実写映画『ルックバック』空手で犯人を倒す藤野は現実?あの場面を解説
※この記事には実写映画『ルックバック』の終盤とラストまで重大なネタバレがあります。
『ルックバック』終盤で、京本が事件に巻き込まれる場面では、藤野が現れて犯人を倒す展開が描かれます。
ところが、元の現実では藤野はその場にいません。
そのため、
「あの藤野は本物?」
「空手で犯人を倒したのは現実なの?」
「藤野の妄想だった?」
と分かりにくく感じた方もいると思います。
結論|元の現実で藤野が犯人を倒したわけではない
まず整理すると、
元の世界で京本が事件に遭った時、藤野が現れて助けたわけではありません。
藤野が犯人を倒す場面は、終盤で描かれる別の可能性の中の出来事です。
そのため、
「実は藤野が事件現場にいて京本を救っていた」
という意味ではありません。
あの場面は「もし藤野がそこにいたら」という世界
京本を失った藤野は、
「自分があの時そこにいれば助けられたかもしれない」
と考えます。
その願いをそのまま映像にしたようなのが、藤野が事件現場へ現れる場面です。
なぜ藤野がヒーローのように登場するのか
現実では藤野は京本を救えませんでした。
だから別の可能性では、
自分自身が京本を救う存在。
になります。
これは藤野が最も望んでいた展開です。
空手で犯人を倒すのも漫画的な見せ方
藤野が犯人を倒す展開は、現実の事件として見るとかなり劇的です。
そのため、
あえて漫画のような「ヒーローが間に合う展開」にしている。
と見ることもできます。
『ルックバック』は漫画を描く人の物語です。
現実ではできなかったことを、物語の中なら実現できます。
藤野はなぜ自分で京本を助けたかった?
京本の死後、藤野は自分を責めます。
「私が漫画を描かなければ」
「私が京本を外へ出さなければ」
と考えてしまいます。
その罪悪感を反対にすると、
「だったら自分が京本を救えばよかった」
という願いになります。
▶ 実写映画『ルックバック』藤野はなぜ自分を責めた?「漫画を描かなければ」の意味
藤野が強く描かれることにも意味がある
現実の藤野は、京本の死を前に何もできません。
しかし別の可能性では、藤野は犯人へ立ち向かいます。
つまり、
無力だった自分。
とは正反対の藤野です。
これもまた、藤野の願望を強く感じさせる部分です。
本当にパラレルワールドだった可能性もある
もちろん、作品は、
「これは藤野の妄想です」
と明言しているわけではありません。
4コマ漫画をきっかけに、本当に別の世界へつながったと解釈することもできます。
ただし、映画内で世界線や時間移動の仕組みが説明されるわけではありません。
▶ 実写映画『ルックバック』別世界のような場面は何?パラレルワールドなのか考察
大事なのは「現実かどうか」だけではない
あの場面を理解するうえで重要なのは、
藤野がどれだけ京本を救いたかったか。
です。
京本が死なない未来。
自分が間に合う未来。
自分が役に立てる未来。
それを藤野は心の中で何度も考えたはずです。
京本が助かることで藤野は救われる?
別の可能性の中では京本は助かります。
しかし元の現実は変わりません。
だから藤野の悲しみが消えるわけではありません。
それでも、
「もし助けられたなら」
という物語を一度見ることによって、藤野は自分の後悔と向き合うことができます。
漫画だから叶えられる救済
現実では亡くなった人を生き返らせることはできません。
しかし漫画ならできます。
間に合わなかった人が間に合う。
弱かった人が強くなる。
助けられなかった相手を助ける。
だから藤野が犯人を倒す展開は、
創作の中でだけ可能な救済。
とも考えられます。
ここからは考察|藤野は自分を許すために「救える自分」を描いた
藤野は、京本を救えなかった自分を責めています。
だから別の物語の中で、
京本を救える藤野。
を描く。
それによって、
「本当は救いたかった」
という自分の気持ちを形にしたのではないでしょうか。
それでも最後は現実へ戻る
大切なのは、藤野がその世界に残らないことです。
元の現実では京本はいません。
藤野はその事実を抱えたまま、もう一度漫画を描きます。
▶ 実写映画『ルックバック』ラストの意味|藤野はなぜ漫画を描き続けた?
まとめ|藤野が犯人を倒す場面は「京本を救いたかった」という願いの形
あの場面を整理すると、
元の現実で藤野が犯人を倒したわけではない。
別の可能性の中で藤野が京本を救う。
本当のパラレルワールドと解釈することもできる。
藤野の願望や「もしも」の物語と見ることもできる。
藤野がヒーローのように描かれるのは、現実では救えなかった京本を救いたい気持ちの反映とも考えられる。
ということです。
つまりあの場面は、
「藤野は本当に空手が強かったのか?」より、「なぜ藤野は自分の手で京本を救う物語を必要としたのか?」
を見ると理解しやすくなります。
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原作で終盤の流れを確認したい方へ
藤野が京本を救う別の可能性や、4コマがどうつながっていくのかは、原作コミックで読み返すと整理しやすくなります。
実写版の終盤を見返したい方へ
藤野が京本を救う場面や、現実から別の可能性へ切り替わる演出をもう一度確認したい方はこちらです。
