『オデュッセイア』を見る前に知っておくこと|トロイア戦争から5分で予習
※この記事は映画『オデュッセイア』を見る前の予習用です。物語の基本設定には触れますが、映画終盤の大きな結末はできるだけ避けて解説します。
映画『オデュッセイア』を見たいけれど、
「ギリシャ神話を全然知らない」
「トロイア戦争って何?」
「登場人物の名前が難しそう」
と不安な方もいるのではないでしょうか。
結論から言えば、ギリシャ神話を詳しく勉強してから見る必要はありません。
5つほど基本情報を知っておけば十分です。
これだけ覚えればOK
①オデュッセウスはイタカという国の王。
②トロイア戦争へ約10年間参加していた。
③戦争が終わったあと、家へ帰るのにさらに約10年かかる。
④妻ペネロペと息子テレマコスがイタカで待っている。
⑤海神ポセイドンがオデュッセウスの帰還を妨げる。
まず、この5つだけ覚えてください。
主人公オデュッセウスとは?
オデュッセウス(おでゅっせうす)は、ギリシャ西部の島国イタカの王です。
力だけで戦う英雄ではありません。
知恵と策略が最大の武器。
です。
トロイの木馬を使った作戦でも中心的な役割を果たしました。
トロイア戦争って何?
ギリシャ側の国々とトロイが戦った大戦争です。
伝説上、約10年間続いたとされます。
映画『オデュッセイア』は、
この戦争が終わったところから「家へ帰る物語」が始まる。
と考えれば分かりやすいです。
有名な「トロイの木馬」もここ
ギリシャ軍は巨大な木馬の中へ兵士を隠します。
トロイ側は木馬を戦利品・神への奉納物だと思い、自分たちで城内へ運び込みます。
夜になると兵士が木馬から出て、トロイを陥落させます。
▶ 『オデュッセイア』トロイの木馬とオデュッセウスの関係は?トロイア戦争から帰還までを解説
戦争が終わったら家へ帰るだけでは?
本来ならそうです。
しかしオデュッセウスの帰還には、さらに約10年かかります。
ここが『オデュッセイア』の本編です。
怪物。
魔術師。
嵐。
神々。
仲間の失敗。
さまざまな障害によってイタカへ帰れません。
つまり家を離れていたのは約20年
戦争:約10年。
帰還:約10年。
合計すると、オデュッセウスは約20年間家に帰っていません。
これを覚えておくと、妻と息子の状況が理解しやすくなります。
妻ペネロペは何をしている?
ペネロペ(ぺねろぺ)はオデュッセウスの妻です。
夫が20年近く帰らないため、
「もう死んだのではないか」
と考えた男たちが大勢、彼女へ求婚します。
しかしペネロペは再婚を先延ばしにしながら夫を待っています。
▶ 『オデュッセイア』ペネロペはなぜ20年間待った?求婚者と再婚しなかった理由
息子テレマコスは何をしている?
テレマコス(てれまこす)はオデュッセウスの息子です。
父が戦争へ出た時は幼い子どもでした。
しかし父が帰らないまま成長します。
そして、
「父は本当に死んだのか」
を確かめるため、自分でも旅に出ます。
▶ 『オデュッセイア』テレマコスは誰?オデュッセウスの息子が果たした役割を解説
覚える神は3人で十分
神々はたくさん登場しますが、映画を見る前なら、まず3人で十分です。
アテナ
知恵と戦略に関わる女神。
オデュッセウスを助ける側。
ポセイドン
海の神。
オデュッセウスの帰還を妨げる側。
ゼウス
神々の最高神。
単純な味方・敵ではなく、神々の秩序を取りまとめる存在です。
▶ 『オデュッセイア』登場人物・神々の相関関係を初心者向けにわかりやすく解説
なぜポセイドンは怒っている?
オデュッセウスが、一つ目の巨人ポリュペモスの目を潰すからです。
ポリュペモスはポセイドンの息子。
そのため原典では、ポセイドンがオデュッセウスの帰還を妨げ続けます。
▶ 『オデュッセイア』なぜポセイドンの怒りを買った?オデュッセウスが呪われた理由を解説
怪物の名前は全部覚えなくても大丈夫
映画には、
キュクロプス。
セイレーン。
スキュラ。
カリュブディス。
など、さまざまな存在が出てきます。
最初から名前を全部覚える必要はありません。
「帰還途中に次々と試練が起きる」
くらいで十分です。
キルケとカリュプソは別人
初心者が混同しやすいのがこの二人です。
キルケ:
仲間を豚へ変える魔術師。
カリュプソ:
オデュッセウスが長期間滞在する島の女性。
まったく別の人物です。
映画と原典は完全に同じではない
ここも事前に知っておくと混乱しません。
ノーラン版はホメロスの物語を忠実にそのまま映像化した作品ではありません。
登場人物の省略。
神々の直接介入の削減。
出来事の順序変更。
人物設定の変更。
映画独自のラスト。
などがあります。
▶ 映画『オデュッセイア』と原典の違いは?ホメロスの叙事詩から変更された点を比較
時間が前後することも知っておく
『オデュッセイア』原典自体が、最初から時系列順に進む物語ではありません。
旅の途中から始まり、過去の冒険が後から語られます。
ノーラン監督もこの非直線的な構成を活用しています。
そのため、
「今どの時点?」
となっても、途中で分かるようになるので焦らなくて大丈夫です。
映画を見る時の最重要ポイント
怪物の名前より、
オデュッセウスが何を失っていくか。
を見ると分かりやすいです。
戦争。
仲間。
船。
自信。
記憶。
そして長い旅の末に、彼は何を持って故郷へ帰るのか。
ここが映画の中心です。
5分予習まとめ
映画を見る直前なら、この部分だけ覚えてください。
主人公:オデュッセウス。イタカ王。
妻:ペネロペ。
息子:テレマコス。
トロイア戦争:10年間。
帰還の旅:さらに約10年。
アテナ:助ける。
ポセイドン:邪魔する。
目的:とにかくイタカの家族のもとへ帰る。
これだけで十分です。
まとめ|ギリシャ神話を知らなくても、この関係だけ分かれば見られる
『オデュッセイア』を見る前に覚えるべきことは、難しい神話の系図ではありません。
戦争を終えた王が家へ帰ろうとしている。
しかし海と神々と怪物が邪魔をする。
家では妻と息子が20年近く待っている。
基本はこれだけです。
あとは映画を見ながら、オデュッセウスと一緒に旅を追えば十分理解できます。
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『オデュッセイア』を原典でも読みたい方へ
映画をきっかけに、オデュッセウスの旅を原典でも追いたい方は、まず上巻から読むと人物関係や神々の役割を理解しやすくなります。
『オデュッセイア』上巻
『オデュッセイア』下巻
故郷イタカへ戻ってからの変装、弓の試練、求婚者との決戦、ペネロペとの再会へ続きます。
