『ガス人間』甲野京子は何者?ガス人間との関係と隠していた秘密を解説
※この記事にはNetflixシリーズ『ガス人間』最終回までの重大なネタバレがあります。
Netflix『ガス人間』を見ていて、途中から一気に印象が変わる人物が甲野京子(蒼井優)です。
序盤では、正義感の強い報道記者としてガス人間事件を追っているように見えます。
しかし第5話以降、
「京子は最初から何か知っていたのでは?」
と思わせる事実が次々に明らかになります。
結論から言うと、京子は単なる事件の取材者ではありません。
27年前のホワイトセンターの当事者であり、ガス人間・堤田蓮と深い過去を持つ人物です。
さらに、現在起きているガス人間事件にも京子自身が深く関わっていました。
甲野京子はJNTの報道記者
現在の京子は、テレビ局JNTに所属する報道記者です。
第1話では、番組出演中の佐野教授がガス人間によって殺害される現場に居合わせます。
そこから京子は、刑事・岡本賢治(小栗旬)とともに事件の真相を追うことになります。
表向きだけ見れば、
「事件を目撃した記者が真相に迫る」
という立場です。
しかし実際には、この時点ですでに京子は、事件の核心にかなり近い場所にいました。
京子はホワイトセンターのことを最初から知っていた
第5話で、27年前の京子の過去が描かれます。
幼い京子は、ホワイトセンターで生活していました。
そこで、環境浄化作業に参加した人々が遺体となって運ばれてくる場面を目撃します。
恐ろしくなった京子は施設から逃亡。
トラックの荷台に隠れて東京まで逃げます。
つまり京子は、ホワイトセンターについて後から知ったのではありません。
自分自身がその施設の被害者でした。
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逃げた京子を救ったのが堤田蓮
東京へ逃げた幼い京子がたどり着いたのが、ブンコラーメンでした。
そこで出会ったのが堤田蓮(UTA)です。
蓮は、身寄りのない京子にラーメンを食べさせ、居場所を与えます。
京子にとって蓮は、単なる知人ではありません。
ホワイトセンターから逃げ出した自分を初めて受け入れてくれた大切な人物でした。
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京子は蓮を「父親のような存在」と思っていた
最終回では、幼い京子が蓮に対して非常に強い愛情を抱いていたことが分かります。
幼い京子にとって、蓮は「助けてくれた大人」以上の存在でした。
家族を持てなかった京子にとって、家族のように感じられる相手だったのでしょう。
この関係が、27年後の京子の行動すべてにつながっていきます。
蓮は京子の代わりに危険な仕事へ向かった
京子のもとへ、ホワイトセンター関係者たちがやってきます。
そこで蓮は、京子を守るために自分が危険な作業へ向かう形になります。
そして隕石処理現場で異変に巻き込まれ、ガス人間になってしまいます。
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京子は大人になって蓮と再会する
長い時間がたったあと、大人になった京子は再び蓮を見つけます。
ただし、そこにいたのは人間だった頃の蓮ではありません。
ガス化し、活動停止時には石像のようになる異形の存在でした。
京子は、思い出の曲「いとしのエリー」で蓮が反応することを知ります。
そして、蓮が「願い」に従って行動する存在になっていることにも気付きます。
京子は復讐を始める
ここで京子は大きな選択をします。
蓮を元の人間へ戻す方法を探すのではなく、
ホワイトセンター関係者への復讐を蓮に実行させる
道を選びます。
最初の標的の一人が森靖利です。
その後も、ホワイトセンターや過去の隠蔽に関係した人物が次々と狙われます。
京子は「事件を追う記者」を演じていた
ここが京子という人物の最も大きな秘密です。
表向きには、京子はガス人間事件を追う記者です。
しかし裏では、ガス人間の正体を知り、蓮へ復讐を願っていました。
つまり、
自分が深く関わっている事件を、自分で取材していた
ことになります。
なぜそんな回りくどいことをした?
京子の目的は、単に関係者を殺すことだけではなかったと考えられます。
ホワイトセンターで何が行われていたのか。
誰がその事実を隠していたのか。
どこまで権力者がつながっているのか。
京子自身も、すべてを知っていたわけではありません。
だから記者として調査を続けながら、自分の復讐対象をたどっていたわけです。
京子は全部知っていたわけではない
ここは重要です。
京子は、
- ホワイトセンターの存在
- 自分と蓮の過去
- 蓮がガス人間になったこと
は知っていました。
しかし、
- 「無風」の全貌
- 現在の権力者たちのつながり
- 三浦まで続く構造
については、物語の中で調べながら知っていきます。
つまり、京子は黒幕ではありません。
あくまで事件を利用しながら、自分でもさらに奥の黒幕を追っていた人物です。
京子がブンコラーメンを知らないフリした理由
第1話から見返すと、不自然に見える場面があります。
京子は、ブンコラーメンの場所や過去について、取材で初めて知ったように振る舞います。
しかし第5話を見れば、京子がその店を昔から知っていたことは明らかです。
この場面は、
自分と蓮の関係を隠すため、あえて「知らない記者」を演じた
と考えるのが自然です。
ただし、京子本人が「疑われないために知らないフリをした」と明言する場面はありません。
ここは考察です。
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第1話から京子は嘘をついていた
片山慎三監督も、見返すと京子の表情の意味が変わることについて語っています。
つまり『ガス人間』は、2周目で京子を見るとかなり印象が変わる作品です。
初見では、
「事件に巻き込まれた記者」
に見える。
しかし真相を知ったあとでは、
「自分の秘密を隠しながら事件をコントロールしている人物」
として見えてきます。
岡本賢治との関係も複雑
京子と賢治は過去に交際していました。
現在も互いに強い感情を残しています。
しかし京子は、賢治にも自分と蓮の関係を隠していました。
賢治は京子を信じながら事件を追います。
だから真相を知ったとき、
「京子は復讐のために蓮を利用しているのではないか」
という問題を突きつけます。
京子は被害者であり加害者でもある
京子はホワイトセンターの被害者です。
幼少期にひどい環境へ置かれ、自分を救ってくれた蓮まで失いました。
その意味では、復讐したい気持ちは理解できます。
しかし同時に、蓮へ人殺しをさせている。
つまり京子自身も、蓮を自分の目的のために使う側になっています。
それは三浦と何が違う?
三浦威(岡部たかし)は、弱い立場の人間を「人間燃料」として利用します。
京子は三浦を憎んでいます。
しかし京子自身も、蓮を復讐の道具として使ってしまった。
ここに本作の残酷な構造があります。
最終回で京子は自分の復讐を終わらせる
最終回で京子は、これ以上蓮を誰かの願いに従わせることをやめようとします。
そしてJNT旧社屋へ向かいます。
蓮とともに金庫室で姿を消すという選択は、
自分の復讐を終わらせる。
蓮を解放する。
そして自分自身も責任を引き受ける。
そのすべてを含んだ行動だったと考えられます。
京子は最後にガス人間になった
物語はそこで終わりません。
1年後、賢治の部屋へ白いガスが現れます。
制作側の説明によれば、あのガスは京子です。
つまり京子は、最後に蓮と同じガス人間となりました。
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まとめ
甲野京子の正体は、単なる報道記者ではありません。
27年前のホワイトセンターの被害者であり、幼い自分を救った堤田蓮と深い関係を持つ人物でした。
そして大人になってガス人間となった蓮と再会し、ホワイトセンター関係者への復讐を蓮に実行させます。
つまり京子は、
事件を追う記者であると同時に、事件を動かしていた当事者
でした。
被害者なのに加害者にもなる。
真実を追う記者なのに、自分自身は嘘をつく。
その矛盾こそが、甲野京子という人物の一番面白いところです。
