が新しい協力関係によってスパイダーマンの物語を広げることへの期待を表明しています。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギも、スパイダーマンをMCUへ登場させる機会を長く望んでいたとコメントしています。

そしてソニー側にとっても、マーベル・スタジオと共同で新しい方向性を作るメリットがありました。

結果として、

ソニーがスパイダーマン映画を持ちながら、マーベル・スタジオがMCUとのつながりを作る

という、それまでにはなかった形が実現しました。

スパイダーマンをディズニーが買ったわけではない

ここは誤解されやすいポイントです。

2015年の合意によって、ディズニーやマーベルがスパイダーマン映画を完全に買い戻したわけではありません。

当時の公式発表でも、ソニー・ピクチャーズが引き続きスパイダーマン映画について、

  • 資金提供
  • 配給
  • 所有
  • 最終的なクリエイティブ・コントロール

を持つことが明記されています。

そのうえでマーベル・スタジオが共同製作に参加し、MCUとの連続性を作っているという特殊な関係です。

この権利関係については別の記事で詳しく整理しています。

▶ スパイダーマンはなぜソニー映画?マーベル・ディズニーとの関係と映画化権を解説

この契約がなければ『ノー・ウェイ・ホーム』も違う映画になっていた?

少なくとも、現在のトム・ホランド版スパイダーマンの形は、この協力関係なしには成立していません。

『シビル・ウォー』でMCUへ参加したことで、ピーターはその後、

  • アイアンマン
  • キャプテン・アメリカ
  • ドクター・ストレンジ
  • アベンジャーズ

などと同じ世界の人物として描かれるようになりました。

さらに『ノー・ウェイ・ホーム』では、過去のスパイダーマン映画の世界まで交わります。

2015年のソニーとマーベルの協力は、単に1本の映画へゲスト出演させただけではなく、現在まで続くトム版スパイダーマンの土台を作った出来事だったのです。

まとめ|『シビル・ウォー』登場の裏にはソニーとマーベルの協力があった

スパイダーマンが『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』から突然登場したのは、物語上だけの理由ではありません。

2015年にソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオが協力し、新しいスパイダーマンをMCUへ登場させることが正式に決まったからです。

しかも契約発表の段階から、新しいスパイダーマンは単独映画より先にMCU作品へ登場すると発表されていました。

そこで登場したのがトム・ホランド版ピーター・パーカーであり、『シビル・ウォー』がそのデビュー作となりました。

その後『ホームカミング』へつながり、アイアンマンやアベンジャーズとの関係を持つ、過去シリーズとはまったく違うスパイダーマンが誕生したのです。

▶ 映画『スパイダーマン』見る順番は?実写8作品とMCUの時系列を整理

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